人生経験
この言葉には・・・まさに十人十色だろう。
ひとりひとり個々にみんな違う。
そして様々だと思う。
人生経験とは自分だけのモノ。同じ人などいない。
ハルさんは人生経験において豊富だっと思う。
実際にどんな絶望的状況でも諦めたりしない。
俺はハルさんのそばで間近でそれを見てきた。
ただ単に諦めが悪いと言われればそれまでではある。
でも諦めが悪い故、もがいて苦しんでそれでも這ってでも前に進もうとする。
打開策なく失望しても、何度心折られようと・・・・
何度でも立ち上がり、そしてまた・・・辛くても・・・・もがいて苦しんで・・・
みっともなくて・・・かっこわるくても・・・・それでも前に進むことをやめない!
それがハルさんだった。
誰になんと言われようと関係なく、未来だけを見据えて進む。
結果なんて関係ないのかもしれない。
その過程がハルさんの人生経験だったような気がする。
そして・・・・どんな絶望的状況に陥ってしまっても、ハルさんがいるだけで希望が持てた。
心強かった。恐くなかった。何とかなりそうな気がした。
とても頼りになる人だった。
精神的な面で支えてくれるような気がした。
今の真美さんを見てると、ハルさんの精神が間違いなく宿ってるように思う。
今の真美さんは、まさに”不屈の精神”を受け継いだひとり!
確信を持って言えます。
”人間ってここまで強くなれるんだよ”って真美さんに言われてるような気になる。
それを行動で姿勢で語りかけてくる。
まるで肉体を失ったハルさんが支えているような気さえする。
自分一人じゃ支えきれない重たいモノを背負って、それでも・・・・打開策を捜し進もうとしている。
あたなたにできますか?
俺にはできないだろう・・・
俺は一時的だが帰ってきた真美さんを見て、素直にそう思った。
逞しく成長した真美さんを目の当たりにした。
真美さんはハルさんと結婚する前まで、ひとりで生きてきた強い女性だ。
精神的にも肉体的にも強い女性だ。
尊敬さえしていた。
でも今は、更に逞しくなったような気がする。
そうハルさんに重ねるほど。
葵さんも強い女性だった。
ハルさんを支えられる強い女性だった。
でも少し弱かった・・・儚ささえ感じたこともある。
真美さんは今、ハルさんと葵さんの心を背負っている。
そうして得た強さなのかもしれない!が、ここまでになるまで一体どれほどの苦しみを乗り越えたのだろう。
俺には想像すらできない。
そして真美さんも、またハルさんに負けないくらいの人生経験を積んだのだろう。
積んだ人生経験の質も量も形も、ハルさんとはぜんぜん違うものだろう。
真美さんは言った・・・・
「アオねえぇ(姉の葵さん)がいたから・・・ハルさんがいたから・・・どこまでも強くなれる」
これはハルさんが愛子さんの墓に毎年添えた手紙の言葉だ。
俺には・・・まだこの言葉は言えない。
この言葉は吐く自信はない・・・・・
いろいろなことにおいて覚悟した人間しか言えない言葉だと思う。
またこの言葉を吐く資格もない。
でも真美さんは言った。
それだけの覚悟ができているから言えるんだと思う。
昔・・・・
ハルさんがこんなことを言ったことがある。
「”出会い”これほど重要なことはない!」
「出会いこそが始まりで全てを変えてしまうほど影響力が強い」
「だから”人”を重要視する」
「何事においても決して軽視してはいけないんだ・・・人こそが拙者の宝」
こう言った。
今も胸に響く。
人との出会いで善し悪しが決まってしまう。
良い出会いもあれば、悪い出会いもあるだろう。
でも・・・それも経験。決して軽視してはいけない。
俺もそう思う。ハルさんの教えのひとつだ。
俺もハルさんと出会ったからこそ今がある。
これは確かなことで否定できないことだ。
もちろんハルさんを通じて出会った人がいて、そのおかげで今も生きてられる。
ハルさんは決して俺を見捨てることはなかった。
人は間違える・・・・過ちを犯す
それでも許し・・・そして見捨てない。
ハルさんはそんな人だった。
「世の中にはこんなバカもいなくちゃいけないだろう・・・」とか言って・・・
だから今の俺がいる。
おまえにとって知らない人は、おまえにとって存在しないのと同じ。
共有していない時間は無いのに等しい。
出会って初めて共有する時間が始まる。存在が生まれる瞬間がこの時だ。
この言葉の意味が解りますか?
昔、ハルさんが俺に言った言葉。
今の俺には解る。
そして出会いこそが人生経験を積むことができる。
俺はこれが答えだと思っている。
ハルさんは、この答えを言わなかったが・・・・これが答えだと思っている。
ハルさんが恵さんの元へ真美さんを導いた・・・・
この出会いが殻に閉じ籠もったKを解放した。
これから先もKを元に戻すのに必要な人物だろう。
恵さんは、これからも真美さんの心強い存在になるだろう。
残念ながら将雄さんには会えていない。
どこで何をしているのか知らないが、何度訪ねても留守だ。
将雄さんは変人なので気は進まないが、会って話を聞きたい。
俺は・・・・
恵さんにも会って話してみたい。
無理なことだが・・・・・愛子さんにも会って話してみたい。
これは真美さんも美香さんも言っていた。
愛子さんはどんな女性だったのだろう・・・・
高校生のハルさんの心を掴んだ女性。
とても素敵な女性だったんだろう。
この愛子さんの顔は美香さんは知っている。
でも、ただそれだけだ。
美香さんも、愛子さんについて詳しいことは何も知らない。
分かっていることは・・・・ハルさんが全身全霊で愛した女性。
ハルさんが生きた時代。
そしてハルさんと生きた時代。
ハルさんと生きた時代は・・・・俺は大切にしたい!
今日はそんなことを思いながら・・・・
ハルさんのお墓参りに行ってきました。
今もそばにハルさんがいるような気がした。
存在意義なんてなくてもいいのかもしれない・・・
ただ・・・いてくれるだけでよかった・・・・
心からそう思う。