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今日ご紹介するのは、オートフォーカスのソフトフォーカスレンズのsmc PENTAX-F Soft 85mm F2.8です。予備知識がない人が「オートフォーカスのソフトフォーカスレンズ」と聞いても、何のことかわからないと思います。ピントを合わせるのは自動で、ソフトフォーカスはレンズの収差を残しふわっとした描写になるレンズのことです。ペンタックスは、意図的に球面収差を残し、絞りを開けるとフレアで霧の中にいるような描写になるソフトフォーカスレンズを何本か出していました。このFソフト85/2.8は、1987年にペンタックス初のオートフォーカス一眼レフカメラが発売されたのに遅れること3年、1990年に発売されています。

外見は、典型的な中望遠レンズで、ちょっと見では、このレンズがソフトレンズとはわかりません。最近ソフトレンズは全く人気がなく、中古市場でも激安の状態で放置されています。私も少々カビクモリがあった激安の一本を救出、写真レンズ工房さんで完璧なコンディションに修理、調整していただきました。そんなわけで、今日ご覧いただくのは、本来の実力に近い描写と思います。

(PENTAX K-1Ⅱ、ISO100、AWB、鮮やか、上段f2.8、1/4000、中段f5.6、1/1000、下段f11、1/250)

是非先日アップしましたsmc PENTAX-67 Soft 120mm F3.5の記事をご参照いただきながら、作例をご覧になってください。

f2.8では、かなりに滲みが大きいので、もともとのアクアティクスセンターの建物に芯が残っていない状態です。発電所のオレンジ色の煙突で滲んでいる大きさが確認いただけると思います。結構雨霧が出ている状況で、雲の中から見るようです。f5.6に絞ると滲みが小さくなります。f11に絞ると、普通のレンズと同様のすっきりした写りになります。f2.8での写り方は、明るく滲んでいる描写で、霧が晴れてきている時のようです。一方67ソフト120/3.5のf3.5では、青っぽく暗めなイメージです。TPOにより使い分けたいですね。

(PENTAX K-1Ⅱ、ISO100、AWB、鮮やか、上段f2.8、1/320、中段f5.6、1/60、下段f11、1/15)

最短撮影距離0.5mくらいのところから、手すりの柱ちゃんにモデルになってもらい撮りました。

f2.8では、滲みが大きくて、柱の向かって左のねじにピントを合わせていますが、かろうじてピントが合っていることがわかるほどです。絞り開放でも、暗く青みがかったりせずに、画面全体が大きくにじんでいます。f5.6まで絞ると、ピントの合っているところに芯を感じます。ポートレートでソフトを使るなら、このくらいのボケでとどめた方がいいかもしれません。f11まで絞るとほぼ普通のレンズになってしまいます。

67ソフト120/3.5との比較では、絞り開放の描写はかなり違いましたが、f5.6より絞った時のボケ(滲み)方にはかなり類似していると思います。両方のレンズとも、画面全体が均質にボケて(滲んで)おり偏りを感じないところは素晴らしいと思います。ソフトレンズは最近使っている方を見ませんし、値段も超安値で放置されています。機会ありましたら、是非一度お試しされることをおススメします!