その日の朝も早かった。
場末のスナックの雰囲気をもつホテル、ダイワ(イイ意味で誉め言葉)から旅立ち、
前日の淡路島で思いついた「岡山大返し」を決行します。それは、広島に戦友マッキーがいるので
何とか会えないかなぁと思い、急遽、約束の地を岡山に設定したのでした。
南風という、風光明媚な名所を抜ける、ガタガタ揺れる特急に乗りながら、初の岡山へ。
えらく立派な駅でびっくり!そんなに大きな街だっけ岡山。
けど人は確かにごった返していた。まぁ連休中というのもあるが。
そして暫く待つ事20分、マッキーと合流。思いのほか元気そうで良かった。ちょいと昔のガツガツ感が復活。
お子ちゃまハナちゃんも大きくなってる。ハナちゃんまもなく3歳。いきなり
「まるまるもりもり」を歌い踊る。可愛いwww。再び子猫熱上昇。
一緒に『カプリチョーザ』でブランチを食べる。サービスに気合入ってるなぁ、『カプリチョーザ』。
しかしピザを頼んだら35分以上かかると言われた。オーブン点火し忘れてたな。
そんなこんなで、約二時間の岡山滞在を終え、再び南風で高知へ。さらばマッキーさん!
高知は高知でも安芸市へ向かいます。電車はアンパンマン的な駅々を越え、今度は阪神タイガースに。
それにしても高知の自治体は思い切りが良いなぁ。県民性なんだろうか。
そんな事を思いながら、15時過ぎ、少し太平洋へ沈み始めた太陽を見て、
オーストラリア時代のWAで見たインド洋を回想していると
着きました赤野。そして向かいました有光酒造場さん。杜氏の尾木さんと久しぶりの再会です。
尾木さん、元職の酒屋では一時まるでスタッフのように常勤していましたが結婚されてからは
高知へ引きこもりました。今では3人のパパですから、そりゃしょうがありません。
とっても人当たりの良い方で、酒業界に比較的多いガツガツ感がなく、不思議なオーラをお持ちです。
さて有光酒造場さん、前日のアリサワさん同様に二度目の来訪となります。
元々は≪玉川≫、そして≪赤野≫という銘柄でしたが、今は県外向けだった≪安芸虎≫がメイン。
小さな蔵元さんです。基本、尾木さんが一人で蔵仕事を行なっていると言っても過言ではありません。
洗米は横型のもの。ここにプラスチック製の米袋30kg×2入れて、うねる様に洗います。
尾木さんはウッドソンを使いません。上記のものの方がご自身の考える洗米に近いとの事。
甑、麹室、槽などは以前と変わっていません。
昔は尾木さん、全体的な麹米率を少し高めにしていました。そこが高知の酒の中で個性的でした。
それが最近、麹米率は平均的にして、種きりの際の麹菌量を増やしたそうです。ダイヤモンドです。
そのニュアンスの違い、最近の味の変化を感じていましたが合点がいきました。
今回の旅では、幾つか新たな発見がありました。…ただ単に今までの自分がレベル不足だったと思いますが。
色々ありますが、例えば添、仲の麹って、結構一緒に造る所が多いんですね。知らなかった。
仲麹は、まぁ大丈夫なようです。あと、瓶燗って、そんなに主流じゃないんですね。
それは前々から論理的に知ってはいましたが、なんだかんだで瓶燗が多いと思っていたら
意外とそうではなかったです。火入れの意味とは何ぞや、って事ですね。
あと農協経由の米は、届いてみて、その等級と価格が判明するんですね。
よくそれで財務管理できるなぁと思います。まぁどの蔵元さんも対処してるんでしょうけども。。。
ちなみに、仕込タンクは小さめです。変わってません。
そういえば既に酒母が立っていました。翌日ダキ入れするそうで、尾木さんダキ入れが好きみたいです(笑)。
と、そんな感じで蔵見学は切り上げられ(?)、酒宴の準備に取り掛かります。
安芸市で有名な鮮魚店へ行き、かつお一匹おろしてもらいました。すげー!
酒宴は尾木さん宅で開催。奥さんへご挨拶。そこに≪土佐しらぎく≫の仙頭さんご一家もお越しに。
子供が4人もいて、とても賑やかな酒宴で楽しかったです。子猫熱MAX!。
中でも尾木さんにそっくりの李多くんチョー可愛いwwwいじけるとすぐに部屋の隅へ転がっていきます。
さて、仙頭さんからも飲みながらでしたが色々とお話を伺う事が出来ました。
仙頭さん、革新的な方で評判でしたが、最近酒質に結果が出ているそうです。
意識しているのは醸造酒として体力がある造りとの事。上槽のタイミングはアルコール度数だけを見る。
火入れは上槽後すぐにしたいから濾過して火入れする。
ワインも好きな方なので、ワインの醸造家に通ずる、哲学で酒造りをしている印象があります。
余談で、仙頭さんは山仁酒店の大橋さんとも交流があるそうですが、
大橋さんは日本人初のマスターオブワインが欲しかったようです。ちょっとネタになる話ですね。
尾木さん奥さん仙頭さん、本当にありがとうございました、勉強になりました!