シートは思ったより広く、しかもボックス席だ。
車内はガラガラなので、4席全て使って、長丁場の基地にしよう。
このおじさんみたいに。

ブダペストを抜けると、そこはもうハンガリーの広大な田園。
人生で何度目かの地平線をみた。
しばらくすると、列車がドナウ川に添い始める。
目の前に流れるドナウ川は自然と一体化した姿で、それは護岸を固められ、都市と調和したブダペストのそれとは違うものだった。
昔に観た映画、リバーランズスルーイットそのものだ。
ブダペストで別れを告げたドナウ川に、また会えた。
本にも写真にも描かれていなかった、本来の姿で。
その後もハンガリーの大地が見せる、壮大なショーは続く。
何時間走っても続く広大な田園は、写真で見るヨーロッパの田舎の素朴な風景そのものだった。
点在する三角屋根の家々は、土地が広いからか平屋が多く、動物を飼い、地面を耕している人の姿がみえた。
時折通り過ぎるこじんまりとした街は、ミニチュア模型のようにかわいい。
移動を列車にしたのは、まさにこれが見たかったからなのだけれど、想像以上だった。
新芽さえでていない時期でこれなのだから、初夏はどれほどだろう。
夏は、秋は、想像がふくらむ。
とはいえ、7時間半の長丁場をただ景色だけ見ていたわけではなく、お供の本は森見登美彦の『四畳半神話大系』。
アニメはとんでもない傑作だけれど、原作もまた同様。
ハンガリーの大自然と、四畳半の間を行き来し、時々地球の歩き方をはさんでいると、もう外が暗い。
いい具合に混み始め、高校生くらいの男子集団がやたらうるさい。
年齢にくらべて幼く、何が楽しいのかブタの鳴き真似をして、キャッキャと喜んでいる。
こんなんで愛するハンガリーを任せられるのかと心配になったけれど、もうチェコに入っていた。



実際は写真の100倍いいです。
プラハ到着は21時。
ブダペストより大分大きく、ツーリストも多そうだ。
ホテルの前は、旧市街広場という観光スポットで、12時を過ぎても人だかりが絶えない。。

軽くチェコビールを飲んで、ホテルに戻る。
明日は、少し遅くまで寝ていようか。