その日の朝は早かった。。。とそんな思いで旅館の大浴場へ行ったら結構人がいた。
日本人ってスゲーと思いました。やるなジャパニーズビジネスマン。
その日はほぼ移動の一日。結果的に八時間ほど、何かの乗り物に揺られていました。
まずは諏訪から大阪へ高速バス。今回の旅で一番悩んだのが関西方面への行き方でしたが、
この路線があってくれて良かった~。東京まで戻ろうか、考えましたから。
初の一人大阪は緊張感がありました。キタ?ミナミ?梅田?難波?
JR大阪駅から300mもない所へ降り立ちながら、人に「…すいません、大阪駅はどちらですか?」
どうにか和歌山行きの電車へ。本当に携帯電話というのは便利でございます。路線検索バッチリ。
しかしながら、その日は再び関西圏が豪雨に見舞われた日。少し不安になりました。
無事和歌山へ到着、先にチェックインだけ済ませて、その後目的地の海南市へ向かいます。
因みに、和歌山には「和歌山駅」と「和歌山市駅」があるんですよね、確か。
それを知った時は、一瞬「あれ、路線間違えたかな!?」と冷や汗ものでした。要らぬ心配でした。
福岡県も、福岡駅はなく博多駅がメインだった気がします。路線検索で福岡駅を入力したら
とんでもない方面を案内された気がします。。。
さて、そんなこんなでその日は海南市の平和酒造さんだけが見学箇所です。遠かった!
それでも海南市、和歌山市は和歌山県でも最北部に位置しています。
案内は専務の山本さん。元職の酒屋のお付き合いで、自分より年上ですが同年代という事で
親しくさせてもらっていて、酒屋退社後も色々とお気遣い頂き、最近何回か連絡を取り合って
この度漸く念願叶って蔵見学をさせて頂く事に。お手数掛けます。
海南市は港を持つ街で、港近くには≪赤い梅酒≫などで一大ブームを起こした中野BCさん、
そして地酒で全国的に人気がある≪黒牛≫さん、あと山間に平和酒造さんがあります。
平野部が狭く、山が迫ってきている感のある一帯は、さらに山から海にかけて一直線には行かない
蛇行した急勾配な川があり、容易に昔はさぞ氾濫しただろうと察しがつきます。
和歌山入りする前、台風で被害があったと聞いてはいましたが、南部の方かなぁと思いきや、
山本さん曰く「蔵の辺りも少し浸水しましたよ」。…今年の自然災害は相当厳しいです。
少し雨が降るとすぐに山間には霧が出るそうで、実際見る事が出来ましたが、観光気分で言うと
なかなか幻想的で素敵です。そういえば、和歌山に着いた時、「世界遺産への入口、和歌山」という
看板を見ました。高野山信仰、シャーマン活躍しまくりでしょう。
霧が出るという事は、環境としてはきっと酒米の栽培にも適しているだろうと質問したら
蔵の周りに社員が育てた山田錦があると。流石、今年から80%精米で発売。
立派な田んぼです。自社栽培は、酒米のほかに、梅と柚子があります。
さて、いよいよ蔵。最初に応接室でお話を伺います。
生産規模は普通酒の製造もあるので中規模ほどです。関東では、やはり≪鶴梅≫の印象が
ありますが、リキュールよりも日本酒の方が生産量自体は多いです。日本酒は大半が普通酒です。
梅酒ブームの時は、物凄い件数の問い合わせが来たとか。前の酒屋もそのうちに含まれます。
ただ山本さんは、今でも得意先周りを全て行なうほど、一つひとつの付き合いを大切にされていて、
蔵元として良いモノを造り、そして良い人間関係の中で販売店で売ってもらう、という
理想的な特約店制度を築こうと意識しています。なので≪鶴梅≫は限られた酒販店からしか
買う事は出来ません。そして、満を持して発売した日本酒≪紀土(きっど)≫は、
もっと少ない特約店のみの取扱商品です。意外にも山本さん、宮城にも度々お越しなるとか。
さぞ大変かと思います。お疲れ様です。改めて山本さんから≪鶴梅≫≪紀土≫の説明を伺った後、
蔵の中では杜氏の柴田さんに案内頂きます。
日本酒蔵の見学は、有難い事に度々させて頂いていますが、
いつも「何を」「どう見よう」か、考えます。酒業界に入りたての頃は、造りとは何ぞや?と思い、
製造方法について蔵元さんにあれこれ質問していましたが、別に自分は造る訳ではないので、
結局深く深くなり過ぎても、、、と思い、それからは流通としてエンドユーザーの方へ伝えやすい
点を探すようになりました。蔵の個性と言いますか差別化できる点というか。
それも今は直接流通の立場にいる訳でもないので、今回の旅では純粋に蔵の姿勢を伺い、
そして先方様が案内する所、そこがつまりは見せたい部分ではあると思うので、その点を
PRポイントなんだと思い、見学させてもらいました。あと個人的に見たい所は突っ込んで(笑)。
≪本金≫宮坂さんの所は、個人的な付き合いもあり、小さい蔵だったので、1から100まで
見せてもらってしまいましたが(笑)。
なので平和酒造さんを見学して個人的に最も感心したのはここ↓。
清潔さへの配慮。個人的に物凄く大事だと思います。蔵の手洗い所にエアタオルは初めて見ました。
きっと、酒屋にいた時にはお客様へ伝える事は出来なかったろう点。。。
山本さんも「床は飲食店で見て、すぐに採用したんですよ」と意識している様子。
こういう姿勢が凄くすご~く大事だと思っています。…かと言って必要条件ではありませんが。
それでも自分が今まで伺った蔵元さんは全て整理整頓をきちんとされていたと思います。大事です。
あと、こちらは普通酒とは言え、いわゆる吟醸酒造りと遜色ないような設備でした。麹も造ってます。
それでも、麹室、酒母室、仕込蔵、貯蔵庫などは≪紀土≫用がありました。
↑小さな槽、初めて見ました。タンクも全て低温管理可能で小仕込、気合入ってます。
≪紀土≫は冷蔵環境の中で造られ、0度で貯蔵管理されています。
「東北の蔵元さんを見て、西日本で普通に造っても敵わないと思ったんです」と山本さん。
その分、柴田さんのプレッシャーは大きいでしょうね。
こちらは当然≪鶴梅≫などリキュールも多いので、ほぼ一年中仕込を行なっているとか。
リキュール用の大きな仕込タンク、貯蔵タンクが隣接する敷地に沢山ありました。
柴田さんお疲れ様です。そして、今後の更なる飛躍に期待しています。
そして夜は居酒屋を紹介いただきました。和歌山、魚が美味しくて驚きました。≪紀土≫も合います。
そして、たまたま直近の福岡ソフトバンクホークス小久保選手のサイン発見。小久保選手、何か縁あるなぁ。
最後は、The和歌山ラーメンを井出商店さんで食べて〆。何故か山本さん大盛をけしかける(笑)
山本さん柴田さん本当にありがとうございました。勉強になりました!