今回もご覧になっていただきありがとうございます。
今回ご紹介するのは、smc PENTAX-A マクロ 50mm F2.8で、今までのMシリーズでは50mmマクロはF4だったのが、Aシリーズスタートに当たり新しくF2.8に一段明るくしたものをデビューさせた(1983年)ものです。
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私がこのレンズを救出した経緯は、2002年に横浜のカメラ屋さん巡りに行ったとき、馬車道にあるカメラ屋と薬屋と一緒にやっている変なお店を発見し、そこでやたらに安いこのレンズを見つけました。女性のご主人に、なんでこのレンズが安いのか聞くと、絞りに油シミができているからと教えてくれ、なるほど油のシミがありました。当時は、ビギナーだったので、この油のシミがどのようなことになるのかわかっておらず、早速お買い上げとなった次第です。それでも当時2万円はした記憶があります。
その後、2005年ごろ一番後ろのレンズに曇りっぽいものができているのを発見、恐らくこの油シミが悪さしていたと思います。早速ペンタックスレンズの修理で有名な○ンズ工房に清掃を依頼、現在に至るまで問題ない状態となっています。
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私は、このレンズの取り回しの良さ(プラスティックを多用してあり220gととても軽い!)、画像のシャープさが好きで、毎年春の恒例の梅、桜の花の撮影には、Aマクロ100/2.8とともに必ず持ち出しています。今回のテストで、私の印象通りの結果になるのか、楽しみにしていました。
イメージ 3鏡筒は近接に伴い繰り出されるタイプで、ご覧のとおりかなり伸びます。最短撮影距離では、先端から10cmくらいまで寄れる感じで、このレンズは1/2倍までのハーフマクロですが、実感としては実用上問題になったことはありません。レンズは奥まったところにありますので、フードが必要だと思ったことはありませんが、レンズ保護のためにいつもフード、保護フィルターをつけて撮影にはいくようにしています。LXに装着すると以下のような感じになります。
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では、撮影テストの結果に行こうと思います。まずは遠景から。上段がf2.8、下段がf8まで絞ったものです。(共通:K-3、ISO100、上:1/2000、下:1/250)開放では、コントラストもあり、橋げたなども解像できていると思いますが、やはりかなり柔らかい画像になっています。f8と比較すると、周辺光量も落ちているのがわかります。マクロレンズで遠景の開放絞りは、ほかのレンズとの共通し柔らかくなる傾向が強いですね。これに対しf8では、像もびしっといった感じになりますし、相当いけていると思います。
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次は近接撮影ですが、1mくらいのところにピントを合わせて撮影しており、マクロレンズの実力としては、もう少し寄ったところで比較すべきだったかもしれません。上段がf2.8、下段がf8です。(共通:K-3、ISO100、上:1/500、下:1/60)
これを見ると、f2.8では、像がかなり柔らかくなり、合焦部分の手すりの画像の端にはにじみがかなり大きく見えます。前後のボケ味は、背景の輪郭部分が少し目立つ感じはしますがそれほど悪くないと思います。一方で、f8まで絞ると、明らかにシャープさが違います。合焦部分のクリアで際立った感じもあります。
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ということで、このレンズは、デジタルでも十分実用になるものと思いますが、開放よりも少し絞って使ってやるのがよい、という結論です。比較してみると、もう少し寄った最短近接距離近くでの比較をしたら異なる結論かもしれないですが、絞り開放の柔らかさが目立つ結果になり、これは今まで使ってきた実感とちょっと違っていました。次にまたこのレンズで撮影してみるときに、じっくり試してみたいと思います。
今回も長文にお付き合いいただきありがとうございました。次回もレンズシリーズを続けたいと思います。引き続きよろしくお願いします。