こんにちは!今回も当ブログをご覧になって頂きありがとうございます。今日は久しぶりにレンズのレポートをさせていただきます。インターネットでカメラ屋さんを探してみたところ、評判がよさそうだったFOTOCCCPというお店に行ってみました。お店は住宅街の真っただ中、下の青い扉の入り口から半地下に降りていったところにありました。とにかく、ロシアのお店は入りにくくてしょうがありません。

小さめの中古ショップという感じの店内には、中古カメラ、レンズが少し並んでいました。ピンっとくるものがなかったので「Pentacon Six用のレンズありませんか?」と英語でお願いしたら出てきたのがこのレンズです。価格は3000ルーブル(≒5000円)でした。

Pentacon Sixと同規格のマウントで製造されていた、Zeiss Jenaの神レンズBiometar 80㎜ F2.8のロシアンコピーと言われているこのVega 12B 90㎜ F2.8は、キーウのアーセナル工場で生産された中判一眼レフカメラKiev 6S用の標準レンズです。

ネットで調べてみると、一本ごとに描写が違うといわれているこのレンズですが、安かっただけに見た目もかなりくたびれており、レンズの後ろ玉に線キズも。。。製造番号から推測するに1982年製、40年選手なので仕方ないですね。遠景からまず見てみたいと思います。カメラはPENTAX K-1 Mark-Ⅱ、ISO200です。

上段からf2.8 1/6400、f5.6 1/1600、f11 1/400です。f2.8では、解像感は十分あるものの、輪郭には滲みが感じられ、若干緩い描写となっています。さすが中判レンズだけあり光量不足は感じられませんが、絞り一段ほど露出が不足した画像となりました。発色はクリーンで濁りはありません。f5.6に絞ると画像は引き締まり、シャープ感は大きく向上しますが、わずかに滲んだ感じは残ります。露出も大きく改善し、適正露出です。f11に絞ると、シャープ感がもう一段改善し、コントラストが非常に高い描写になります。露出が、半絞りくらいオーバー気味です。遠景では、少し絞って使いたいレンズです。

次に近景を見てみたいと思います。上段からf4 1/500、f5.6 1/250、f11 1/60です。f2.8での撮影をしくじってしまったので、f4からの比較になります。f4では、前ボケが少しざわつく感じはありますが、後ボケは非常に柔らかく、ピントが合っている部分が浮き上がって見えます。多少柔らかい描写で、滲みもありますが、ピントが合っている部分はシャープさを十分感じます。f5.6に絞ると、ボケは小さくなるものの、硬すぎることはありません。シャープ感は若干改善し、ピントが合っている中央では十分です。f11まで絞ると、シャープな描写になりますが、ボケのクセは感じられません。

40年前のクラシックレンズを撮ってみましたが、本家のZeiss JenaのBiometarと肩を並べるしっかりとしたレンズには驚きました。遠景では、少し絞るときりっとシャープですし、近景ではポートレートなどに使ったら、絞りを開けて美しいボケが楽しめそうです。日本でも時々出ているレンズ(しかも安く!)なので、是非お試しください!