つい最近、うちのクリニックの院長が、
「Dr.Yumiko~、僕の虫歯治してくれない?」
と、突然私に聞いてきた。
そう、どうやら虫歯が出来てしまった様で、
その治療を私に頼んできたのである。
このクリニックに勤めて以来14年目の今、
初めての、私への虫歯治療のお願いである。
それもそのはず、
今回初めてうちの院長の口の中を見ると、
歯がぜ~んぜんキレイ!!
そう、今まであんまり虫歯になった事がない人でした。
30年前にやったという小さなフィリング数個のみ。
だから勿論、根管治療の経験すらない(羨ましい!!)。
あらら、院長・・・、
それじゃぁ、歯で悩む患者の気持ち、分かって歯医者業やってるかな???
な~んてね。
私は、自分の歯で散々苦労してきた(そして今もしている)歯医者なんで・・・
さて、とにかく院長は、今回うん十年ぶりに虫歯を発見してしまったものだから、
相当ショックを受けている模様でした。
フロスももちろん毎日通しているとのことなにね・・・
やり方が甘いと、虫歯になちゃうという証拠かもしれないね。
さて、その虫歯がこれ↓である。
赤丸の、#24遠心隣接面に出来た虫歯が今回の虫歯。
痛みもシミも全くないの。
たまたま運よく見つけたのは、
黄丸の、#26近心隣接面に入ったアマルガム・フィリングのところに、
食べかすが詰まるようになったから、
そこに虫歯が出来たんじゃないか?と思い、レントゲンを撮ってみたらしい。
すると、そこに写っている2つ前の歯に、
明らかな虫歯が出来ているのを偶然発見したんですって。
良かったねぇ~、たまたま見つかって。
レントゲンで見る限りでは、結構虫歯進行している感じだし。
このタイミングで見つけておかないと、知らないまま進行して、
神経が虫歯でやられていたかもしれない・・・。
だって、お口の中で見てもこんな↓感じだよ。
一体この歯のどこに虫歯があるの???・・・て感じ。
赤丸の内部に虫歯が隠れているって事、ほぼ見た目じゃ気づけないよね。
でも、レントゲンは嘘をつかないとおり、この部分を削っていくと、
ほら~!!すぐに軟らかい感染した象牙質がたくさん出てきたわ。
これは、虫歯検知液で青く虫歯を染めているので、青いところが虫歯です。
こうした青く染まる虫歯は全部残さず取っていきます。
でも、歯の殻である、アウターレイヤーのエナメル質は温存しますよ。
なぜなら、歯の骨格(骨組み)ですから。
細菌に侵された象牙質部分だけ、ミニマルに取り除いていって、
外側の硬い殻(エナメル質)は極力残しますよ。
それが、ミニマル必要最小限の、
歯に優しい虫歯治療なの!!
そして、感染歯質の除去が終わった後は、
象牙細管という、象牙質の中にあるミクロの管にはまだ細菌が残っているかもしれないので、
きちんと消毒をして、再度虫歯発生のリスクを最小限にしますよ。
消毒した後は、象牙質に優しい特殊なセメントで、先に象牙質にだけ蓋をしてから・・・、
その上からコンポジットレジン・フィリングで穴を完全に塞ぎます。
ほら!するとどうかしら?
殆ど治療痕跡も分からず、キレイに歯が修復されましたよね?
↑この写真は、治療後のものですよ。
歯の最もアウターレイヤーであるエナメル質は、
歯の内臓である象牙質を、硬い丈夫な殻で守っています。
だから、遜色を受けていないエナメル質は、極力削らずになるべく温存し、
そして歯を修復してあげることが、虫歯治療の成功のキーポイントです
院長の治療はこうして、
黄丸のアマルガム部分も含めて、
無事、2本の歯の治療が終了しました~!!
そして、治療を終えた私がデスクに戻ると、
虫歯治療のお礼で、ワインとチョコレートのサプライズギフトが~♥
もらえる事なんて全く期待も予期もしてなかったので、
サプライズが置かれていたことに、ちょっとホッコリしましたね。
あ~、そうそう!!!
私も誰かに治療してもらわなきゃならない状況なのにィ・・・。
私の治療は深刻で重すぎるので、院長では埒があかない状態です
あぁ~、悲しィ哉・・・。
では~
Love & Protect Your Teeth