タイトルにありますagainシリーズのブログは

 

 

過去の投稿記事の(時に加筆修正も行なっての)再投稿でして、

 

 

今回のものは7年前リリースなんですけどもウチの中で最も人気のある作です。

 

 

「勉強させてもらいました!」というお声を結構いただいたりして嬉しく思います。

 

 

酒場のツマミの一つとしてネタにでもなれば。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※※※※※

 

今回取り上げるのは


4VG


4-ビニルグアヤコールといいます。


まずSakeの視点から捉えていくと、


穀類(つまりSakeの原料となる米)のヘミセルロースに結合している


フェルラ酸が麹菌の酵素によって遊離して生成されます。


この香り物質、


近年の問題に挙がる異臭の一つとして取り上げられていました。



画像の通り、発生原因を麹の雑菌汚染として


各種対策を採るよう醸造の先生方は仰っていました。


というのも、


新潟県醸造試験場の渡邊健一先生(当時)曰く


【そもそも清酒用の酵母は4VGを生成しない】

【そのように偶発的に育種されてきた】


と仰っていました。


重ねますと


Sakeにおいて4VGはアルコールを生成する微生物である酵母ではなく


糖を生成する微生物である麹菌またはその他の微生物が


生成する香り物質として捉えられています。


近年はSakeの製造現場が衛生的になってきたので


4VGが目立つようになったんでしょうか。


・・・え?


じゃあその4VGってどんな香りでどんな悪さをするのかって???


それは下記のワインの項に説明を譲りますm(__)m










まずワインの香り物質の数について、


Sakeには200と言われますが


ワインだと500あると評されたりします。因みに珈琲は580ほどbyワイナート


それらの全てが美しい香りを放つものではなく


オフフレーバー(欠陥臭)としてワインに好ましくない影響を与えるものもあると。


そのジャンルの一つに、フェノール系のオフフレーバーとして


フェノレというものが近年ワイン界ではチラホラと話題に挙がります。


その白ワインにおけるフェノレとして数えられるのが


4VGです。あと4VPもあります。


ワインの視点ではその4VGは


カーネーション、クローブ、水彩絵の具、薬品


などと香りコメントされます。


何となく伝わりますか???冷涼感がありツンとしたイメージの香りです。


ここで難しい問題があり、


例えばカーネーションと言われると良さそうな気がしませんか。


でもワイン醸造上は好ましくないとされます。


何故か。


それは強い4VGの香りがブドウ由来の香りをマスキングしたり


高濃度になると異臭となるとされるからです。


この点は醸造家と実際の飲み手の間には理解において


大きな溝が存在してしまいますね。立場によって評価が分かれる所です。


まぁその話には帰結点がないのでそんな状況であるという事だけ紹介して(笑)


ワインの場合4VGは


ワインの酵母がケイ皮酸脱炭素酵素を保持していて、


それがブドウ果汁中に含まれるケイ皮酸類、


上記でも登場したフェルラ酸とp-クマル酸を前駆体として


酵素作用を施す事で生成されます。


因みにワインはよく酵母無添加、天然酵母・野生酵母仕込などとも言われますが


人為的に培養酵母を添加せずに醸造する事があります。


その際も、もれなく4VGは発生します。


培養酵母においては


ケイ皮酸脱炭素酵素を保持しない酵母の育種というのも行なわれていて


各酵母メーカーが販売しています。


一説には


近年、日本の甲州種の白ワインに香りが感じられるようになってきたのは


4VGによってマスキングされていた香りを解き放つ


製造(上記のような酵母の使用など)をするようになったからとも。


ただ、


フェノレというのは主に赤ワインに強く言われる事で、


白ワインにおける4VGの欠陥臭性格はあまり強くは言われません。


上述したように、理解のしどころが非常に難しい問題なのです。。。










それも踏まえて珍しくビール飲料のお話。


ポータルサイトで「4VG」と検索するとトップにくるのは


アサヒビールのページです。


実はアサヒビールでは名前もそのまんま


4VGという商品を2010年にリリースしています。


それによると


「くつろぎの時間にふさわしい香り成分「4VG」を採用」

「ドイツのヴァイツェンビールやベルギーのホワイトビールなどに特長的な香り」


とあります。


ビールの視点では、製品における酒質イメージに違いはあるでしょうけども


タイプによっては4VGウェルカムなんです!










さてさてここで珍しく蒸留酒の視点!


特に泡盛のお話(`・ω・´)ゞ


泡盛、御存知の方も多いと思いますが


全量麹米で製造されています。


そぉ麹。。。


勘の鋭い方ならお分かりでしょう、


泡盛にも


4VGが含まれています。


全量麹米なので、その他の焼酎よりも多いようです。


さてここで新しい展開。


今回のテーマの4VG


熟成を経るとバニリンという香り物質に変化します。


その名の通り、バニラの香りを放つ物質で


美味しそうですよね( ̄▽ ̄)


そぉなんです


バニリンの前駆体に当たる4VGは


泡盛としてもウェルカムなんです!


泡盛メーカーは数社ほど4VGを大量生成する酵母の開発に熱心ですよ。










今回はこんな所です。


この理系的御勉強では


醸造上の視点と、アルコール飲料としての評価との


違いと伝えられたらなぁと思っています。


また気が向いたら書き綴ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、2021年5月時点で加筆しますと、Sakeの場合、より衛生的になってきた製造現場により、クリアなアロマのものが多くなってきたマーケットにおいて香気閾値が比較的低い4VGは存在してしまうと益々目立つようになったかと感じます。Sakeにおいてはソーセージなどの燻製っぽいニュアンスが優先的になってしまうものなど。しかしながら、Sakeの品質のコモディティ化の様相が叫ばれて久しい中で4VGを肯定しようという業界内部の声もチラホラ・・・。難しいところではありますけどもメーカーとして狙って且つキチンと謳ってリリースするのであれば、あとは流通やエンドユーザーが判断するという事でそういう意見もアリなのかもしれません。Sakeの味わいは、全体的に変革期を迎えているように感じています・・・。

 

 

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