前回のブログの続きです。

 

真美さんはKを連れて、ある島に渡りいろいろな手続きを済まし少し経った頃。

 

将雄さんの言葉が妙に頭を駆けめぐったという。

 

島の住人はそう多くない。

 

その将雄さんが言った恵さんを探して聞いてまわった。

 

そして、その恵さんに辿り着くことができ会いに行くことにしたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恵さんに初めましての挨拶を済まし、ハルさんのことを訪ねたそうだ。

 

その恵(仮名)さんという女性は既婚者で島の住人。

 

そして真美さんは自分のが何者なのかを話、連れていたKの紹介もした。

 

驚くことに恵さんはハルさんと地元が同じ。

 

その恵さんの妹さんである”愛子さん”は、学生の頃のハルさんの彼女だったことが分かった。

 

若くして自ら命を絶ってしまった愛子さん。

 

そう以前にこのブログでも書いたハルさんが本気で愛した女性のひとりで、ハルさんが高校生の頃に付き合っていたのが愛子さんだったのだ。

 

真美さんも驚いたらしい・・・

 

そして・・・・真美さんが恵さんにハルさんが亡くなったことを伝えたところ泣き崩れたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして・・・・・・そのハルさんの血をひく娘がKなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからは真美さんが恵さんから聞かされた話。

 

この恵さんの話の中には、将雄さんの行動の謎を解くことができるカギがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恵さんの妹、すなわちハルさんの彼女、それが愛子さん。

 

この愛子さんは薬と暴行のせいで自ら命を絶った。

 

真面目でヤンキーとはほど遠い女子高生だった。

 

でもハルさんの優しさに触れ付き合うことになった。ヤンキーまっしぐらのハルさんと。

 

そして事件が起こりこの世を去ることになった。

 

 

 

 

愛子さんが亡くなりハルさんは毎日愛子さんの家に足を運び、愛子さんの両親に罵倒されながらも謝罪しに毎日のように愛子さんの家に通った。

 

ハルさんは・・・・ただ愛子さんのお墓参りがしたくて・・・・

 

でもお墓の場所すら教えてもらうことはできなかった。

 

ハルさんは愛子さを自殺に追いやった連中に報復をし、自分も愛子さんの後を追うため自ら命を絶つつもりでいた。

 

このときハルさんはまだ高校生・・・・・

 

このとき恵さんは20歳で社会人だった。

 

恵さんも妹を失った悲しみをハルさんにぶつけるしかできなかったという。許すことができなかったという。

 

しかし恵さんは毎日のように家にきて門前払いされながらも謝罪にくるハルさんに、悪い印象から変わって良い印象を持つことになる。

 

「このハル君は心から妹を愛していたんじゃないのか?想いは真剣で真面目で・・・・身なりとは逆に純粋なんじゃ?」

 

と、思うようになったという。

 

そのうち愛子さんの両親はハルさんが家に来るたび警察を呼ぶようになり、ハルさんは愛子さんの家に行けなくなったという。

 

そして、しばらく経つとハルさんの友人という男の子が代わりに来るようになったという。

 

それが・・・・・・将雄さんだった。

 

当時の将雄さんは強く優しくかっこいいハルさんに憧れていたらしい。

 

ハルさんは怒りの矛先を納める場所を見失ったまま、愛子さんを襲った連中を捜していた。

 

将雄さんは、ハルさんを止めるべく宗二さんに相談していた。

 

ハルさんは報復し自分も死ぬということを聞かされていたからだ。

 

しかし荒れ狂うハルさんを宗二さんでも止めることができなかった・・・・

 

それを間近で見ていた将雄さんは、何度も宗二さんに「止められないじゃないか!」と迫った。

 

宗二さんもハルさんを止められない自分に苛ついていた・・・・・

 

そして宗二さんは迫ってくる将雄さんを恫喝したという。

 

「将雄てめえにハルを止められるのか?できねえだろ!だったら黙ってろ!ウダウダ言うんじゃねぇ!」

 

というふうに恫喝されたらしい。

 

そして宗二さんは「いざとなったら刺しちがえてもハルを止めてやる!だから黙れよ!」

 

と、こう言ったらしい。

 

将雄さんは・・・・愛子さんの家に行けなくなったハルさんの代わりに、恵さんに会いに行くようになったという。

 

そして恵さんにハルさんを止めてくれるよう頼んだというのだ。

 

恵さんも最初はその頼みを拒んだという。

 

もう関わり合いたくないというのが正直な気持ちだったらしい。

 

しかし何度でも懲りることなく頼みに来る将雄さんに負け、一応ハルさんに話だけするということで

 

ハルさんと会うことになる。

 

 

 

将雄さんの努力の甲斐あって、恵さんとハルさんが会うことをセッティングする。

 

そしてハルさんと恵さんは会って話すことになった。

 

恵さんの話だとハルさんは会ったとたん恵さんの目に土下座し泣きながら謝罪したという。

 

そして報復なんてしても愛子は喜ばない!とハルさんに言ったという。

 

するとハルさんは・・・・

 

「メグちゃん。愛子のお墓参りがしたい。お墓のある場所に案内してほしい」

 

「愛子の墓を参ってからどうするか決める」

 

と・・・・・・そう言ったらしい。

 

このとき・・・・ハルさんも宗二さんも将雄さんも高校生。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このとき恵さんはハルさんの純粋な愛子さんへの想いをひしひしと感じ取ったらしい。

 

そして愛子さんのお墓へとハルさんを案内した。

 

ハルさんは線香も持たずに、そのまま恵さんにお墓へ案内された。

 

愛子さんのお墓の前に来ると

 

「メグちゃん。頼む愛子と二人っきりにしてくれないか?」と、こう言った。

恵さんがお墓から立ち去り際に・・・・ハルさんが大声をあげ泣く声が聞こえたという。

 

それはとても悲しい泣き声で・・・・・・胸が張り裂けそうだったという。

 

 

その愛子さんのお墓はお寺の横の敷地内にあって、後にハルさんが何十年も通うことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく時間が経ち雨が降ってきた・・・・・・そして雨はだんだん強くなってゆく。

 

恵さんはまさかと思い、すでに夜になって暗くなっているのにもかかわらず愛子さんのお墓に向かった。

 

ハルさんを案内してから4時間は経っている・・・・・・

 

そしてお墓に着くと・・・・・

 

愛子さんのお墓の前にひざまづき、しくしくと泣くハルさんにお寺の住職が傘をさし黙って立っていた。

 

びしょ濡れのハルさんがひざまづく石畳には雨と血が混り、ハルさんの手は紫色に変色し所々血が噴き出していた。

 

何度も石畳に自分の拳をぶつけたようだ。

 

強く握りしめた拳は腫れ上がり・・・泣きじゃくっていた。

 

ハルさんは恵さんにこう言ったそうだ。

 

「メグちゃん。俺はどうしたらいい?どうしたらいいのか分かんねえ・・・」

 

恵さんが黙っていると、お寺の住職が傘を恵さんに預け何も言わず静かに去っていった。

 

恵さんはハルさんの問いかけに泣くことしかできなかったという。

 

あまりにも純粋で悲壮なハルさんを見て泣くことしかできなかったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後ハルさんは愛子さんに暴行した連中を見つけ出し報復した。

 

でも命を取ることはしなかった。

 

そして自ら命を絶つこともしなかった。

 

そして警察に捕まり施設に送られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして恵さんはハルさんに手紙を送ったという。

 

その内容は・・・

 

愛子を愛する純粋な気持ちはは痛いほど解りました。

 

ハル君は、まだこれから素敵な人生が待ってます。

 

愛子の分もしっかり生きてください。

 

愛子を愛してくれてありがとう。

 

という内容の手紙だそうだ。

 

そして手紙の最後には、悩んだり困ったりしたときはいつでも訪ねて来てください。

 

と、書いたらしい。

 

ハルさんからの返信はなかったらしい・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして将雄さんには、ハルさんに送った手紙の内容を話したらしい。

 

そのことで将雄さんは安心したようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして将雄さんは恵さんが結婚し、この島にいることを知っていたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後ハルさんは毎年ひそかに愛子さんの命日にはお墓参りに来ていたという。

 

これは寺の住職の話で分かったそうだ。

 

そう・・・・体の自由が奪われてしまうその年まで一度も忘れることなくずっとだ。

 

何十年もずっとだ。愛子さんを忘れることなく生涯生きたということだ。

 

愛子さんのお墓参り来るたび一通の手紙を必ず供えていったらしい。

 

そのお供えの代わりとなる手紙の内容は

 

「愛子がいたから俺はどこまでも強くいられる」

 

毎年この内容の手紙がお供えされていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恵さんが真美さんに話した内容です。

 

真美さんは涙なしでは聞くことができなかったそうです。

 

そして、この話は恵さんだけが知っていた話。

 

真美さんも美香さんも俺も知らなかった話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この話は娘のKも一緒に聞いていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりの壮絶な話に俺は正直言って衝撃を受けた・・・

 

真美さんも衝撃だったと言っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く