S8  92-2  叛逆の決意 | レクイエムのブログ

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─SWORD本部─


幸浩「盟神氏がこちらに?」


藤本から聞かされた連絡に西園寺は目を見開く。公安部からデモンズの創始者が盟神であると告げられてすぐ、盟神から訪問の連絡が来たのだ。


グリム『いつものような視察だと考えられるが、引っかかることを言っていた。』


幸浩「引っかかること?」


グリム『盟神氏が言っていたのだが……〔大切な話がある〕と。』


幸浩「……。」


このタイミングでの話だ。西園寺達に緊張が奔る。そこで西園寺はある考えを思いつく。


幸浩「それで……盟神氏がこちらに来るのはいつですか?」


グリム『2時間後と言っていた。』


幸浩「了解です。 会合には皇城、地獄谷を同伴させてもよろしいでしょうか?2時間もあれば地獄谷を本部へ呼び出すこともできる。」


グリム『む……君の考えが分かる気がするよ。』


幸浩「盟神氏がシロならそれでいい。 だが、もし公安の言うとおり盟神氏がクロで、今回の来訪の目的が我々に危害を加えることなら……狙われるとしたら、総帥。あなたです。」


盟神はSWORD設立に大きく関わっている。その上、藤本の正体を知る数少ない人物の1人だ。もし今回の来訪の目的がSWORDを陥れることならば、真っ先に狙われるのは藤本だ。それを危惧した西園寺は、皇城と地獄谷の同席を考えたのだ。


グリム『その会合に同席させるのは皇城と地獄谷として……別室には鶴姫と別府を待機させるのはどうだろうか? 君だって狙われる身だ。用心に越したことはないだろう。』


幸浩「……なるほど。向こうがいつもの付添人〔ではない〕人物を連れて来た時に対応できるかと。」


SWORDを訪問する際、盟神はいつも防衛省の職員や護衛を連れて来ている。それがもし職員ではない、別の人物達を連れてきているのなら、警戒に越したことはない。


幸浩「では、すぐに4人に召集をかけます。」


西園寺は4人に召集をかけ、しばらくして皇城達が本部に到着した。西園寺は予め、皇城達に公安部から告げられた盟神のことを伝える。反応はやはり、信じられないといった様子だった。


草津「できれば誤情報だと信じたいが……調べたのは公安部だ。かなり綿密に調査されたはずだ。 信憑性は……相当高いだろうな。」


蘭世「その情報が事実だとして、もしこの会合が襲撃を目的としているのなら、その場で拘束します。いいですね?」


幸浩「構わない。 SWORDにとって恩人だったとしても……SWORDに仇なすつもりなら、こちらも当然の抵抗をさせてもらう。 鶴姫と別府は別室で待機してくれ。何かあった時は頼んだ。」


華希「かしこまりました。」


真司「何もない方が一番ですが……有事の際にはこの別府 真司、命を賭けて任務を全うします。」


4人へ情報共有を終えると同事、司令室に連絡が入る。


『西園寺司令、盟神 公由氏が本部に到着されました。』


幸浩「了解した。出迎えに行く。」


連絡を受け、西園寺は皇城と地獄谷と共に盟神の待つ地下駐車場へ向かう。


幸浩(さて……向こうはどう出るか。)


グリム《何事も無いと良いのだが……》


一方、本部に繋がる地下駐車場では、出迎えた隊員と共に盟神が待機していた。盟神を出迎えた隊員は酷く緊張していた。何故なら盟神の護衛としてついてきた人物はこれまで見たことが無い、異様に背の高い女性だったからだ。彼女から放たれる異様な圧を、隊員は感じ取っていた。


SWORD隊員「あの……そちらの方は……」


公由「気にすることはない。 私の新しい付き人だよ。体調を崩しているがね。」


盟神の側にいたのは防衛省の職員ではなかった。それは、親衛隊の1人、病垂だった。


禍帆子「お気になさらず…… ゲホッ……」