牙狼~闇を照らす者~
第一話『流 Ryuga』
―魔導輪ザルバ
人の心に邪心があるかぎり魔獣ホラーは人類を襲う。
今宵、ホラーを狩る魔戒騎士の新たな伝説が幕を開ける。
―道外流牙
牙狼・・・最強の騎士だけが着れる黄金の鎧。
今は光と主を失い俺はそれを手に入れた。
俺は強い・・・。
この鎧でホラーを斬る。
目の前の敵は全力で狩るのみ。
―結婚式場
花嫁「いやぁぁぁっ!」
流牙「ハッ!」
参列者「キャー!」
花嫁「うっ・・・く・・あぁっ!」
花嫁を魔戒剣で突き刺す流牙。
花嫁「誰か・・・!来ないで・・来ないで!」
流牙「それは無理、俺は獲物は逃さん・・・フンッ!」
花嫁「助けて!」
花婿「ウワァァッ!」
椅子で流牙を阻止しようとする花婿。
流牙「どいて・・・邪魔」
花嫁「なんで・・・お願い、助けて!」
花嫁「来ないで!」
流牙「遊びは終わり」
流牙「フッ・・・ハァァァアアァァッ!」
花嫁を抱え窓から飛び降りる流牙。
―金城ホテル前
金色の光。
着地した流牙。
落ちてくるブーケ。
花嫁の姿はない。
立ち去る流牙とそれを陰から見つめる3人の人影。
―ヘリ
無線「SG1本部より全隊員に通告。」
無線「金城ホテルにて殺人事件発生。剣を持った男が花嫁を斬ったとの通報。男は武器を所持し逃走中」
無線「男の特徴は黒革のコートを着用。繰り返す、男は黒革のコートを着用」
―市街
ヘリのサーチライトに照らされる流牙。
ヘリの隊員「そこの男!止まりなさい!」
特殊部隊SG1にとり囲まれる流牙。
隊員「そこまでだ!武器を捨てろ!」
流牙「SG1?なにそれ?」
隊員「貴様・・・シティの人間じゃないな!」
隊員「IDを見せろ!!」
流牙「そんなの持ってないよ」
手を上げ降伏する素振りを見せる流牙。
ボディチェックをするSG1隊員。
流牙「・・・ごめんね」
隊員「うわぁっ!」
流牙「フン!」
隊員「うわぁぁ!」
流牙「アァァァアアア!ハァ!」
民間人「キャァー!」
流牙「どけどけぇーっ!」
逃げる流牙とそれを追うSG1。
流牙「ハッ!」
隊員「待て!待てぇっ!」
流牙「フッ!ほらよっと」
隊員達「うわぁーっ!」
ドラム缶を蹴りつける流牙。
流牙「タァーッ!」
―ビルの屋上
流牙「よいしょっと」
隊員「待て!」
隊員「逃がすな!」
再びとり囲まれる流牙。
隊員「デヤァァーッ!」
隊員「ひぃっ!」
流牙「うわぁーっ!」
落ちそうな隊員を助けるも、攻撃を受ける流牙。
流牙「フッ!デヤッ!」
隊員「うわぁぁー!」
流牙により木をクッション代わりに落下するSG1隊員。
流牙「どけぇぇぇぇっ!ハァッ!」
隣のビルに飛び移る流牙。
流牙「フッ!ハッ!デヤッ!」
隊員「うわっ!」
隊員「ぐっ!」
流牙「ハァーッ!」
ビルから飛び降りる流牙。
流牙「うっ!」
隊員「こっちだ!急げっ!」
―ビルの屋上
流牙「よいしょ・・・ふぅ」
突如襲い掛かるSG1部隊長・燕邦。
流牙「フッハッ!ぁあっ・・・」
燕邦「騒ぎを起こしたのは貴様だな・・何者だ・・何が目的だ!」
流牙「目的?どうせ理解できないって」
燕邦「動くな!お前を連行する」
流牙「無理だね・・俺は誰の指図も受けないから・・ハァーッ!」
隣のビルに飛び移る流牙。
発砲する燕邦。
弾丸が流牙の指の魔導輪ザルバを直撃。
流牙「くっそ・・」
銃を構える燕邦。
隊員「いたぞ!」
流牙「ハァーーーッ!」
走るトラックに飛び移る流牙。
隊員「うぉぁ・・」
流牙「痛っ・・じゃあねぇ~!」
燕邦「・・・・」
―港
流牙「よいしょ・・ごめんねザルバ、ちょっと失敗しちゃった・・・おい、なんとか言えよザルバ」
ザルバ「・・ん」
流牙「分かったよ・・勝手にしろ」
空中に浮かぶRIVERA NEWS TIMEの映像。
キャスター「こんばんは、ニュースタイムの時間です。22時現在、ボルシティに犯罪及び災害の発生報告はありません。今日も平和で穏やかな一日が終わろうとしています」
流牙(へぇ・・・いまのは事件にならないんだ)
―12時間前(回想)
流牙(俺はある司令を受けてこのボルシティにやってきた。指令なんて久しぶりだ。俺には親も兄弟も仲間もいない。たった一人・・色んな街で自由にホラーを狩ってきた)
―林道
音楽を鳴らしながら走る車。
助手席に流牙。
運転手「ヒィィィィッ♪」
流牙「いいねぇ♪何の歌?」
運転手「え?知らねぇの?昔流行ったらしいよぉ♪」
流牙「へぇ~」
流牙(そんな俺が・・なんでこの街に呼ばれたのか)
ボリュームを絞る運転手。
流牙「えぇ?どうしたの?」
運転手「ボルシティの国境ライン・・色々と厳しいんでね」
流牙(深い森に閉ざされた独立国家ボルシティ・・)
―ボルシティゲート前
運転手「いやぁ、かかるなぁ」
流牙(ここに一体何がある・・)
入国チェックをする武装した警備員。
運転手「おい、兄ちゃんパスポート・・おい・・!!」
助手席に一輪の黄色い花。
―ボルシティゲート内
流牙(ま、なんでも来い)
―ボルシティ
街を探索する流牙。
流牙(どんな相手でも俺が倒す・・俺がこの街の人々を守ってみせる)
―公園
ジャグリングをする道化師と楽しむ子供達。
道化師に道具を渡され、ジャグリングをする流牙。
子供達「ウォー!」
チェスをする老夫婦。
流牙「どっちが勝ってるんですか?」
老夫婦にハンバーガーをもらう流牙。
流牙「うまい!本当にうまいよ・・ありがとう」
二人の女性にぶつかってしまう流牙。
流牙「ごめん」
女性「あ、ごめんなさい」
―オブジェ前
オブジェにそっと耳をあてる流牙。
莉杏「どうかしましたか?」
流牙「泣いてる・・」
莉杏「え?」
流牙「この街が泣いてるんだよ」
涙を流す流牙。
莉杏「はい」
ハンカチを手渡す莉杏。
流牙「・・ありがとう」
―金城ホテル前
ホテルに入る新郎新婦とその一行。
花嫁のブーケの花びらが舞う。
花びらを掴み、耳にあてる流牙。
花びら(好き?はっはっはっ・・そんなわけないでしょ・・お金よ・・早く死ねばいいのに・・あんな男・・)
流牙(見つけた・・ホラーだ)
―花嫁の控え室
花嫁「・・・は!」
流牙「陰我にまみれた花嫁なんて初めて見る・・・フッ!」
魔導火で花嫁の瞳を見る流牙。
花嫁「ウゥッ!ハッ!」
花嫁(邪魔をするな!これからディナーの時間だ)
流牙「悪い、何言ってんのか分かんない」
花嫁(なぜだ なぜ魔戒騎士がシティにいる)
流牙「だから・・・魔戒語が苦手なんだって」
花嫁(死ね!魔戒騎士!)
花嫁「ウギャァァァァッ!」
魔戒剣を抜く流牙。
逃げる花嫁。
―通路
流牙「フンッ!・・・ハッ!イヤッ!」
花嫁「フンッ!イヤァ!」
流牙「ハァァーッ!」
―式場
司会「お待たせしました。さぁ、純白のウエディングドレスを纏った美しい花嫁の登場です」
―通路
花嫁(人間どもが私を呼んでいる)
花嫁「うわぁっ!」
―式場
花嫁「いやぁぁぁっ!」
流牙(まずいな・・人が多すぎる。ここではとどめを刺せない。鎧を召喚できる場所は・・)
花嫁「誰か!助けて!早くこの人を捕まえて!」
流牙(あそこだ!)
流牙「ハァァッ!」
参列者「キャァーッ!」
流牙(そうだ、そのまま奥にいけ・・・おっと!ホラーの血をつけないでくれよ)
流牙「遊びは終わり」
流牙「フッ・・・ハァァァアアァァッ!」
花嫁を抱え窓から飛び降りる流牙。
―ホテル落下
流牙「ハァッ!」
花嫁「ぁあ!ぁぁああぁぁっ!」
鎧を召喚する流牙。
花嫁「ハッ!」
流牙「フン!フン!ハッ!」
ガロ「ゥォオォッ!ハァッ!」
花嫁を一刀両断し、着地するガロ。
流牙「簡単だ・・これでひと仕事終わり。フフッ」
―夜の港
流牙(だけどあのホラー・・なんですぐに人を喰わなかったんだろう)
舞う一枚の花びら。
流牙に突如襲い掛かるブーケ。
ブーケ「ウギャァァァーッ!」
流牙「うゎっ!くっ!く!」
ブーケ「ギャァァァーッ!」
流牙「こいつが本体か!」
羅号「ガルルルル・・」
ブーケを噛み咥える犬型の魔戒獣・羅号。
符礼「戻れ・・羅号」
対峙する流牙と魔戒法師・符礼。
符礼「羅号、そいつを始末しろ」
羅号「ガルルル・・・」
ブーケのホラーを捕食する羅号。
符礼のマントに消える。
魔戒剣を収める流牙。
猛竜「いやぁ~惜しかったなぁ!最後にマイナス30点だ」
流牙「・・・」
猛竜「符礼法師、あいつは合格なのか?」
哀空吏「失格だ。俺は認めない」
流牙「なんの話だ」
哀空吏「この男はまだまだだ」
猛竜「そうかなぁ~でも確かに派手だけど、でも俺・・俺は嫌いじゃないぜ!なっ、ハハハハハッ!ヨロシク!俺は蛇崩猛竜。で、あっちが楠神哀空吏・・お前と同じ魔戒騎士だ」
流牙「・・・・・」
赤い指令書に魔導火をつける流牙。
流牙「符礼法師・・・この指令はあんたの仕業か」
符礼「あぁ・・」
流牙「だったら断る!誰があんたなんかと・・・フッ!」
指令書を魔戒剣で斬り捨てる流牙。
符礼「魔戒騎士・道外流牙、相変わらずツメが甘いなぁ・・目立ちすぎる・・それで人知れず人々の命を守っているつもりか?」
流牙「・・」
符礼「だが、俺はお前を待っていた」
流牙「ふざけるな・・」
符礼「流牙、我らと共に闘え」
流牙「ふざけるな!!」
符礼「お前ならもう気付いたはずだ・・」
流牙「符礼!!
符礼「この街を救え・・流牙、それが黄金騎士ガロの称号を受け継いだ・・・お前の宿命だ!!」
流牙(俺は魔戒騎士・道外流牙・・・この街が俺の運命を変える)
―次回予告
私はまだ知らなかった、この先の苦難を・・・
私はまだ知らなかった、彼のことを・・・
次回、Gold wave
そして私は知る・・・金色の希望を

