こんにちは!今回も当ブログをご覧になって頂きありがとうございます。今日ご紹介するのは、ペンタコン6用のCarl Zeiss Jenaの広角レンズのFlektogon 65㎜ F2.8をご紹介します。1950年に設計されたこのレンズは、中判カメラ用の広角レンズとしては最初のレトロフォーカスタイプの設計という画期的なものでした。

Flektogon 65㎜ F2.8は、6×6では35㎜換算で約35㎜相当の広角レンズです。PENTAX 645Zでは51㎜相当、APS-Cサイズでは100㎜程度になり、使いやすい画角のレンズです。 モスクワのカメラ店では、ペンタコン6用レンズで、Flektogon 50㎜ F4と比べ、65㎜は高性能でないとされ、価格も高かったこともあり、比較的数が少なくあまり見かけないレンズです。1969年に製造されたのを最後に生産は打ち切られたとのこと。

デザインは、初期のレトロフォーカスタイプのレンズにある、全長が長く、最初のレンズが光量確保のため巨大なものになっており、前面のフィルター径は86㎜!です。今回は、ZenitのHelios 58㎜ F2と比較して、そんなに描写が緩いのか見てみたいと思います。

まずは、絞りによる描写の変化を見てみました。上段からf2.8 1/3200、f5.6 1/500、f11 1/80です。(PENTAX K-3Ⅲ、ISO200、AWB、鮮やか)

f2.8ではクラシックレンズらしいソフトな甘い描写となりました。画像に芯はあるものの滲みが感じられ、かなり緩い描写となっています。中判レンズだけあり、画像全体に画質は均質で、発色には偏りは感じられません。f5.6に絞ると、線はかなりシュッとしますが、まだ画像の緩さは若干残ります。f11に絞ると、シャープ感が格段に増し、コントラストが高い描写になります。遠景は、絞って使うと完璧な描写になるレンズです。

では撮影した絵をご覧になって頂こうと思います。最初は、ルジニキースタジアムをf11で撮影しました。(PENTAX K-3Ⅲ、ISO200、1/200、AWB、鮮やか)中判レンズらしい、立体感のある、コントラストの高い描写になっています。f11まで絞っているので、線もぐっとしまった、シャープ感のある描写になっています。

ちょっと左に視線を移すと、モスクワオリンピックのレガシーのスポーツ関連施設が建設されています。(PENTAX K-3Ⅲ、ISO200、1/160、AWB、鮮やか)もくもくとガス火力発電所から水蒸気が昇っています。この辺の描写感は、シャープで立体感のある描写だと思います。このレンズの本領は、絞った遠景の撮影で発揮されると思います。近景のクリアでシャープな感じはHelios 58㎜ F2に強みはありますが、遠景ではFlektogon 65㎜ F2.8ですね。両方とも絞りを開けるとクラシックな描写を楽しめるので、TPOによって使い分けて楽しみたいと思いました。