数回に分けて、不妊に関するお話を
していきたいと思います。
なかなかお子さんを授からない方が、
「子供は?どうするの?」
「早く産んだ方がいいよ」
という、周囲からの言葉かけを、
苦痛に感じたり、プレッシャーを感じたりする事、
とても多いですよね。
ご両親や、友人、職場の仲間、
顧客など、言う相手は様々。
大抵は、世間話感覚だったり、
経験によるアドバイスだったり、
「悪意のない」場合がほとんどです。
ですから、怒りを覚えたり、傷ついたりしても、
「はぁ…」と愛想笑いで言葉を飲むことしか出来ず、
ますますストレスを感じてしまいますよね。
不妊に、ストレスは大敵なのに…どうしたらいいの???
とやるせない気持ちになります。
ここから本音トーク。
私の話ですが、結婚してから3年の間に、
「子供は?」という類の言葉を投げかけられたのは、
数百回に及びます。
1日に100人位訪れるクリニックで働いていたので、
患者さんやスタッフとの間の会話で、
身の上話になると、必ずその話に着地するんですよ。
「先生ご結婚は?」と言われ、
「お子さんは?」と言われ、「まだです」というと、
「お仕事があるものね」「まだいらないよね」というお話もあれば、
「早く産んだ方がいい」「どうして作らないの」
「ご両親も楽しみにしてるはず」「国のために最低2人は産むべき」
などと、様々な価値観によるお話を頂いていました。
最初の1年は、あまりに言われ過ぎて、
正直対応がしんどかったです
これが不妊治療を頑張っておられる方なら、
どれほど辛い事だろうと、身に染みて思いました。
さすがにそれが100回の大台を超えたあたりからは、
あまり気にせず流せるようになりました。
それは、子供の話というのは、
「ほかに話すことがないから」
出る話題だと気付いたからです。
また、本当に親しい友人から聞かれた時は、
「色々言われ過ぎてツライ」と
ちゃんと答えることが出来る自分にも気付きました。
どうやら、
「子供に対する私の気持ちを、
わざわざ語るほど親しくない相手からの言葉」
を私は不快に感じていたようなのですね。
ですが、親しくないという事は、相手側としたら、
「結婚していて子供がいない」
というのが私の情報の大部分だということ。
だから、子供の話をするしかないのでは?と気付いたのです。
確かに、デリカシーのない話題には違いないのですが、
そこでの話は、「相手の常識・願望発表会」として聞けばいい!
そう思えた時、少し楽になりました。
「わざわざこちらの気持ちを語るほどの親しさではない」という、
自分を守るための壁を、あえて意識するのです。
そういう考えもあるのかって、参考にして頂ければ幸いです。
傷ついて怒るのが当然だと思っても、自分の身体に返って来ると考えると、
流すテクニックは持っていて損はありませんからね