新宿のあるビルで首つり自殺をした遺体が発見された。場所はビルの中の会議室で、窓の近くで首をつっていた。なので、遺体を発見した人はビルの外から首つり遺体を見たのだ。
それから、会議室は使用禁止になり、事件の事も大きく問題にはならなかったが、遺体の発見のされ方が印象的だったのか、 その会議室が心霊スポットのようになり、その会議室の窓を外から見に来る若者が増えて行った。
会議室の位置は三階にあり、一階には警備員がいるので、その会議室に誰かが侵入するという事態はなかったが、若者が捨てたゴミが増えて問題になった。若者が飲み物やお菓子のごみ、煙草などを三階の窓がよく見えるところにしてるから、道路の一か所にごみがたまってしまうのだ。マナーは守ってもらいたものだが、幽霊が見えるという事はなかった。
遺体が発見される事件が起きてから二年経ち、外から見る若物もいなくなり、事件の事も昔の出来事になり、誰もその話をすることはなくなった。
そんな時に、そのビルに新しい警備員がきた、それと同時に昔からいる年長者の警備員が退職することになった。
色々と警備員の仕事を教わり、そろそろ研修がすべて終わる頃、年長者の警備員が新入りの警備員にある注意事項を伝えた。
それは、「深夜、鍵が一本無くなっても探さなくて、朝には返されるから心配しなくていいから」という内容だった。どういうことですかと聞いたが、慣れれば大丈夫とだけ言われて、それ以降は何も言わなくなった。
そして、年長者の警備員が辞めていき、新入りの警備員が一人で深夜のビルの仕事をする日が来た。
夜の十一時にはビルで働いている人たち全員帰り、鍵もすべて返却されている。
警備員室で色々と仕事をしていると、チャリンっと鉄製のもの、鍵か何かの音が聞こえた。警備員室から出て廊下を見たが、誰もいない。もしかしてと思って鍵の保管場所を見ると、一本鍵が無くなっていた。それは使われていない会議室の鍵だった。誰も警備員室来ていないないし、持って行けるわけはない。
探しに行こうかとも思ったが、年長者の警備員の言葉を思い出し、探しにはいかなかった。それから色々と仕事をし、辺りが明るくなってきた時、チャランっと何か置かれた音がした、しかし、その時にちょうど手を離せない仕事をしていたため、音の方を見れなかった。
すると、か細い女の声で「鍵、置いておきますね」という声が耳に入り、思わず受付のほうを見たが、誰もいない。
走って外に出たが、誰もいないし、人の気配がない。警備員室の受付には無くなっていた会議室の鍵が置かれていた。
それから、朝にはなるべく警備員室の外でする仕事をすようになった。
それから一回だけ、年長者の元警備員が荷物を取りに職場に来たため、この話をしたら、ただ一言「鍵は探さなくていい、返される時は仕事でもして無視をしろ」そう言われた。
おそらく、年長者の元警備員は何か見て体験したのだろう、そう気づいた新入り警備員は忠実にその助言を守った。
もしかしたら、会議室には今も自殺した女性がいて、毎日自殺しに来ているのではないか。