奈良原一高写真展 | 進藤祐光の多事争論

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世の中を見つめるカメラになりたい



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長崎県立美術館にて開催中の奈良原一高写真展は氏の全集の写真展でした。

僕が高校2年生の時に福岡県美術展にて「博多んもんの青春」というタイトルでパンクの先輩を大濠公園で撮った写真で賞をいただいた時の審査されたのが奈良原一高さんでした。

当時はとにかく身の回りの友達を撮る。親父に見せる。セレクトされた写真を指定されたコンペに出品する。
結果に一喜一憂するという日々でした。

初めて賞をいただいた時の審査員とはどんな写真を撮る人なんだ?と写真集を探して観た時の衝撃。

消滅した時間という写真集だった。

兎に角理屈抜きで凄い!と唸った。
タイトルの意味を探し、被写体との距離を自分がレンズになった気持ちで同じ場所にたったのごとく妄想した。

17才で初めてアメリカの広大な大地に憧れたきっかけだ。

当時、奈良原さんの写真集を教科書のようにみた記憶がある。

美術館には初期から晩年までのオリジナルプリントがびっしり掛けてあった。

軍艦島シリーズは本当に人の営みがあった事さえ知らなかったのだが、そこに暮らす人々の生がストレートに写し出されていた。
修道院シリーズも初めてオリジナルをみた。

全てを言葉にするのは難しく、是非体感してほしい写真展だ。

僕自身、その年その年代で見えた、もしくは見たいもしくは言葉にはできないがそれを超える写真をカメラという機械を使い写真にしてみたい。

何がそう感じるのかはわからないが、ゼロからのスタートをきった2013。

疼く衝動を形にしたい。

なんなんだ?この得体のしれない力は。