今回も当ブログをご覧になっていただきありがとうございます。今日ご紹介するのは、ローライブランドで発売されていた、ゾナー40mm F2.8 HFTです。このレンズは、駒村商会が1997年にローライの代理店権を取得し、2002年にコシナのOEMでローライ35RFと、専用のプラナー80mm F2.8 HFT(これは発売が2003年だったようです)とともに発売されたものです。レンズ、パーツはコシナが供給、光学系は35シリーズで定評のあるゾナー40mmのものを使用し、組み立てはHFTコーティングとともにドイツで行われたようです。
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金属鏡筒のこのレンズは、ずっしりと手に持った時の質感も十分で、定価98千円というのもなんとなく納得感があります。2000年前後の限定レンズの価格インフレはすごかったですよね。あれから15年以上がたち、当時お金に余裕があった50歳以上のかたも世代交代でオーナーの入れ替わりが起こる時分だと思います。私は、2011年にたまプラーザの○ャンプカメラで定価の半分くらいでゲットしました。ローライ35RFは、すでに持っていましたので、チャンスがあれば欲しいなと思っており、インターネットで物色していたところ、たまたま一時帰国の時期にお店に出ているのを発見、即座にゲットしたものです。
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短いフードが付属しており、キャップはこのフードに合わせてはめ込めるアルミ整形のものが付属しておりました。このゾナー40/2.8は、曇りが出ることが多いとインターネットで出ていましたので、実物を見るときによくチェックしましたが、幸いこの個体には問題ありませんでした。コシナのレンズは曇ることが多いですよね。それと関係があるのでしょうか?
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コシナ製で兄弟レンズといわれるのが、ここに並べている一代目のスコパー35/2.5です。並べて写真を撮ってみると、、、やはりよく似ていますよね。大きく違うのは、やはりそのお値段ということで、スコパー35/2.5も別の機会にテストして比較してみたいと思います。今回はゾナー40/2.8HFTのテストをしてみました。まずは遠景から、上段がf2.8、下段がf8です。(共通:Ricoh GXR A12、ISO200、上段:1/4000、下段:1/640)
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f2.8では、露出がちょっとオーバー気味で、ハイライトの部分ににじみが少しだけ感じられます。線も若干柔らかく、太くなっているようです。描写は、画面全体で均質で、でいい感じです。四隅の光量低下もごくわずかでほとんど気にならないレベルだし、色調も偏りを感じません。f2.8から十分実用になるレベルです。f8まで絞ると、さすがに引き締まる感じがします。線も一段細く感じられますが、f2.8でも十分実用レベルなので、改善の幅は大きくないと感じます。色調は、オレンジ色がf8では強く感じられます。このレンズは、遠景での描写力、相当実力高いです。次に近接撮影です。上段からf2.8、f8です。(共通:Ricoh GXR A12、ISO200、上段:1/640、下段:1/80)
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f2.8では、少し寒色に振れているようです。色調は画面全体で均一で、背景のボケには輪郭を感じますが、大きくぼけておりそれほど嫌味な感じではありません。合焦部分は非常にシャープな画像です。f2.8でf8に絞ると、やはりなぜかオレンジ色寄りになりますね。ボケは自然で、手すりで見ると合焦部分から前後の部分まで連続して滑らかな変化です。f2.8、f8ともシャープな絵になり、もちろん十分実用になる範囲と思います。ローライのレンズということで、どんな仕上がりになるのか楽しみでしたが、f2.8から素晴らしい仕上がりで、デジタルとの相性も十分でした。絞るとなぜかわずかに暖色系に振れる傾向がありましたので、厳密な色表現を期待する場合は、RAW撮影しちょっといじってやる必要があるかもしれません。私はそこまで厳密に撮影したことがないので、現在のレベルもレンズの味と受け止めたいと思います。5月も中旬ですね。研修で、四国の別子銅山に登ってきました。次回はその景色などをレポートしたいと思います。引き続きよろしくお願いします。