こんにちは!今回も当ブログをご覧になっていただきありがとうございます。今日ご紹介するのは、先日意図せず迷い込んでしまった全ロシア博覧センターです。「宇宙征服者のオベリスク」を見かけて、バスを途中下車したのですが、すぐ隣にこんな施設があるとは!全く予想していませんでした。

(PENTAX K-3Ⅲ、HD16-85/3.5-5.6の18mm、ISO400、f7.1、1/320、AWB、鮮やか)

人が流れてくるので行ってみると、オベリスクほど近いところに、このような巨大な凱旋門がありました。小麦の収穫を祝う男女の黄金のモニュメントが門の上で夕日に輝き、印象的です。門の向こう側には、スターリン建築の建物が見えます。

(PENTAX K-3Ⅲ、HD16-85/3.5-5.6の26mm、ISO400、f10、1/800、AWB、鮮やか)

調べてみると、ここは全ロシア博覧センター、ロシア語でヴェデンハ(VDNKh)、1939年に建設されて以来、ソ連社会主義体制の展示場として利用されてきました。ソ連を構成していた共和国の民族衣装に身を包んだ16体の少女が立つ「民族友好の噴水」がありますが、今では各国との関係も大きく変化し友好的でない国もあり、歴史の皮肉を感じます。

(PENTAX K-3Ⅲ、HD16-85/3.5-5.6の21mm、ISO400、f9、1/400、AWB、鮮やか)

先ほど凱旋門の向こう側に見えたスターリン様式の建物は、中央パビリオンで、現在はレーニンの博物館となっています。このパビリオンを始め、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、アルメニアなど旧ソ連の構成国のパビリオンが、各国の民族的な様式で建設されています。

(PENTAX K-3Ⅲ、HD16-85/3.5-5.6の26mm、ISO400、f5.6、1/250、AWB、鮮やか)

アゼルバイジャン・パビリオンは、美しいイスラム教のモスクの様式です。最近はロシアと必ずしもうまくいっていないアゼルバイジャン、石油産業の隆盛を背景に経済成長が著しいと聞きます。行ってみたい国のうちの一つです。

(PENTAX K-3Ⅲ、HD16-85/3.5-5.6の43mm、ISO1600、f4.5、1/100、AWB、鮮やか)

日が暮れ、プロジェクトマッピングで飾られているのは、ウクライナ・パビリオンです。ウクライナは、旧ソ連の重要構成国だったので、ヴェデンハで最も手の込んだ建築様式となっています。

(PENTAX K-3Ⅲ、HD16-85/3.5-5.6の26mm、ISO1600、f4、1/40、AWB、鮮やか)

ウズベキスタン・パビリオンは、シンボルカラーのターコイスブルーで彩られたモスリム様式の建物です。日が暮れて、マジックアワーの空になってきました。この時間になってくると、さすがに肌寒さを感じました。

(PENTAX K-3Ⅲ、HD16-85/3.5-5.6の18mm、ISO1600、f3.5、1/40、AWB、鮮やか)

アルメニア・パビリオンは、キリスト教国らしく、巨大な六本の円柱で飾られたファサードが印象的です。アルメニア人が多いナゴルノ・カラバフ地方では、アゼルバイジャンと紛争状態にあり、ロシアの後ろ盾にも関わらず敗北したのですが、火種は残っています。

(PENTAX K-3Ⅲ、HD16-85/3.5-5.6の18mm、ISO1600、f3.5、1/13、AWB、鮮やか)

お腹も減ってきたので、そろそろ撤収することにしました。振り返ると、凱旋門にも何やらマッピングが。仰々しいライティングと合わせ、権威主義っぽいものを感じ、寒々しい気持ちでヴェデンハを後にしました。