この日は、今回の旅の中でも最も密度の濃い一日でした。
それも長野県諏訪の日本酒≪本金≫の宮坂さんが、ご家族も連れて一日アテンドしてくれたから。
本当にありがとう!!!今回伺った所、全て宮坂夫妻の紹介があってこそ。有難い限りです。
彼とは昔、同じ職場=酒屋で一年ほどですが一緒に働きました。
…彼にも少し言われましたが…あの頃は若かった、お互いに。と個人的には勝手に思っている(笑)。
さて、そんなこんなで、最初に紹介してくれたのは塩尻市のVOTANOWINEさん。
こちらは、最近ワイナリーの設立ラッシュが続く中、オーナーの坪田さんが行動を起こされたのは
50代になってから。稀有なパターンです。重労働な農作業、さぞ大変かと察します。
畑は谷のようになった山と山の間の底を川が流れる立地の斜面にありました。
地面は土というよりも大き目の石がゴロゴロある感じ。普通のスコップでは、すぐにダメになって
しまうとか。特殊な耕作機で畑を起こしたそうです。
お忙しい中、畑だけ見学させてもらいました。初めて見た、樹製の強い品種向けのカーテン仕立て。
品種はメルロでした。伺った際の週末に収穫との事。雨が降らず、霜が降りないように願ってました。
今年は、台風の影響など、やはり病害が多いとか。↓の写真は白腐れ病。他にも、苦腐れ病もあると。
そして「あら、こんな品種まで!?」というものも育ててらっしゃいました。画像で分かれば凄い!
やはり、前日の曽我さんのお話のように、ワイナリーの現場では、商品化されていない品種を
多数トライしているようです。日本のワインはまだ黎明期、何が適しているのかは完全には分かりません。
まぁ日本酒も同様ですね。「じゃあ華想い×ほの馥酵母でも使ってみるか」的な。…何と伝わりづらい
ニュアンス。けど分かる人にはきっと分かるはず。
坪田さんありがとうございました、勉強になりました!
次に伺ったのは同じ塩尻の井筒ワインさん。営業の小田さんが案内してくれました。
醸造所を案内して頂く前に、目に飛び込んできたのは大きな大きな樽。
比較的最近まで使用してたとか。いや~凄い。フランスだかイタリア産だか。。。
そこに絡む大きな葉は、山葡萄系のものだとか。自然と生えたそう。何だか大らかだなぁ。
あと横に見本としてコルクの樹もありました。へぇ~皮自体があのコルクの感触なのね。
さて醸造所、立派です。日本酒的な感覚からすれば、瓶詰めラインを見るだけで分かります。
中規模くらいのワイナリー(なのかな?)ですが、自分を昔、虜にした
プレミアムラインのNACシリーズは100,000本ほどの出荷量だとか。
主力のナイアガラなどの商品の為に、とても大きなプレス機がありました。こりゃ凄い!
そして畑を見せてもらいます。すぐ隣には他社さんの畑もあり、本当にブドウの里です塩尻。
という事はテロワールとしては同じなのか?いやしかし、ワインは育てる人と造る人の手が加わる。
だからこそワイン新興国でも、魅力的なワインが造られる可能性があるのだ。そう、この日本のように!
さてさて、自分は収穫時のブドウを食べて、その良し悪しというのは全然まだまだ分かりませんが
このシュナンブランは良かったと思います。凝縮感たっぷり。単一で商品化してほしいなぁ将来。
隣にはシラーもありました。お懐かしゅうございます。たしかオーストラリアからのクローン。
お初のドルンフェンダー、樹勢が強過ぎるので棚仕立との事。さすが交配品種、育ちやすいのね。
上記の品種は実験的に育てているものらしいです。あ、ブログで紹介しても良かったのかな(笑)
そして、初めて竜眼を見た気がします。何となく甲州に似てる気がするなぁと思っていたら
やはり小田さんからも、そういう位置づけだと聞きました。竜眼からも秀逸なワインが出来るのか!?
でも流石に一房がでか過ぎでしょう。甲州とは違うタイプのワインになるのかな。
あと収穫されプレスを待つメルロを発見。これは井筒ワインさんでも最高級のメルロだとか。
とても綺麗。名人が育てたとか。井筒ワインさんは自社畑2割ほどで、あとは契約農家から買っているようです。
それでもこのメルロで、最上級の商品の≪井筒シュープリーム≫を造るかどうか、微妙との事でした。
それだけ難しい年だという事ですな。
最後に、ワイナリーの駐車場を囲むようにマスカットベリーAがさりげなく育っていましたとさ。
小田さんありがとうございました、勉強になりました!
次に、同じく塩尻のKidoワイナリーさん。
こちらは例外的に、今は繁忙期なので見学などは出来ないのですが、
宮坂夫妻が城戸さんと懇意なので畑だけ見させてもらおうとしたら、
たまたま畑帰りの城戸さんが居て、城戸さんのご好意で見学する事が出来ました。
感動的でした。何と美しい畑だろうと。すぐ目の前には山があり、畑自体は麓にあります。日当たり良し。
因みに、ブドウの樹の列の先頭にバラが植えられているのは、景観の為ではなく、
それらが身を挺して病害の到来を教えてくれるのです。お陰でブドウへのケアが早くできます。
棚仕立のマスカットベリーAも見事です。チョー飲みたくなりました、ワイン。
そう、未だに雑誌などで見るだけで実際には飲んだ事がありません。
普段ならワイナリーで販売もしている所、ですが今は全くの在庫切れとの事。この想い、必ずや。
宮坂さん曰く、現在の醸造所は最近建てられたとか。ドンドン造ってほしいものです。
城戸さんありがとうございました、勉強になりました!