先日、9歳の女の子の虫歯治療をしました。
数か月前に別の歯医者で治してもらったという、左下の6歳臼歯(左下第一大臼歯)でした。
6歳臼歯と言えば、名前そのまま、6歳頃に萌出してくる永久歯です。
なのに、その歯はもう虫歯で治療済み・・・
ちょっと虫歯になるの早いんじゃない・・・という気持ちとともに、
この歯、どう見ても怪しいんじゃない
とも思いました。
何が怪しいって、、、?
その歯には、すでに虫歯治療済みとやらでコンポジットが詰められているのですが、
「この治療、本当にちゃんと虫歯取り切れている???」
「まだ中に虫歯がもしかしたら残ってるんちゃうのん???」
と、見るからにそんな見た目だったのです。
もし内部に虫歯が残った状態で適当に詰められていたら、
この先この子のこの歯はどうなる?
そう、
詰め物の下水面下で、知らないうちにどんどん虫歯が深いところまで進行しちゃいます!!
そして気付いた時には、抜髄をするか否かのギリギリ瀬戸際になっちゃうかもしれません!!!
だから、強い疑いを持った私は、お母さんにそれを説明して、そこの再治療をさせてもらう事にしました。
すると、、、
出てくるわ出てくるわ~!
詰め物の下から、取り残しのボソボソとした軟化歯質が!!
いやぁ~、怖いね・・・。
そして、やっぱりやっておいて良かったぁ・・・と一安心。
生えて来たばかりの大人の歯。
ここでボロボロにするわけには到底いかないじゃいッ・・・て。
それにしても、
こういう、小児の小さな虫歯というのが、
きちんと治療されていないケースがたまにあります。
いやいや、小児じゃなくても、
虫歯が完全に取り切れていない、という大人の虫歯治療のケースだって多くありますが・・・。
どうしてこんな状態でのお粗末な治療しかしないのかは、
まあ、同じ歯医者としては理由がわかります・・・(割愛)。
でも、私思うのですよね。
そんな治療で本当にいいの???
・・・て。
患者さんにとっちゃ、
ウイ~ンと削る⇒詰める⇒ハイ治療終わり!⇒これで一安心。
という虫歯治療の一連の流れが、
痛みもなく、そして短時間のうちに素早く終わるものなら、
(特に子供の場合には)嬉しいに越した事はないでしょうからね。
たとえそこに虫歯が残っていたとしても、詰め方が雑であっても、
詰めてしまえば、患者さんにとっちゃあ正直、中で何が起こっているかはわからない。
であれば、「上手な良い歯医者さん」と患者さんに思ってもらう為に、
ある程度だけ削って、さっさと詰めてしまった方いいんだよ・・・
と言って、妥協の虫歯治療で終わらせてしまう歯医者だっているんです。
なぜなら、治療の本髄がわからない患者さんには、
治療が早くて痛みのない歯医者さんが、「上手な良い歯医者さん」
と思われやすいから。
そして、はじめのうちは口コミが患者さんを多く呼び、
そして、多くの患者さんに来てもらえて医院が儲かるようになる!
という典型的な流れですね。
大体この場合痛みが出てくるのは、5年?いや10年近く先の事だから、
もうその頃にはさすがに時効でしょ?って感じなんです、歯の場合。
でも実際に、こうした歯医者が、
自分の子供や親戚の子などに、全く同じような治療をしているかというと・・・、
う~ん、決してしないよね、きっと。
歯医者の治療レベルとは、それぞれに治療技術的限界はあれど、
所詮、
その歯医者自身の良心に、全て委ねられている
と言っても大袈裟じゃないかもしれません・・・
本当に、その治療は、患者さんの為を思っての歯科治療?!
経営や売り上げの事が優先されての歯科治療じゃないですか???
・・・てね。
え?
また私、キレイごとばかり書いてる?
そして、キレイごとを書くだけなら簡単にできるって??
確かにそうかもしれないけれど、
でも、ここで理想論を書くことで、自分への戒めというか、
歯医者のプロとしての良心をいつも心に持ち続けるためのよい原動力になっているのは間違いありません。。。
そう!
ここに書くことは、歯医者としての私の為にもなっているのです
だからこそ、どんな患者さんにも、自分の歯医者という良心に正直に、
自分だったらこうされたい!
と思うような治療のみをいつも心掛けていたい
そう書いて締めくくりたいと思います
Love & Protect Your Teeth