(つづき)
一方、トランシルバニアのお婆さんは槍を胸に突き立てたまま、満足そうに消えようとした。
遠い昔、お婆さんは、主(あるじ)の敵に舌を焼く毒薬を飲ませた。
その女性が、窓から落ちて柵に串刺しになってしまった悲劇のカルマを精算した。
槍を引き抜いて、白光ヒーリング。
お婆さん『余計なことをするんじゃないよ。私はこのまま黒い塵になって消えるのさ…』
「あの口の悪い女の子だって、肉体の目には見えなくても、こうやってすぐに
助けられていたんですよ。あなただけが、ずっと苦しむこともないでしょう?」
お婆さん『坊ちゃんは…?私は坊ちゃんのそばにいてさしあげないと…』
「彼のそばにいたければ、あなたが天国に行くことです。」
お婆さんから黒い塵が落ちていき…白い魔女になった。
お婆さんを抱いて、天国へ向かって飛んでいく途中に、身の上話を聞かされた。
お婆さんは、乳母として奉公に入ったトランシルバニアの小さなお城で、小さい男の子ヴィルを育てた。
母親は精神的に不安定で、早くに亡くなっていた。
父親は老いていたのでヴィルが成人してすぐに亡くなったそうだ。
青年ヴィルと乳母が小さなお城を切り盛りすることになった。
ヴィルが年頃になったので、お城でお見合いパーティを開いた。
ヴィルは1人の美女に好意を持ったが、彼女の方は好意を持ってはくれなかった。
そして、お城の不気味さや、両親の死など脚色して怪物の住む城というウワサを流した。
ヴィルにはお嫁さんの来手がなくなってしまった。
これを知った乳母は怒り、彼女を呼び出して問い詰めた。
逆に酷く馬鹿にされてしまったので、彼女に毒を盛ってしまった。
苦しみもがいて窓から落ちた彼女は、柵に串刺しになって亡くなった。
乳母と青年ヴィルはウワサどおり怪物のように扱われ、村人から集団で殺された。
どうやらその彼が、次の生でドイツ兵の青年役をしたようだ。
アウシュビッツに送られた女性の方は、かつての口の悪い女性…
そしてカルマを精算しても、また次の自責に繋がっていて(負のスパイラル)、
今生では青年が自殺し、その原因となってしまった彼女が後悔している…
だけど、
複雑にからまった後悔の原因が解けたのだから…
きっと今生も改善されるはず!?
黒魔女お婆さんの謎もトランシルバニアの怪物伝説の謎も解けて、ホッ。(*^o^*)