ブッククラブで「恍惚の人」(有吉佐和子)を読みました。読むスピードが遅い私にしては、「もっと大事に読まなきゃ」と思うのに、どんどん読み進めてしまい今年のベストに入ります。

1970年代なのかな?その頃は、長男の嫁が面倒を看るべきという習慣から、すこし抜け出て今で言う老人デイケアができはじめた頃。しかし、そんな知識は一般の人には無かったため、法律事務所で事務員をする傍ら、痴呆症の義父の面倒を看るという奥さん。有吉佐和子さんも当時かなりリサーチされたのだと思う。痴呆症と名前が認識され始めた頃(今は新しい名前になってますね)、必死で義父を追いかける長男の嫁と、どこか頼りない長男。そして、「ママ達はお祖父ちゃんみたいにならないでよね」と冷めているその長男。義父はおむつも自分で取って、汚物を壁に投げたり、本当に大変。正気では対応、というか戦えない現実な点が、ストレートに伝わってきます。


白椿のブログ

読者を決して飽きさせないスピードで進む、まさに有吉マジックでした。