この夏は英語で本を読むことにする(ブッククラブの本以外は、なるべく... 笑)。

いつもはKindleで読むが、前から買って読もうと思っていた本も含めて一気読み。

 

大ファンのカズオイシグロ。『A Pale Vie of Hills』は戦後の長崎で二人の娘を育てながら忍耐強く生きる悦子。

近所の貧しい女児と出会い、何かと世話をするが、この村では不思議な亡くなり方をする人がいる。個人的には、そこが気になる。

 

犯人は最後まで明かされない。日本語版は「遠い山なみの光」。

読んだ方がいらっしゃったら、どう思ったか教えてほしい。

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『The Lions of Marash (Stanley E.Kerr著)』

この本は絶版なので入手が大変だったが、ある大学図書館がAmazonで売っていたので購入。Stanley Kerr博士は政治学専門。中東情勢に精通しており、レバノンなどに住みながら、人道支援もした人。これはアルメニアとトルコについて書いた本。 1900年代初頭から半ばにかけて、オスマン帝国にありながらアルメニアはキリスト教だったため多大なる損害を受ける。その抵抗運動など。その後はソビエトに支配され激動の時代だったが、文化人を多く育んだ。

 

著者の息子さんは、世界にあるAmerican Universityの一つのベイルート校で同じ志を持って生きるが突然の暴漢に襲われ亡くなる。お孫さんは、プロバスケットボールでシカゴブルズの黄金時代の選手。現在はサンフランシスコWarriersを優勝に導いた監督の Steve Kerr。

 

私が旅した国で、トルコはトップ3位に入るくらいお気に入り。帝国時代は色々あったのは悲しい事実。イギリスや日本も同じだけど。

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「Brave Enough]は同じ著者の本が舞台化されて見に行ったのがきっかけ。小さな劇場で感動が直撃する。

この本は人生のアドバイスがページごとに書かれている。文章が簡単で読みやすいので、寝る前に1ページ開いて読んでいた。

印象に残ったページは付箋を貼って、また読んでみた。

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『Bad Blood (John Carreyrou 著)』

しばらくは毎日ニュースだった、薬局でも受けられて革新的な血液検査。この検査は嘘だった。開発・販売したTheranos(テラノス)社と若き社長エリザベス・ホームズ(Elizabeth Holmes)。友達からこの本を貰っていたけれど、分厚いため日本語版が出ないかと待つこと2年。やっぱり英語で読むことにする。

 

若くて美人なスタンフォード大学生のエリザベスに投資家が何ミリオンも投資するが、この始末。2015年にWSJの報道によって、テラノスの技術に疑問が。その後、FBIが調査。テラノスは詐欺行為を知りながら営業していた。

『Bad Blood』は、テラノスの内部告発者や元従業員の証言、資料、取材などを基にして執筆されており、テラノスの興りと崩壊、そして野望とビジネス界における倫理に疑問を投げかけた作品。逮捕されたエリザベス。直後、結婚する。刑務所に入らないために彼女は手を尽くす。裁判所に行くたびにニュース映像ではお腹が大きい。妊娠して2度の出産までする。

努力(?)の甲斐なく、刑務所で服役中。

 

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この人、サイコパスなのだと思う。他人の気持ちや苦しさを察する事はできない障害と、嘘をいくらでも言える障害の2種混合。それが原因で若くして、人生に大きな汚点を残した例。こういう人に会ったことがあるが、見栄や功績のために嘘を重ねるが、周りが既に気づいていることも分かっていないので、賢いのかは不明。

 

この本をくれた友人はハーバードMBA卒。彼女いわく「ハーバード時代、こんな子いなかったわねぇ。私はエリザベスがプレッシャーから言い出せなかったと最初は思ったけれど、もっと奥が深い気がする」と。