うちのイギリス人の、神経の治療 『根管治療!!』 | シンガポールで歯医者さん Dr.Yumiko's Journal 

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Love&Protect Your Teeth!
2009年1月よりシンガポールにて、在住日本人の方の歯科診療を行っています。
もっと多くの方に「歯の美と健康の大切さ」を知ってもらいたい!という願いを込めて、
歯医者としての率直な気持ちを綴っています。

うちのイギリス人にとっては、人生で初めての根管治療。

私にとっては卒後から数えて20数年間ずっと、患者さんにやり続けている根管治療。

トータル数えて、もう何本目でしょうね??

(数えておけばよかった・・・と、今後悔?!)

 

さて、そんな根管治療ですが、やったのが2021年7~8月でした。

つまり、もうそれから1年半くらいの年月が経過しているので、現時点でのその予後経過をお知らせしたいと思います!

 

まずは結果から。

 

↓これが根管治療を終えた直後(2021年8月)

 

そして、↓これがその13か月後(2022年9月)

 

本人曰く、

全く無症状!!全く違和感すらなし!!!

 

以上、レントゲン写真結果と本人の自覚の両方から、

今現在のところは、順調な経過を辿っている!と判断しています。

 

 

 

では以下に、その過去13か月間の経過の様子を、時系列で羅列したいと思います↓↓

 

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途中まで、近心根尖部のX線透過像(PARL:Periapical Radiolucency)が明瞭に確認できる時期が続きましたが、時の経過とともに、次第に小さくなってきていることが確認出来て今現在に至ります。

 

そういえば、治療開始時の時点では、近心根は完全にNecrotic PulpによるApical Abscessを形成していて、根管にAccessした際には、嫌気性菌臭が漂いました。

 

それは、治療開始前に撮影したCBCT↓からも明白でした。

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様々な断層像からは、(黄丸)PARLと、根管のイビツな形態が明白です。

 

 

そう・・・、

 

この治療前のCBCTで、複雑イビツな根管形態を確認したので、私ちょっとやりたくないわ・・・!!なんて思ったんでした。

 

簡単に言ってしまえば、

ちょっと難易度の高そうな根管治療だったら、私には成功させる自信がイマイチだった!!

っていうわけですね。

 

それで、根管治療専門医に匙投げしようかしら~、なんて始めは思ったわけです。

でも結局は私は治療を彼に強要されましたが・・・。

ま、難しい根管治療よっ!てのは、彼にもこれを見せて了解してもらってましたけどね。

その辺は本人も歯医者なので、理解同意を得るのが楽~♥

 

 

何がね、難易度を高くさせているかというと、二つの根管が根尖部のすぐ手前で一つに吻合して、さらにおまけに根尖のさらに手前では二つに再び分岐しているという状態・・・。

黄丸部分見たらわかりますよね?

 

こういう根管の形態は、緊密確実な根管充填の阻害因子になってしまうんですね~。

つまり、難易度の高い根管治療っていうわけです。

 

 

 

さて、彼のこの歯、今は順調ですが、まだ今後ももちろんレントゲン写真を撮って予後経過を追っていきますからね。

歯医者にとってはこうして、自分の手がけた治療の予後経過を追って、そこから反省と学びを続けていくことが、とっても大切ですからね。

 

 

それと、根管治療ってほ~んとに複雑!複雑!!なんでね、決して安易に考えずに治療を受けるなり予防するなりして下さいね♥

 

ほ~ら、これを見てください↓

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これは共に、世界のトップofトップなレベルの根管治療専門医からのレントゲンですが、根管って実はこ~んなにもぐにゅぐにゅ複雑な形をしているんですね。

しかも、根管って単純に何本って数え切れるものじゃないってことも分かるでしょう?

先っぽで、あっちこち何本にも枝割れしていたり…。

これを見ると私なんか、根管治療なんて絶対にされたくないッ!!!とまで思ってしまいますから。。。

 

 

 

さて、私の日常の臨床では、根管治療を始める前にCBCTを撮影することを、ほぼすべての患者さんに強要しています。

だって…、根管治療するには必要なんだもの!!
ま、もちろんそれでそれを承諾するかは、患者さんの決定次第ですけれどね。

 

 

 

おしまいに・・・、

こんな複雑な根管治療するくらいなら、そうならないよう、歯の健康維持に徹底しておきたいと思いませんか?

何よりも、虫歯予防!虫歯予防!!

年とってくると、虫歯以外に突如根管治療が必要となってしまう事が出てきてしまうくらいなんですから~!

せめて患者さん自身で予防できること!虫歯予防に努めましょうねチョキドキドキドキドキ

 

 

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