http://www.youtube.com/watch?v=8xwA7-yRJJw
海岸から約100mのところに、スーパーサカモトがある。
その駐車場に隣接する一軒家。築40~50年は経っている。
道路に向き合った門をくぐると、庭が長く続いている。
左には、庭用の水道。
右には建物があり、手前には台所。4畳半くらいか。
その隣は6畳の茶の間、その奥には8畳の座敷という作り。
合宿所に着くと、すでに2年の先輩が合宿所の戸を外し空気の入れ替えをしている。
清水さんだ。数学科2年。でも留年しているから実際は一年。
ヨット部では留年はないから2年扱い。
「お~よくきたな、まずは、上がって荷物を置いて、あとは掃除をしてくれ」
掃除をしたこともない武は、清水さんと一緒になり合宿所の掃除にとりかかる。
ふすま、引き戸、合宿には必要ないので、合計18畳の広い空間が生まれる。
風もスルーで流れる。
オフシーズンの間、ヨットは千葉の艇庫に置いてある。
合宿が始まると、艇庫から合宿所に船が運ばれる。いや運ぶのだ。
業者は使わず、自分らで運ぶ。それが大学の体育会系。
しばらくすると、2年の島津さんが現れる。
「ちわーっす!」
「おー島津、久しぶりー」
東京の校舎と千葉の校舎があるので、普段は合わないのだが、
合宿で再開する。
「ちわーっす、ちーっす、ちわっ!」次々に、新人、2年が現れる。
陸送の受取側のメンツ。
千葉の艇庫から、トラックにヨットを積む部隊、運ぶ部隊、下ろす部隊に
別れる。
こちらは、下ろす部隊。ついでに合宿所の準備、掃除をする。
トラックがつくまでの間、海に行ってみる。
歩いて100m。
近づくにつれ、磯の香りが濃くなる。
地面と平行に海岸線がまっ平らに続く。
左に桟橋。海は青い。波は静か、風は凪。
小さく潮騒が聞こえる。
引いてはザザーンと静かに。
海に入ってみた。
遠浅。かなり、50mくらいいっても深くならない。
日本海側の海は、遠浅の反対、近深、すぐに3mくらいの深さになるから
おちおち海水浴もできない。
トラックが着いた。4トン半のトラックに3杯のヨット。
「おー清水、下ろせ」3年の坂本さんだ。
海岸に3バイのヨットを下ろす。
「いっせーのーせっ!」掛け声も関東風。
「湯村はまだか?」
「はい、まだ来てないです。」
「俺より先に出たはずなんだけどな」
坂本さん達は、そのまま、また千葉の校舎に戻って、2回目の陸送にかかる。
470が3杯、スナイプが3杯、練習艇が2杯、本部船が1杯だから、2往復しないと
全部が運びきれない。
「じゃー、帰りは島津運転たのむ、俺は寝るからな」