ここ数年間で、毎年伺っているメーカーは≪伯楽星≫新澤醸造店と
いきなり余談ですが、
仙台から小布施まではいつも鉄道を利用します。
その道中の景色、辺り一帯が山々に囲まれた環境に
当時の甲斐国=山梨県と信濃国=長野県に勢力をもった彼が
農業を行なう上では厳しい気候環境にあり、
さらには平野部の都市に比べて人口も少なかった中で
どのように天下を望んだのか。
また、小布施がある長野県北部といえば
越後国=新潟県に君臨した、あの上杉謙信輝虎との合戦の舞台でもあります。
雪深い国々を領有した両雄ですが、数百年たった今でも彼らの威光には
尊敬の眼差しが注がれます。
自分の中で、その事実は小布施ワイナリーの先頭に立つ
曽我彰彦さんにシンクロするものを感じるのです。
曽我さんの表情は時期的な忙しさを感じさせるものの
晴れやかなものでした。
例年、収穫が始まった頃にお邪魔して、髭をたくわえ厳しさを漂わす事が多かった
曽我さんですが、先だってリリースした発表は小布施ワイナリーにとって
非常に大きな分岐点だったようで、曽我さんに心のゆとりを与えるものでした。
それは生産量の縮小。
本格的なワイン産業が興ってからまだ20~30年の日本において
今現在大きな波が来ています。
ただ大きな波は全てを一色単にしてワイン消費の現場まで到達します。
「何でもイイ」「ボチボチでイイ」
そのような声に対して、曽我さんは造り手として疑問を投げかけ、
この機に流通量を減らしてでもワインそのものの品質を上げる為の
減産宣言でした。
それによって、より一層の原料調達の選別、こまめな醸造中のワインのケア、
そして厳しい品質管理が可能になります。
というのも、まだ黎明期と呼べる日本のワイン業界、
現在雨後のたけのこのようにワイナリーが立ち上がる中で、
創業70年以上の歴史がある小布施ワイナリーは
既に今までの財産を次代へ「繋ぐ」存在にあります。
それを強く意識する曽我さんは今を生きながら
ずっとずっと先を見据えての行動を取り続けているのです。
その想いは長野、北信、小布施、そして日本全国のブドウ栽培環境や、
各地新旧のワイナリー、
ブドウを栽培する農家、
ワインを流通させる酒販店や飲食店、
情報発信するメディア、
産業としてのワインを取り巻く行政、
そして実際にワインと接する飲み手まで包まれています。
先日このブログ↓↓↓でも
脱「自然なワイン」by小布施ワイナリー
紹介した事というのも、その一端だと自分は理解しています。
実際、現行リリースのワイン達の品質から
曽我さんの想いを感じ取る事が出来ます。
現行の赤ワインは主に2011年ヴィンテージ、
その年は過去に類を見ないほどの低収量&低生産量だったそうです。
それは断腸の思いでの、非常に厳しいブドウの選果を行なった為。
結果として、例年リリースするメルロやカベルネなどの単一ブドウ品種の商品は
基本ありません。ピノ・ノワールもありません(泣)。
全てブレンドしてしまったそうです。。。
ただ、それによって生まれたワイン達は素晴らしいものばかりで、
ある意味でワイン好きの方々にとっては贅沢なものに。
≪ヴォルプチュー≫は過去最高の味わいだと自分は感じていますし、
≪レゼルヴファミーユ≫の複雑さには熟成した時の期待が高まります。
逆にワイナリー販売限定の
≪サンスーフル≫はマニアックな味わいがお好みの方にお奨めです(笑)
曽我さんは2011年の経験は大きなものだったと語り、
それは白ワインの現行ヴィンテージ2012年にも活きています。
≪ドメイヌソガ ソーヴィニヨン・ブラン≫の優しさはとても個性的、
そして今楽しむのであれば
≪ソッガナガノ 1er プライベートリザーヴ シャルドネ≫のエレガントさには脱帽です。
他にも、一般流通していない限定品を直接仕入してきましたので
タイミングを見て随時グラスワインでもオンリストしていきます。
どうぞお楽しみに!!!!!
今回も曽我さんはじめ、小布施ワイナリーのスタッフの方々にお世話になりました。
皆様これからのワイン造りの時期を乗り越え
晴れやかな春を迎えられるのを心より願っております♪
ありがとうございました\(^o^)/