こんにちは!今回も当ブログをご覧になって頂きありがとうございます。今日ご紹介するのは、駒村商会から発売されたローライ35RF用の中望遠レンズとして2003年に発売された、Rollei Planar 80mm F2.8 HFTです。二眼レフのローライフレックス2.8FXに装着されていた光学系をスクリューマウント化したもので、なかなかお目にかかれないレアなレンズです。

ローライ35RFは、当時日本での総代理店となっていた駒村商会が2002年に企画、発売したレンジファインダーの35㎜カメラでした。コシナのOEMで、ベッサR2をベースに開発されたので、Planar 80mm F2.8 HFTも、コシナ製のVoiclanderブランドのレンズに、フードといい、キャップといい似ていますが、組み立てとレンズ研磨はドイツのローライ本社で行なわれ、ベースになったのが中判レンズということもあり、ずっしりした質感は全く別物の仕上がりです。

2000年ごろのアンティークカメラブームに乗っかって、当時様々なメーカーからL/Mマウントの、超高価なレンズが発売されていました。駒村商会も同様だったと思われますが、その後、2012年に写真関係の事業をケンコー・プロフェッショナル・イメージングに移管して撤退してしまいます。こんな歴史のこのレンズ、前回一時帰国した際に横浜駅のカメラキタムラで二本発見、安い方のレンズの方がなぜか程度がよく、相場の半分以下で仕込むことができました。今回からNikon Z5をフルサイズのプラットフォームとして追加、テストしてみました。

まずは遠景の描写ですが、上段からf2.8 1/1250、f5.6 1/250、f11 1/125となっています。(Nikon Z5、ISO200、AWB、オート)

流石中判レンズのイメージサークルをカバーするだけあり、f2.8でも周辺光量の低下はありません。描写は線が太くなります。色調は、若干ですが青み寄りを感じますが、概ねニュートラルで絞っても変化はありません。f5.6に絞ると線は細くなり、きりっとします。遠くのゲートブリッジの橋げたの立体感もかなり良くなります。f11に絞ると、わずかに描写も締まり、色調も完全にニュートラルになります。

次に近景を撮ってみました。いつもの、手すりの柱にモデルになってもらいます。上段からf2.4 1/250、f4 1/100、f8 1/25です。(Nikon Z5、ISO200、AWB、オート)

f2.8では、近距離では被写界深度は相当浅いので、ファインダーで拡大して手すりの柱に慎重にピントを合わせました。Nikon Z5は、ビューファインダーもワンタッチで拡大でき、便利ですね。Ricoh GXRと操作の快適さは格段に違います。f2.8から、合焦部のシャープさは十分です。ボケが柔らかく大きいので、柱が浮かび上がってくるようです。パープルフリンジも感じません。f5.6に絞っても、ボケは柔らかくきれいです。合焦部のシャープさは、素晴らしいです。f11に絞ると、さすがにボケは固くなりますが、不自然な硬さではありません。近距離では、できるだけ絞りを開けたいですね。

Rollei Planar 80mm F2.8 HFTをテストしてみましたが、光量が豊かな安定した描写は流石だと思いました。発売当初の定価が15万円強、今ではプレミアム価格になっていますが、機会があれば一度お試しください!