この映画を30年前に観た時から、私の中ではずっとベスト映画。音楽も、ストーリーも、出演者も、何もかも…!

 

サンノゼに小さな交響楽団がある。そこの広告を見て「行かなきゃ!」と即決したのが、「New Cinema Paradise」の曲を生演奏するというプログラム。

 

 

会場に入ると、大画面の前で交響楽団が練習していた。もしかすると全曲を映画にあわせるのかしら?(嬉しい〜!)

 

女性の指揮者が簡単に説明する。分かりやすい。ちなみに私はVHSのテープが擦り切れるほど観た後、DVDも完全版を買い、今はDVDマシンがないので、YouTubeで閲覧料を払い、かれこれ30回は観たかも。観れば観るほど、深くて、気付かされることが多い。

 

この映画は私の父の人生と重なるところがあり、今回は若い時の志しは大切、という事に気付かされる。主人公トトはシチリアの小さな町で戦時中に幼年期を迎え、映画に夢中。戦地に赴いた父親のことは覚えておらず、毎日映画館で働くアルフレッドに会いに行く。彼が高校を卒業した頃、アルフレッドから「この町では出来る事が少ない。都会に出て夢を叶えなさい。故郷に戻るな」と言われる。15歳で一人で寄宿学校に向かった私の父の話を思い出す。当時、そこには父親を亡くした同級生が何人かいて、生涯の親友となった、とよく聞かされた(そういう時代だったので、みんな奨学金をもらい勉学に励んだそう)。


20年以上経過して、アルフレッドの葬儀のため初めて帰郷するトト。ローマで活躍し洗練された身なり。しかし、最後のシーンではアルフレッドが残した映画の切り取りフィルムを見て、自分の初心を思い出すトト。


演奏中は、ほぼ全シーンを大画面で観せてくれて、弦楽器の音が心に染み入る。周りには、すすり泣く観客や、いちいち反応する観客も。良い演奏会だった。

 

作曲したモリコーネ氏は、イタリア映画だけでなくハリウッドの作品も多く、近年他界された。

シチリア旅行をした時、この村に寄ったら、映画の記念館の人が「お客さんはドイツ人と日本人が多いよ」と教えてくれた。

 

この日はスーパーボウルの日。しかし、私も含めてアメフトのルールも知らない、興味もない、という人口が多いため、コンサートは満席だった。