第九話『化粧』
―舞台
舞台俳優「孤高に支配された王だと笑いたい奴は笑うがいい・・・その場で首を斬り捨てるまでだ!」
JURAN登場。
観客「JURAN!」
観客「キャー!」
観客「こっち向いてー!」
JURAN「やっとあえたなレドリウスこのときをまっていたぞ」
舞台俳優「生きていたのか!アラサイト!」
JURAN「おまえのようなやつがこのくにのおうになることを、かみはゆるしにならなかったということだレドリウス」

台詞棒読みのJURAN。
観客「カワイー!」
観客「JURAN!」
カオル「主役は今、一番人気のミュージシャンだって」
鋼牙「何故そんな奴が芝居の主役なんだ」

JURAN「いざしょうぶだ」
舞台俳優「受けて立つ!」
―舞台の袖
掃除係の老人、高峯が舞台を見て文句をつける。
高峯「んぁあー、違う!違う!なんだ、あの芝居は!」
兵士A役「爺さん静かにしろ!本番中だぞ」
高峯「駄目だ、あいつは!偽者まる出しだっ!チッ」
兵士B役「おい、あの爺さん誰だか知ってるか?」
兵士A役「そう言や~何か見覚えがあるな」
兵士B役「あれ、高峯龍之介だって噂だ」
兵士A役「え!高峯龍之介!?」
―舞台
舞台俳優「俺はこの世界の偉大なる王者!お前に斬れるはずあるまい!」
JURAN「たわけたことを・・・レ・・レ・・・・・何だっけ?」
兵士C役「レドリウス」
観客「頑張ってー!」
観客の笑い声が聞こえる。
JURAN「レドリウスすべてはおまえのつくりごと、きょこうまたはゆめにすぎない」
席を立つ鋼牙。
カオル「ちょ・・ちょっと、鋼牙!」
―ロビー
カオル「どうせ何もかも偽者!命のやりとりはあんな物じゃない!そういう事?」
鋼牙「・・・」
カオル「芝居なんてくだらない!時間の無駄だ!って事?ねぇ・・・」
鋼牙「そうだ。俺は時間を無駄にしたくないんだ・・・帰るぞ」
―舞台
監督「ハッハッハッハッ!お疲れ様、JURAN!良かったよ!」
JURAN「ありがとう、監督!大成功だったね」
監督「大成功だ!」
JURAN「芝居がこんなに楽しいとは思わなかったよーハッハッハッハッ」
監督「ハッハッハッ」
JURAN「そうだ、監督!」
監督「ん?」
JURAN「思ったんだけどさ、ラストの見せ場はさ、衣装を変えて歌いながら戦うってどう?ラ~ララ~ララ~~♪シュパーシュパー。最高に盛り上がるよ!」
監督「歌いながら?か~」
高峯「・・・」
―道具室
高峯「やっと会えたなぁ・・レドリウス!」
高峯「違う・・・違う!これは本当の私じゃない!本当の私は・・・舞台の上にいるんだぁぁぁぁっ!!!」
手鏡で自分の顔を見る高峯。
高峯「うっ・・うわぁぁあああ!」
―舞台
監督「JURAN、やっぱここはパフォーマンスじゃなくてさ、演技に気持ち込めたがいいと思うんだよ。なぁ?JURAN?」
JURANの携帯電話が鳴る。
JURAN「はーい、JURANでーす。・・今?全然平気ー」
監督「お、平気じゃないよ!おま・・・」
JURAN「え?明日、焼肉?行く!行く!・・嘘!ロンドン!?」
監督「焼肉!?ロンドン!?」
―道具室
過去の栄光を思い返す高峯。
高峯「はぁ・・・」
不気味な声「フッフッフッフッ・・・」
化粧箱を取り出す高峯。
不気味な声「取り戻したいのか?かつての輝きを・・・・・・・」
高峯「うわっ!あぁぁぁ!・・・はぁ・・・はぁ・・・」
ホラーに憑依される高嶺。
―廊下
JURAN「レナに遅刻しないように言っといてよー。あいつ遅刻魔だからさー」
JURAN「誰?」
高峯「貴様のような奴がスポットライトを浴びる資格はない!」
JURAN「うわぁー!」
―舞台
高峯「俺はこの世界の偉大なる王者!お前に斬れるはずがあるまい!さぁ・・剣を抜けっ!」
JURAN「?」
剣を抜くJURAN。

JURAN「え?何?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

JURANを捕食する高峯。
高峯「貴様には主役は無理だ」
―翌日の舞台開幕前
監督「ちくしょう・・・はぁ・・・」
男性アシスタント「マネージャーも昨日から連絡取れてないそうです」
監督「あの野郎・・・まさか本当に韓国行っちまったのかよ」
女性アシスタント「そろそろ客入れですけど・・・どうします?」
監督「どうします?俺にそんな事聞くなぁーっ!!あー!?主役無しでどうやって幕開けるんだよ!言ってみろ!!」
舞台で主役と兵士が稽古を始める。
男性アシスタント「あれ、JURANじゃないですか?」
監督「え?JURAN??」
スポットライトが高峯を照らす。
高峯「私が代役を務めましょう」
―舞台

高峯「やっと会えたなレドリウスこの時を待っていたぞ」
舞台俳優「生きていたのか!アラサイト!」
高峯「お前のような奴が・・・」
兵士A役「うわっ!」
高峯「この国の王になることを・・・」
兵士B役「わっ!」
兵士C役「イヤー!」
高峯「神はお許しにならなかったという事だ!レドリウス!・・・いざ、勝負!」
舞台俳優「うっ・・・ぐぉっ・・・」
―舞台の袖
監督「あれは高峯龍之介だ」
女性アシスタント「でも、まさか・・・あんな若いはず無いですよね?」
監督「いや・・存在感・演技力、若い頃の高峯そのものだ。いや・・それ以上かもしれない」
―舞台
高峯「空よ・・・裂けろ!海よ・・・割れるがよい!我が心の隙間は太陽でも・・月でも・・決して埋めることは出来ないのだーっ!」
感動ですすり泣く観客達。
大喝采がホールに響き渡る。
―元老院
グレス「化粧に宿りしホラーが現れたようです」
鋼牙「化粧に宿る?」
グレス「魔法の如く人間の顔を変え、その魂を奪うのです」
―冴島邸
ゴンザ「カオル様・・・これをご覧下さい」
カオル「何?」
新聞を手に取るカオル。
カオル「高峯龍之介の再来・・・凄い!チケット完売だって!」
ゴンザ「実は私の若い頃、この高峯龍之介の大ファンだったんでございますよ」
カオル「ふ~ん」
ゴンザ「ざんざんざんざんざん♪」
カオル「わーっ!ゴンザさん、行くのー?」
ゴンザ「もちろんです!高峯龍之介こそ、真に人の胸を打つ天才役者でございます!」
レオ「でもその人は高峯なんとかじゃないんですよね?」

ゴンザ「もちろん。あくまでも再来でございますから、まぁ御本人ではありませんが・・」
カオル「分かんないよ。もしかしたら化粧で若作りしてるだけかも」
ゴンザ「ん?まさか、いくらなんでも」
レオ「でも、化粧は人間が出来る唯一の魔法みたいなもんです」
カオル「私、そんなに化粧してないわよ!ねぇ!?」
ゴンザ「は・・はい、もちろんでございますとも。ハッハッハッ。カオル様の美しさは天然でございます。あ、おかえりなさいませ、鋼牙様」

鋼牙「行くぞ、指令だ」
レオ「はい」
―会場前
白いスーツで会場入りする高峯。大勢のファン達が取り囲む。
―高峰の楽屋
ファンの女「すいません、ちょっといいですか?」
高峯「誰だ?」
ファンの女「私、貴方の大ファンなんです!毎日舞台見に来てます!実は、役者志望でして・・それで・・どうしても演技の個人レッスンをして頂きたくて・・」
高峯「いいだろう」
ファンの女「え?本当ですか!?」
高峯「では先ず、恐怖の演技だ。何よりも恐ろしいものを見てしまったときの顔をやってくれ」
ファンの女「恐怖の顔ですか?」
高峯「やるんだ」
ファンの女「ひゃぁー」
高峯「違う!もう一度・・」
ファンの女「きやぁぁー」
高峯「駄目だ!!そんな恐怖は偽者だ!」
女の化粧を剥ぎ取る高峯。
ファンの女「イヤァー!」
女の化粧を喰う。
ファンの女「はぁ・・はぁ・・・イヤァァァアアアァァァ!」
高峯「そうだ!その顔だ!!」
女を捕食。
―廊下
監督「今日もよく入ってんなぁ」
女性アシスタント「今日も開演十分押しで」
監督「そうだな。ハッハッハッ・・・誰だ、君は?」
術札でスタッフ全員を眠らせるレオ。
―舞台

幕が上がるも観客はおらず、いるのは鋼牙一人。
高峯「なんだ!観客は魔戒騎士、ただ一人か!」
鋼牙「チケットは全て俺が買い占めた」

高峯「つまり、貴様は今夜のVIP客ということか!だったら、見応えたっぷりの芝居を見せてやろう!」
鋼牙「その芝居、俺が幕を降ろしてやる」
高峯「ハッハッハッハッ・・・ワッハッハッハッハッ!!ならば・・・上がって来い!舞台にな!!」
鋼牙VS高峯、開演。
オーケストラが鳴り響く。

高峯「立ち位置が違う!俺に被るな!」
剣で攻撃する高峯。
琴の音と共に歌舞伎女形の高峯登場。
高峯「お許し下さい、旦那様。あたくしに・・・何のとがみがございましょう」

扇子で攻撃する高峯。
高峯「ハッハッハッハッ・・・」
高峯の黒子二人を斬りつける。
高峯「はっ!きーっ!!」
汽笛と共に現れる旅人風の高峯。
高峯「おめぇか・・俺を殺しに来た魔戒騎士って野郎はよぉ」
ザルバ「コロコロ姿を変える野郎だぜ」
銃で攻撃する高峯。
ドラの音と共に現れる京劇風の高峯。
高峯「君子に代わって天誅を下す!逆賊、冴島鋼牙・・・覚悟!」

棍で攻撃する高峯。
高峯「私がこの舞台の主役!例え魔戒騎士と言えど、主役の私を斬れるはずがあるまい!」
ワイヤーを切る鋼牙。
高峯「うわっ!」
再びオーケストラが鳴り響く。
鋼牙にスポットライトを当てるレオ。
鋼牙「戯けたことを・・・」
高峯「ちょっと待て!」
鋼牙「貴様がどれだけ主役を気取っても・・」
高峯「違う!違う!止めろ!」
鋼牙「所詮、貴様は偽の王だ!」

高峯「おのれ!よくも俺の台詞をっ!俺の舞台を!!」
ホラー化する高峯。
鎧を召還する鋼牙。
黄金騎士ガロVS化粧ホラー・アグトゥルス
―西洋の異空間
ガロ「フッ!エイッ!」
仮面を操り攻撃するアグトゥルス。
アグトゥルス「ギヤァ!」
ガロ「フッ!デヤッ!ハッ!ハァーッ!」
仮面を粉砕し一刀両断。アグトゥルス撃破。
高峯「ぁ・・・・・か・・・」
老人の姿に戻って消滅する高峯。
舞台の幕が降りる。
―冴島邸
ゴンザ「おかえりなさいませ、鋼牙様」
鋼牙「どうした」
カオル「もういいの!私のことは放っといて!どうせ・・私といる時間は無駄な時間!・・・ぅう」
鋼牙「カオル・・・」
ザルバ「なんだ・・カオルもなかなかの役者だな」
カオル「何で分かったの?」
ゴンザ「ハッハッハッ、いやいや、さすがにカオル様、迫真の演技でございましたねぇ」
鋼牙「何のつもりだ!!」
カオル「お芝居の練習。鋼牙にもお芝居の事、好きになってもらいたいなぁっと思って」
鋼牙「くだらん!俺はもう芝居はこりごりだ」
カオル「ねぇ鋼牙!今度のお芝居はすっごく評判いいんだって!」
鋼牙「断る」
カオル「ねぇ、鋼牙~!」
―次回予告
魔戒法師は不思議な奴ばかりだ。
普段は何を考えているのかサッパリ分からない。
次回、『秘密』
まぁ、俺様も人の事は言えんがな。
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