だいぶ更新が遅れちゃいましたが
前回からの続きです
6月8日(日)の午後はNHK交響楽団の
定期公演に行ってきました🎻
明治神宮を駆け足で参拝したあと
大慌てでNHKホールへ
しかーし
この日は
近隣の代々木公園で
大規模なイベントが開催されており
溢れかえる企業ブースと人の波に
阻まれては、阻まれ、そして阻まれ
NHKホールの建物が見えているというのに
一体どこから入ればいいか分からない
パニックになりながらも
駐車場の警備員さんに行き方を教えてもらい
なんとか開演までに辿り着きました
ふぅ〜。
ただでさえ
土地勘がないうえに
「ザ・地図が読めない女」なので焦ったわ〜
今回の演目はリムスキーコルサコフ「5月の夜」序曲
ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」
チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」
実は今回のメインである交響曲第6番は、私が学生オケでコントラバスのパートトップを務めたときに演奏した曲なんです。
そんな経緯もあって
開演前からワクワクが止まらない
さて、演奏レビューをする前に、あらためて今回の楽曲を俯瞰してみたいと思います。
(ちょっと真面目に考察してみました)
-楽曲や作曲家の考察-
「5月の夜」序曲
ウクライナ地方を舞台としたオペラの序曲で、ウクライナの民謡をベースに作曲されているそうです。なかなか珍しい選曲だと思います。
「パガニーニの主題による狂詩曲」
作曲家のラフマニノフは、もともとロシアの裕福な貴族階級でしたが、ロシア革命で祖国を追われアメリカへ亡命。
避暑に訪れたスイスでこの曲を作曲し、失意から脱却したと言われています。
チャイコフスキー「悲愴」
チャイコフスキーはロシア人ですが、祖先がウクライナ人であり、ウクライナにルーツを持っていました。
このような経緯から、チャイコフスキーはウクライナの地に第2の祖国とでも言うべき敬愛の念を抱いていたようです。
チャイコフスキーはウクライナに別荘を所有していたのですが、近年においてロシアの軍事侵攻により破壊されたという悲しいニュースを耳にしました。
さて、本公演の楽曲はオールロシア。
しかし、その楽曲を注意深く観察すると、その背後にはウクライナへの祈りや、強権支配への抵抗といったメッセージ性が感じられます。
世界の分断が急速に進むなか、今回の公演では直接的な言及を避けてはいるものの、「平和への祈り」が隠されたテーマとなっていたのかもしれませんね。
それでは、大学時代の懐かし〜い思い出も含め、演奏についての感想です
-感想-
チャイコフスキー「悲愴」についての感想を、学生時代の思い出も含めて書いてみようと思います。
今回のN響公演で、特筆すべきは木管楽器における表現力の豊かさ🪈
特に「悲愴」の第一楽章でのフルートとクラリネットの掛け合いの美しさといったら
音階が上昇するにつれ
伸びやかで情感豊かに響き
まるで天上の音楽を聴いているかのよう
弦楽器においては、第4楽章にてまさかの事故がありましたが、それを補って余りある演奏でした
第3楽章のマーチでは弦楽器群が一糸乱れぬ力強いボーイングを披露しており、視覚的にも圧巻でしたね🎻
学生時代に京都市交響楽団のトレーナーから「ここは共産主義国家の軍隊が赤の広場で行進してるイメージで弾くんだよ」って冗談めかして言われたのを思い出しました
全体を通しては、コントラバスの重低音が一貫して安定感があり、オケの土台を形造っていて流石だなと
個人的にはコントラバスパートにブラボーを送りたいと思います
そして、今回NHK交響楽団の「悲愴」を鑑賞して思ったのが
「え!よく私こんな曲やってたな」
と
「悲愴」はコントラバスの最弱音に始まり、コントラバスの最弱音に終わるという、コントラバス奏者にとってはチャレンジングな楽曲。
それゆえに、パートトップとしてはものすごいプレッシャーがかかりました。
特に最後はコントラバスのみの演奏でリタルダンドしつつ終演するのですが、指揮者のタイミングを図るのに苦労しましたね。
最後でコケたらとんでもないことになってしまいますし
(指揮者は佐藤功太郎先生という高名な先生をお招きしましたので、とんでもなくプレッシャーでした。今思い返しても怖い…)
そこで、同じパートの超怖ーい先輩(横山やすし似で「やっさん」と呼ばれていた)に1対1で特訓してもらったんですけど、なぜかその時は優しく指導してもらって何とかマスターしたのも懐かしい思い出です
当時のコントラバスパートは先輩後輩の全員が満遍なくハイレベルだったので、私は同期がいなくても皆に支えてもらえたのが成功した一番のポイントでした
とは言え、若い頃の私自身もぼーっとしてたようで結構頑張ってたんだなーっていう新たな発見がありましたね
あー、今更ですがなんとかなってよかったわー(四半世紀前
)