日も暮れ始めた頃、その日の最後の見学先、葛城市の梅乃宿酒造さんへ行きました。




梅酒では、大手を除き、もう右に出るものはいないほどの著名な蔵元さんです。



連絡をした常務の吉田さんは前日にアメリカ出張から帰国したばかり。お疲れ様です。恐れ入ります。



吉田さんともかれこれ五年ほどの仲。年は自分の一つ上、東京生活時代、可愛い吉田さんを連れ回して



同僚達と散々飲みまくりました。逆に連れ回された事も(笑)。いやいやお世話になりっぱなしです。



タフで真面目で優しい、尊敬する業界の先輩の一人です。



吉田さんの案内の下、母屋で上がらせてもらい、お話をお聞きします。



結構多くの方が、梅乃宿という名は梅酒用の銘柄かと思った事があるかと思いますが違います。



梅乃宿というのは、母屋の庭の梅の樹から命名された社名です。元々の日本酒は≪天下一≫。





たまたま在宅された、吉田さんのお父様の社長からもお話を伺う事が出来ました。



大倉本家さんでも少し聞いた事ですが、歴史的に奈良県は地元向けの普通酒か、



大手への桶売りが多かった所、そのような状況で社長に就任した際に意識したのが



会社としての販売戦略だったそうです。その考えが梅酒の大人気銘柄≪梅乃宿≫の土台となります。



今では海外でも一定の成功を収め、300mlの発泡性商品≪月うさぎ≫≪星うさぎ≫が主力との事。



その後、日が暮れる前に、と駆け足で蔵見学させてもらいました。新中野製60俵張りの精米機が二基。




リキュールの瓶詰めラインと、吟醸酒専用のパストライザー&パストクーラー。





リキュールと吟醸酒以外は、それぞれにプレートヒーターがあります。



洗米はウッドソンMJPが二台に、600kg甑も二つ。





麹室は三部屋あり、さらに枯らし部屋も元は麹室だったとか。



麹床は重量が測れるようになっています。空調も可。こちらも日東工業さんのものでした。




酒母室は、何故か速醸と山廃が同じで、生モトが別。吉田さんも「何ででしょうね???」と。





仕込タンクはさほど大きいものはなく、さらに吟醸酒用にはサーマルタンクがずらり。




上槽には冷蔵庫の中にあるヤブタを使用。槽もありましたが使ってないとの事。





そしてこれまた冷房設備がある部屋にある瓶詰めライン。




変わり種で、発泡性酒類用の耐圧タンク、流量を計算できるポンプ。





あと、作業中に涼しい風を送ってくれるクーラーまで。もっともっと設備はありました。凄かった。




見学だけで夜が深くなってしまったので、試飲は省いて飲みへ行きます。残念。



案内いただいたのは、保存地区になっているという橿原市今井町にある居酒屋。素敵な町並み。



お店では奈良県の地酒を楽しみます。




東北人、というか個人的に奈良の日本酒は面白いものが多い気がします。



純米酒宣言をしている宮城とは大きく違いますね。



そしてこちらでも吉田さんとあれこれ話をします。今後10年20年先を考えています、吉田さん。



流石です、頑張って下さい。応援しています。



吉田さん本当にありがとうございました、勉強になりました!



その夜、ホテルへ帰った後、少し飲み足りなかったので、スーパーへ行って≪月うさぎ≫を買いました。



※一部画像に乱れがあります。