その歯科検診、本当に安心できる? | シンガポールで歯医者さん Dr.Yumiko's Journal 

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歯の美と健康の秘訣を知ってもらうための、歯医者が率直に綴るブログ❤︎ 2009年1月よりシンガポール
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その歯科検診、本当に安心できる?

なぜこのタイトルになったかというと、、、

隠れ虫歯!!

しかも、かなり進行した大きな虫歯

をお目にかかることが、

最近立て続けに多かったから。。。


そのうちどれもが、

「6か月前に日本で検診を受けた時には、
虫歯なんて指摘されなかったのに…。」


といったものだったから、それにはちょっと驚き。


大きな虫歯は、6か月やそこらで一気に進行するわけでは決してありません。
長い年月を経て、じわじわと大きくなっていくのですから。

もし、6か月前に検診時に虫歯はないと言われたのなら、
それは明らかに、その当時見落とされた可能性が高いですよね。

とはいっても、
シンガポールにお住まいの方で、
日本帰国時にかかりつけ歯医者に定期的に診てもらっているそのほとんどの方たちは
そういうことなくちゃんと診てもらっているのでしょうし、

また、たまたま私のところに痛みが出たなどで、
急遽駆け込みで来院される方が重なったというせいで、
私がそう強く受け止めたというのもあるのでしょう。


でも!!
何も知らない患者さんたちにしてみれば、
歯の見落としなんて、
やっぱり絶対にあってはならないこと。



でもね、実は隠れ虫歯って、
意外と本当に発見されにくい
のです。

よほど時間をかけて丁寧に診てもらったりしないと、
見落とされる危険性をはらんでいるのです。
パパッと流れ作業的に口の中をざっと見まわしただけで、
「はい、虫歯はありません」
と断言されるのは、まったく信用になりません。
しかも、レントゲン撮影せずに、そう断言してしまうのは言語道断!!


では以下やじるし
最低限、このような隠れ虫歯を見落とされないために大切なこと
をリストアップしておきますので参考にしてください。


1.検診時にあなたの歯医者は、どの程度?どのくらい?時間をかけて、
真剣にあなたのお口の中を隅々まで観察してくれていますか?


日本の保険診療にありがちな、先生があなたのお口の中を見たのはほんの1分足らず、というのは信用なりません。


2.虫歯はないと断言する前に、歯のクリーニングは済ませていますか?

磨き残し(プラーク)や歯石がべっとりと付着している状態では、隠れ虫歯を見落としがちです。検診時には、先にクリーニングをしてもらってから虫歯のチェックの順序です。


3.1年に最低1回は、絶対にレントゲン撮影を行って、歯医者によく読影してもらいましょう。

また、そのレントゲンは、個々の歯がより鮮明に写る、デンタルレントゲンというものでしたか?
全体が写るパノラマレントゲンは、場所によっては鮮明に写らないことがあるので、それだけでは安心できません。




6か月前には日本で検診を受けたという方の、
上一番奥の歯の根元に、こんなに大きな虫歯が…、。

 この方、歯間ブラシも毎日欠かさず入れているのに…なぜ?と仰っていましたが、
「入れてる」のと「汚れが取れている」のは全く別の事。

 
そしてこちら↓の方も、
6か月前の健診では虫歯を指摘されなかったということでしたが、
数日前より突然痛みを催してきたので、
やむなくシンガポールで初めて歯医者の門戸を叩いた結果、、、

 またもやこんな大きな隠れ虫歯が‼
上の方とまたしても同じ場所。つまり、上2本の大臼歯の間。
ほ~んと、隠れ虫歯になりやすいんですよね、上大臼歯の歯と歯の間。

悲しいことに、痛いという自覚症状を認めてからの虫歯治療は、
神経の治療(抜髄・根管治療)を余儀なくされることが多いのです

この方は、結局抜髄。

上一番奥の歯の根管治療は、
歯医者の高度な技術と根気を必要とする、むちゃくちゃも難関な治療。
これを苦手とする歯医者は意外と多いはず。

この方の根管治療もむっちゃくちゃ難しかった~
ま、でも私は、案外昔から根管治療、結構得意なんですけれどね…てへ 

しかも、この歯の根管治療を日本の普通の保険診療でパパ~ッとされるとなると、
それが確かな治療である保証はほんの一握りかも。。。
現に私もこれが元で、若い時にこの歯を失っていますから

また、しっかり根管治療をなされたとしても、
歯は根管治療後には、右側の写真のように、
ど真ん中を大きく削られて、こんな大穴が開いてしまう羽目に。。。
歯が可哀想ですよね。



以上です。

というわけで、皆様、
上のリストを参考にしながら、
是非、次回の検診、はたして信用できるものかどうか?
よ~く考察してみてくださいね。
どれもこれも、あたな自身の歯の健康の為ですから。

私も、自分の患者さんの検診には、もれなく隅々まで、
目を光らせて虫歯発見に努めたいとおもいます



では~ 


 
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