源氏物語を読む・桐壺その⑤ 運命のひと | 源氏物語ブログ

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桐壺・その五

 

 

この後、物語は急ピッチで進行し、

幼い光源氏は宮中に戻り、皇子としての生活が始まります。

 

その玉のような美しさと愛らしさから、

人々は彼を「光る君」と呼び始めます。

 

その様子は、何をさせても人並み以上に飲み込みが早く、

博士たちが舌を巻くだけでなく、

源氏を目の敵にしていた弘徽殿女御さえも

思わず心を奪われる瞬間があるほど魅力的な子供として描かれています。

 

その様子を見て、帝は光る君の素性を隠して、

中国から来ていた有名な観相師に、

源氏の面相を占ってもらいます。

 

すると、

「天下を取る相にございます。」という答えが。

このままでは弘徽殿女御と右大臣側から、

命さえ狙われるかもしれない。

 

最愛の女性、桐壺更衣の産んだ、

最愛の息子まで失う事を恐れた帝は

皇子を臣下に下す決心をし、「源氏」姓を下賜します。

 

これで光源氏の皇位継承権はなくなったのです。

 

その頃、すっかり他の妃の所にも通わなくなった桐壺帝の前に、

一人の女性が紹介されます。藤壺女御です。

 

彼女は桐壺更衣の遠縁にあたる兵部卿宮の妹で、

外見が桐壺更衣に生き写しでした。

 

帝はすっかり気に入って、

しかし今回はしっかりと後ろ盾のある女性でもあることから、

扱いに気を付けながら、寵愛します。

 

※このように、愛した人に生き写しの女性を求めるという設定は、

源氏物語のなかに度々出てきます。

いわゆる形代(かたしろ)という概念です。※

 

まだ幼い子供だった光源氏は男子でありながらも

義理の母の御簾の内に入る事を許されて、

藤壺の姿も間近に見ながら、

その美しさに母の面影を求めて憧れの気持ちを抱きます。

 

光源氏の元服の日、

それは二度と藤壺の近くで顔を見る事が出来なくなる日でもありました。

成人男子は基本的に女性とは御簾越しにしか対面できないのです。

(ここが大河ドラマの設定とはちがうところです!

御簾なしで顔を合わせられたら、

源氏もそこまで思いつめなかったかもしれませんね、、、。)

 

そして、光源氏には左大臣の娘である葵の上が嫁いできました。

 

 

 

 

では、今夜はこの辺で。