高橋さんちの居候達。第1話「小さき者達の会議」【2:2:1】
所用時間:15分
作者:おここ
【台本使用について】
ニコ生・こえ部で使う場合は報告無く自由にお使いください。
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それ以外の用途の場合はご連絡頂ければと思います。Twitter:@rodoyumi
~登場人物~
高橋さん。:そこそこの年齢の一人暮らしのズボラなOLさん。出てこない。
次郎 ♂:高橋さん宅の居候コロボックルその1
オトメンなおっさん。notオカマyesオカン!と本人は言ってる職業オカマ
太郎 ♂:高橋さん宅の居候コロボックルその2
厨二病をこじらせてる。ちょっとキモイ。勇者修行中らしい。
正雄 不:高橋さん宅の居候コロボックルその3
子供。無邪気。のはず。
アケミ ♀:高橋さん宅の居候コロボックルその4
お姉さん。基本ローテーション。
マイコ ♀:高橋さん宅の居候コロボックルその5
好奇心旺盛。以外と一番常識的かもしれない。
~配役~(2:2:1)
次郎 ♂:
太郎 ♂:
正雄 不:
アケミ ♀:
マイコ ♀:
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次郎 :「コロボックルとは…身長が低く動きが素早く、漁を得意とし
又、屋根をフキの葉で作った穴に住んでいた。
人に対し非常に友好的な種族で時々人間と物々交換もしていたと言う。」
マイコ :(タイトルコール)高橋さんちの居候達。第1話「小さき者達の会議」
太郎 :「それが我々の起源…ルーツと言う事か。俺が考えていたのとは違うな。
例えば、地獄の業火から蘇りし…とか、天界より遣われし…。」
正雄 :「(遮って)て、言うかぁ…俺達ってやっぱりそのコロボックリ?って奴なのー?」
アケミ :「…『コロボックル』ね。でも何か私達とは違う様な気がするんだけど。
確かに小さくて素早いかもしれないけど、別に漁もしないし穴にも住んでない。」
マイコ :「まぁねー?一応人間には友好的と言えば友好的だけど、
やつらは私達の存在が見えて無いもんね?偶に見える瞬間とかあるみたいだけど。」
正雄 :「あー、何でかジローばっかり目撃されてさー、『小さいオッサン見た!』とか
ネットに書き込まれてた時期あったよねー!」
次郎 :「テレビとかでもね。言っておくけどアレ全部が私って訳じゃ無いからね。
身に覚え無いし、きっと同じ種族のオッサンだと思うし。
私ジャージとか、ステテコ腹巻とかそう言う格好しないしね!
フリルとレースは乙女の標準装備なんですからね!!」
アケミ :「次郎の格好は興味ないし、どうでも良いんだけど…
オッサンばかりって事は、オッサンだからこそ人に見られやすいって事?」
太郎 :「そんな特殊能力は解せぬ。」
マイコ :「とにかくー、さっきの次郎の説明ってさ?結局昔は…って事なんじゃないの?
今時田舎にでも居なきゃそんな生活してないってー!
私達都会っ子なんだよー?ネットとか出来ないと死んじゃう!」
正雄 :「あぁ、マイコは良く高橋さんのスマホとか使ってるもんねー?」
マイコ :「そう言うけど、皆だってスマホもタブレットもPCだって使ってるじゃん!」
次郎 :「まぁ…確かに料理のレシピとか色々便利なのよね。
家主の高橋さんには悪いとは思うけど。」
アケミ :「良い暇つぶしにもなるし、人間観察的にも楽しいわよ。
都会で生き抜いて行くには、ある意味人間との共存は不可欠。
要するに使えるもんは使っておけって事ねー。」
太郎 :「(キメ声で)俺は来るべき時の為に日々活用している。
いつ何時、世界の終焉が訪れるかわからんからな!」
アケミ :「うん。ちょっと気持ち悪いから黙ろうか。」
正雄 :「ぶっはー!タロー、きもーい!」
太郎 :「……子供とて容赦せんぞ。」
マイコ :「って言うかさ、そもそも何でコロボックルが~みたいな話しになったんだっけ?」
次郎 :「あぁ、それは正雄ちゃんが『俺達ってコロ何とかって奴なの?』って言うから…。」
正雄 :「だって、テレビで昔のアニメで俺達みたいの出て来て言ってたんだもん!」
アケミ :「正直、自分達が何者かなんて考えてみた事も無かったけどねぇ?」
太郎 :「俺は常に考えているぞ。我々は何故にこの世界に生を受けたのか…と。」
マイコ :「別に何でも良いと思うけどぉ。コロボックルだろうが妖精だろうが、
人間が勝手に呼び名を付けて呼んでるだけじゃん?」
正雄 :「でもさぁ、そのアニメは俺達みたいなチッサイ奴らしか居ない世界だったよー?
人間とかいない…そんな世界ってどっかに本当にあるのかなー?」
太郎 :「…俺は生まれ落ちたこの世界を信じるだけだ。」
アケミ :「私達はこの人間が普通に暮らしてる世界しか知らないわけだし。
それこそ海外とか、日本でも人里離れた田舎とかにそんな所あるかもしれないけど。」
次郎 :「どうなのかしらね?そんな話し聞いたこと無いけど…。
それに人間がいるこの世界が当たり前過ぎて何だか想像しづらいわぁ。」
マイコ :「うーん…自給自足みたいな生活だったらゴメンだし。
まだ人間世界の縮図みたいな感じなら有りかなぁ…とは思うけど。」
次郎 :「そもそもこの世界だって地域で言語や文化の違いが大きいんだし…
その世界にもそう言うのがあるのかしらー…とか?」
正雄 :「アニメのは伝説の剣を持って戦っててカッコ良かったよー?」
太郎 :「伝説の剣…だ、と!?…その剣を探す旅をする時が来たと言う事か!?
アケミ…ちょっとこのセリフを頼む。」
アケミ :「……えぇ?
『勇者、太郎よ…時が満ちました。さぁ、新たな世界への扉を開きましょう。
仲間と力を合わせ伝説の剣を求め新世界を目指すのです…!』ナニコレ。」
太郎 :「次郎は僧侶、マイコは魔法使い、正雄は盗賊だ…準備は出来ているな?
共に行こう!俺がお前達の剣となり、そして盾となろうでは無いか!」
正雄 :「えー俺ドロボー嫌だぁ!超絶戦隊のレッドが良い!!!!」
マイコ :「魔法使いねぇ…頑張れば50cm位は浮けるけど。」
正雄 :「マジで!?マイコすっげー!!!!!」
マイコ :「あんたも毎日眠ってる高橋さんのマツゲを一本ずつ抜いて来る事が出来れば
ひと月後には飛べるようになるよ。」
太郎 :「…明日から飛行術の会得の為に実行するか。」
正雄 :「俺は今日からやるもんねー!!!!」
次郎 :「ちょっと、マイコちゃん。いい加減な事言わないの!
太郎ちゃんも正雄ちゃんも簡単に信じちゃって…もうっ!」
アケミ :「はぁ…馬鹿らしい…。付き合ってらんないわ。
まぁ、おふざけは別にしても何だかピンと来ない。」
次郎 :「確かにそうね。そんな事よりも私は今晩のメニューの方が悩ましいわね。
家にある食材を少しこっそり分けてもらってる身としては…。
高橋さんったら気が向いた時しか自炊しないし、野菜なんて滅多に買わないから
私達の食糧事情…ううーん栄養が偏っちゃうのがねぇ?」
アケミ :「うーん…お菓子や栄養補助食品、インスタント品ばかりじゃね。
次郎の家庭料理美味しいからもっと食べたいんだけど…。」
マイコ :「何とか高橋さんに自炊させるように出来ないかなぁ?
せめてサラダでも良いから買って来てくれたら良いんだけどね!」
太郎 :「すまない皆…俺にテレパシー魔法が使えれば…。
まだ魔法が会得出来てないばっかりにこんな事に…くっ!!」
正雄 :「タロー!なんか、さんじゅっさいまで童貞だと魔法使いになれるらしいよ!」
太郎 :「む…ジョブチェンジと言う事か、しかし俺は勇者として生きると誓った身…。
そもそも、童貞では…な…」
アケミ :「んん?」
マイコ :「え?」
(少しの間)
次郎 :「太郎ちゃん、良いのよ?そんな見栄なんて…まだ若いんだから。うふふ」
太郎 :「…っ!そもそも人間の年齢と我らの年齢の概念は同じとは限らんだろう!!!」
アケミ :「魔法はどうでも良いんだけど、何とかして高橋さんに伝える方法があればね。」
太郎 :「どう…で、も…だ、と?」
正雄 :「うーん…手紙はぁ!?『たかはしさん、お野菜も買って下さい。』って」
マイコ :「手紙?いきなりそんな手紙あったら軽くホラーじゃない?
しかも、私達が書いても高橋さん虫眼鏡で見ても読めるかどうか…
だからって高橋さんに見えるように書くのは骨が折れると思うよ?」
次郎 :「そうねぇ…あ、じゃあメール…とか?」
アケミ :「メール…捨てアドとかで?…どちらにせよ怪しいと思うけど。」
正雄 :「俺むずかしい事わかんなーい!」
太郎 :「家庭を持てば嫌でも家庭的になるのでは…?」
マイコ :「あ、まともな事しゃべった。」
次郎 :「んー、家庭まで行かなくても恋人が出来れば変わる可能性はあるわね?」
アケミ :「えぇ、私の見たところ高橋さんの様なタイプの女は単純且つ流されやすい…。
『家庭的な私』の演出の為に料理に目覚めるかもしれないわね。
しかも私の知る限り彼女に男の影は皆無!」
正雄 :「おおー!アケミすごーい!(拍手)」
マイコ :「問題は、どうやって高橋さんに恋人を作るか!…ね。」
次郎 :「ある意味野菜を調達するより難しいかも。」
アケミ :「まぁ、それは近々作戦を練りましょうよ。
それまではコンビニ弁当にオマケに入っているレタスや沢庵で凌ぎましょう。」
太郎 :「俺は…たとえ奴らを手にする事が出来なくとも、生き抜いて見せるっ!!」
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マイコ :「結局の所、自分達の正体よりも今の生活の方が大事って事でしょ?」
次郎 :「えらく簡潔にまとめたわね。あ、お茶飲む人ー?
(全員手をあげるのを見て)
全員ね…ほうじ茶で良いわよね?」
太郎 ;「ほうじ茶か。俺が先日…
『空を駆け 大地を揺るがす 尖鋭なる風よ…
我が剣にその力を授けたまえ!風牙破斬!!!』
……と、扱いやすい大きさに刻んだ物か。悪くない。」
アケミ :「……でもまぁ、その次郎の持ち込んで来たって言うキッチンセット凄いわよね。
本格的じゃない?」
次郎 :「あぁ、昔住んでた所の女の子とちょっと交流があってね…懐かしいわ。
これドールハウスって玩具?の物らしいんだけど色々使いやすいようにしてくれたの。」
正雄 :「なべー!フライパーン!やかーん!しょっきー!色々あるもんね?」
太郎 :「昔とは…どれ程遡るのか。否、多くは語らずとも良い…。」
マイコ :「えー、何か色々気になるぅ!ちっさいオッサンと女の子との交流!」
次郎 :「まぁ、まぁ、その話しはその内ゆっくり話してあげるわよ。
別に隠す事でも無いしね?はい、お茶入ったわよー。」
アケミ :「……ふぅ。あーこの国に生まれて良かったぁ。
で?皆は今の生活って満足してる訳?」
正雄 :「俺はー!まんぞくー!毎日楽しいよー?」
マイコ :「まぁ私も概ね満足っちゃ、満足かなぁ?
何だかんだ高橋さんの持ち物ちょろまかし…借りても、
あの人鈍感…おおらかだから気がつかないし!」
次郎 :「マイコちゃん、所々誤魔化しきれて無いわよ?
私も多少の『こうなれば良いなぁ?』って思う事はあるけど満足かしら。」
アケミ :「概ね快適に過ごせてるからね。
これ以上の贅沢は言えないって所かな。」
太郎 :「俺はこのぬるま湯の様な暮らしでも…いつか訪れる世界の終焉に向けt」
正雄 :「(遮って)ねー!ねー!おやつは無いのー?」
次郎 :「あぁ、そう言えばこの間マイコちゃんが、ちょろまk…頂いて来たおせんべいが。
人間用だからちょっと大きいわね。…太郎ちゃんお願い。」
太郎 :「ふっ…どうやら俺の力が必要と見える。良いだろう…。
後世の為にしかとその目に焼き付けるのだな。
森羅万象の神々よ!今こそ我のこの拳に力をっ!!!アース・クラッシュ!!!」
アケミ :「て言うか、太郎あんたの技は和風なのか洋風なのかどっちかに統一しなさいよ。」
マイコ :「あ、おせんべい綺麗に5つに割れたねぇ。
これに神々の力は必要無いと思うけどねー。」
次郎 :「言わないであげて。太郎ちゃんはちょっと病気をこじらせてるだけなんだから。」
正雄 :「俺しってるー!…あ、一番大きいのもーらいっ!」
アケミ :「…ん、これ美味しいわね。高橋さんにしては良いチョイスだわ。」
マイコ :「うんうん、んまー!あ、これ1個だけ置いてあったから多分貰い物だよー。」
太郎 :「家主の戦友が遠征から持ち帰った手土産と言う訳か…。悪くない。」
アケミ :「同僚の出張のお土産って何で言えないのかしらね。太郎は。」
次郎 :「だから、太郎ちゃんはちょっと病気をこじらせちゃってるだけなのよ。」
(少しの間)
マイコ :「んー、やっぱりさ?こうやってのんびり美味しいお茶とおせんべい食べながら
皆でワイワイ出来る生活ってのは悪くないよね。」
正雄 :「俺ーしあわせー!皆のこと大好きだしー!へへへっ!」
次郎 :「……っ!正雄ちゃん!何て良い子なのっ!?ぎゅーっ!」
正雄 :「ジロー苦しいよ!ちょっと臭いよ!かれーしゅー(加齢臭)するよ!」
アケミ :「あんた良くそんな言葉知ってたわね?確かに次郎からは加齢臭が香って来てるけど。」
次郎 :「酷い!でも心は常に乙女よ!ピュアハートよっ!」
太郎 :「乙女への謝罪を要求する…。」
次郎 ;「おかしいわね。入浴剤は薔薇の香りをチョイスしてるのに…。
ゴホンっ…、ま、とにかく毎日それなりに楽しく過ごせてるから問題無いわね。」
マイコ :「うんうん、私高橋さんち出て行くとか考えられないわー。」
アケミ :「そうね、特に働かずとも切羽詰った暮らしでも無いし、むしろ快適だもんね。」
太郎 :「俺には来るべき終焉に向けての日々の鍛錬があr」
正雄 :「あー!俺、こういう生活してる人の事何て言うか知ってるー!」
次郎 :「え?なぁに?何て言うの正雄ちゃん?」
正雄 :「んーとねー『ニート』って言うんだよ!!」
(少しの間)
次郎 :「………あはは。」
アケミ :「間違い…では、無いかもね。」
マイコ :「まぁ、い、良いじゃない!うんうん。」
太郎 :「……解せぬ。」
おしまい
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続くよ!
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