こんにちは!今回も当ブログをご覧になって頂きありがとうございます。今日ご紹介するのは、ペンタックス最盛期の標準レンズ、smc PENTAX-A 50㎜ F1.4です。もともとペンタックス、ライカとニコンの一眼レフのフランジバックは距離が長く、一眼デジタルカメラに装着するには補正レンズ付きのマウントアダプターはあるのですが、これが性能が悪くて、なかなか実力を測れなかったということがあります。

smc PENTAX-A 50㎜ F1.4は、かれこれ40年近く前に、当時各社が競っていたシャッター/絞り/双方を組み合わせたプログラムのオート露出の機能を持たせたカメラのPentax Super-Aと合わせて発売された、標準レンズです。以前、PENTAX K-3で撮影した画像を紹介させていただきました(以前の記事をご参照下さい!)が、今回はフルサイズでのテストになります。

最新のデジタルに最適化したHD PENTAX-DFA☆50㎜ F1.4 SDM AWとは味わいが違うとは思いますが、当時は50㎜ F1.4の大口径標準レンズとしては、最高評価の一本だったと思います。今回は、ミラーレスのニコンZ5には補正レンズなしでダイレクトにZマウントに適用できるということで、同世代の伝説のライカのSummicron-R 50㎜ F2と比較してみたいと思います。画像は、上段からf1.4 1/8000、f2.8 1/2500、f5.6 1/800、f11 1/200です。(Nikon Z5、ISO200、AWB、スタンダード)

絞り開放のf1.4では、四隅の広い範囲に光量低下があります。画面全体にハイライトに若干滲みがあり、コントラストが低めで、線が太くやわらかな画像ですが、解像感はそれなりにあります。f2.8に二絞り絞ると、光量低下は感じられなくなります。ごく僅かに滲みは感じられるものの、画面全体はしまった感じになります。f5.6に絞るとクリアネス、コントラストとも申し分ありません。発色は、f1.4から一貫して暖色系で変化はありません。

次に近景の描写ですが、上段からf1.4 1/1600、f2.8 1/400、f11 1/30です。(Nikon Z5、ISO200、AWB、スタンダード)

中央の手すりの柱の、左側のねじにピントを合わせましたが、ボケは大きいものの線が太く、ピントがしっかり来ている感じはありません。f2.8に絞ると合焦部分のシャープさは感じられるようになり、バランスがよくなります。前後のボケも嫌な癖はありません。f5.6、f11と絞ると、シャープさは少し良くなるものの、大きくは改善されません。近景では、少し絞る方がいいででしょうね。

Leica Summicronとの比較では、f2のレベルでは大善戦と思います。コントラスト、クリアネスではf2から絞ると大差は感じられません。一貫して、色調は、smc PENTAX-A 50㎜ F1.4は暖色系、Summicronは、クールな印象を受けます。好みがわかれるところだと思いますが、私はペンタックスは発色の温かみに好感を持ちました。今から40年前に発売されたレンズですが、少し絞ると現代でも十分使えることを改めて確認できました!