本日から新しく、
「源氏物語」についての解説ブログをシリーズ化したいと思います。
内容に関しましては、
はてなブログに掲載中の拙ブログ「小舎人童の源氏物語日記」に
書いている内容のほぼ転載となります。
よろしくお願いいたします。
桐壺その一
「いづれの御時にか、、、」
という有名な書き出しを聞いたことがない方はいらっしゃらないでしょう。
この格調高い書き出しは、この物語の舞台が宮中であることを表現しています。
まずここから広がっていくのは、後宮での出来事です。
「桐壺」の巻の主人公は桐壺帝と桐壺更衣。
この時代の良い帝というのは、何人の妃を持っても公平に扱うことが出来る帝。
これは世界中の王、皇帝と呼ばれる立場の人物には共通の条件です。
なぜなら、王という立場の男性にとって、結婚は政治であるから。
実際に、平安時代の日本を実質支配していたのは藤原家。
紫式部も当時最大の権力者である藤原道長によって、道長の娘である三条帝の中宮、彰子のために「源氏物語」を描き始めました。
式部は彰子の家庭教師のような立場として宮中に入ります。
当時、一条帝には二人の妃がいました。
彰子と、もう一人はあの「枕草子」を書いた清少納言が仕えていた定子。
一条帝は定子に好意を抱いていたと言われています。
定子と彰子、先に男子を産んだ方が正妻の座に付き、正妻の父は次期帝の祖父となり、絶大な権力を握る事になります。
そのため帝になんとか通って頂くために、様々な工夫をする必要がありました。
それに利用されたのが「源氏物語」です。
平安京最大の流行小説「源氏物語」。
舞台もまさに宮中であり、貴族のマストアイテムである和歌もふんだんにちりばめられた華やかな小説を、帝も宮中の女性たちや貴公子達も、夢中になって読んだことでしょう。
(和歌は貴族の出世には必須の能力なのです。)
かなりタブーな内容に切り込んだ大胆な設定の小説が堂々と読まれていた事に、まずは驚きますが、さっそく内容を読んで行きましょう。
、、、では、今回はひとまずこの辺で。
ごきげんよう。