「北九州音楽シーンでチェックすべき10組」を書いたところまぁまぁ反響(賛否)あって、福岡のまとめも書いてと言われたので選んでみました。どぞ。
■泉まくら
術ノ穴所属のフィメールラッパー。意外と福岡在住ってことは知られてないみたいです。ウィスパー気味のラップをする普通の女の子スタイルが話題を集め、パスピエへの客演そして菅野よう子とのコラボなど活動の幅を広げています。ある程度知名度があるので特別な説明はいらないですかね。
■徳利
インターネットで何らかの音楽情報を収集しているのなら、自らの思い出ツイートを元にラップした「徳利からの手紙」「女の子への手紙」という曲を聞いたことのある人は多いと思います。福岡で冴えない日々を送っていた彼がこの曲をきっかけとして一気に駆け上がった様子はドキュメンタリーを見ているよう。最初はなんだこれはと笑ってしまっても、その不格好ながら真っ直ぐな姿は多くの人の胸を打ち、いつの間にか誰もが徳利という人間に惹かれていきました。福岡から生まれたインターネットヒーローです。
■NF Zessho(ex.絶招)
1993年生まれ、福岡市早良区出身のラッパー/トラックメイカー(Gudamanss名義)。フリーで「092 EP」などのアルバムをリリースした後、Yoshinuma、Pigeondust、Aru-2といった新世代トラックメイカーを招いたデビューアルバムが話題に。ニコニコ動画で活動していたこともあり深い内容をキャッチーに聞かせるスキルが優れていますね。
ラッパーが3名続きましたが、福岡はヒップホップが盛んなことでも有名です。レジェンドなOLIVE OIL大先生やRAMB CAMP、そして現在のヒップホップシーンを掻き回してるKENT BIG MALERも福岡です。親不孝界隈はハードコアなイメージが強くあまり現場には行けていないので、YASAKA IN THE SEA!!のようなキャッチーなラッパーに期待してます。
■Shigge
福岡のレーベルYesterdayOnceMoreの中心人物。トレンドを意識し様々なジャンルを吸収したサウンドで、YOM第1弾としてリリースされた「naughty」はサンプリングしたボーカルを散りばめトラップやフューチャー系ビートなどで括れないジャンルレスな良作でした。YOMのBandcampで公開されているアルバムは全てフリーなのでぜひ。
■Paraele Stripes
THISTIME RECORDS所属のエレクトロダンスロックバンド。歌モノエレクトロニカからダンスロックまで幅の広いサウンドながらライブではひたすらアグレッシブ。個人的に福岡じゃ一番ライブを観てるバンドで、自主企画にBlood Thirsty ButchersやSawagiを招くなど精力的に活動を行っていましたが最近はマイペース。とはいえコンスタントに音源はリリースしているのでもっとライブやって下さい。
■Step Lightly
博多のBAD BRAINS(初耳)。スラッシーなハードコア・パンクにレゲエ/ダブ要素を取り入れたオリジナリティある音楽性を武器に福岡アンダーグラウンドシーンを支え続けているバンド。先日THRASH ON LIFE RECORDSより7インチヴァイナルをリリース。ボーカルのSHOWYはクラブ兼ライブハウスKIETH FLACKの店長としても有名ですね、いいハコです。
■Jennifer Isolation
オルタナティブミクスチャーロックバンド。タイムスリップしたかと思うほどに90年代オルタナからの影響を感じさせる、所謂ディストーションギターが入る前のダンサブルなミクスチャーサウンドですかね。様々な要素をクロスオーバーさせつつもどこか泥臭さは捨てていないだけに福岡の小さなライブハウスがよく似合います。似たようなバンドが少ないため対バン相手を選ばない実力派バンドです。
■Glad You're Gone
平均年齢18歳(今は19歳くらいかな)のポストハードコアバンド。突如フリーで「Hopeless Heart」をリリースし、その年齢に似合わないストリングスを多用したスケール感のあるサウンドが話題となりました。今年の3月に活動開始したばかりですが先日Forgivsとのスプリットもリリースし、これからライブでの表現などが磨かれれば福岡のラウドロックシーンを牽引する存在になるのではないかと思います。
■Kalan Ya Heidi
Dead Funny Records所属、ライブ未満宅録以上の男女何人かのソングライティングプロジェクト。感情を抑えた女子ボーカル2人を中心に据え、USインディーやフォークに童謡など様々な要素を詰め込み、絵本の中から飛び出したような不思議な空気を漂わせます。彼らも今年の1月に初ライブをしたばかりと結成間もないのでこれからの活動が楽しみですね。
このDead Funny Recordsは熊本のtalk、北九州のAbyssal、福岡のHearsaysやasoboysも所属していて、Ano(t)raksと並んで国内インディーシーンの重要レーベルだと思っているのでぜひ。
■IRIKO
久留米の至宝。福岡出身のNUMBER GIRLやMO'SOME TONEBENDERらに影響を受けた泥くさい日本語ロック。変拍子を使ったテクニカルな展開を入れつつも軸となるのはノスタルジックさを熱量で表現するような歌声。何も新しいことをやってる訳じゃないけれど、いつ聞いてもどこか懐かしさを感じさせるこういうバンドこそ誰かの人生を変える力を持っているし、IRIKOは絶対もっと多くの人に知られなきゃダメなバンドです。
という10組。今回は福岡在住に絞ったんですけど、福岡は上京組も良いバンドめっちゃいます(HO17、BAND A、LILI LIMIT、黒木渚などなど)。
あと上であがってないジャンルだと、メロディック(S.M.N.、THE FOREVER YOUNG)、ハードコア(BROKEN RUST、STARTER)、ポストロック(マクマナマン、徒然なりにし天雲)などなど良いバンドたくさんいるんですが、福岡在住で全国的に知名度のあるバンドはそんなにいないと思います。彼女 in the displayがワンマンでBEAT STATION(キャパ350くらい)を埋めたんですが、バンドだとそれが今のトップレベルだと思います。それも寂しいのでワンマンでDRUM LOGOSを埋められるくらいのバンドが出てきて欲しいですね。
福岡はまだ行けてないところばかりで、MILLSとかgate's界隈も行ったことないのでクラブ攻めたいですね。CLUB BASEに一度も行けなかったのが残念。
そんな感じで。時代はまとめ記事だと思っていくつか書いたんですがネタ切れてきたのでネタ提供よろしくお願いします。

[Japan,Metalcore/Hardcore]
01.Ups & Downs
02.Beloved
03.Mahakala
04.See This Through
05.Rollin’
06.The Fire Inside
07.Cubes
まさに"WE ARE NOT FUCKIN' DEAD"という言葉の通りだ。2002年結成、数々の海外バンドと共演を重ね着実にキャリアを重ねていた彼らをボーカルとドラムの脱退という存続の危機が襲った。しかしRyo(ex.INFECTION)と田浦楽(ex.NOCTURNAL BLOODLUST)を新たに加え再びシーンの中心へと舞い戻り、そして今国内メタルコアシーンの頂点へと登り詰めようとしている。
シンプルにヘヴィに全て漢気で押し通したような、メタルコアもハードコアも若い世代もベテランもそして00年代も10年代も、その全てを丸ごと背負うかのような素晴らしいEPを届けてくれた。
CROSSFAITHのKOIEをフィーチャーした「Beloved」とNUMBのSENTAをフィーチャーしたLIMPBIZKITのカバー「Rollin'」なんて人選は、幅広い世代から支持を得ている彼らだからこそ。
ライブを意識したひたすらアグレッシブなリード曲「Ups & Downs」、前作収録の「See This Through」アコースティック、ニューメタルやジェントな要素を取り入れた新境地の「Mahakara」、そして国内メタルコアで一番有名なシンガロングパートと言っても過言ではない「The Fire Inside」を詰め込んだ、新生Crystal Lakeの集大成的EPだ。
いわゆる音楽好きからもハードコア界隈やメタル界隈からも総シカト状態のメタルコアにようやく誰もが認めざるを得ない存在が最前線に帰ってきた。有言実行とはこのことか。存続の危機から蘇り頂点へと登り詰める彼らの姿は「The Fire Inside」で歌われている内容そのまま。誇張でもなんでもない、これはCrystal Lakeの"REVOLUTION"でしょ。

[Japan,PostHardcore]
01.Vessels / Glad You're Gone
02.Living Dead / Glad You're Gone
03.The Price of His feat. KYOUTAROU (from Collection of Weaklings) / Forgivs
04.Day to Day / Forgivs
昨今のポストハードコア/メタルコア(所謂ラウド)ブームで福岡にも腐るほどバンドが増えていて、それでも全国的に評価されているのは彼女 in the displayくらいという状況なんですが久しぶりに期待できそうな若手バンドが現れました。
Glad You're Goneは平均年齢18歳(今は19歳くらいかな)という若さに似合わないスケール感のあるポストハードコア。ForgivsはHANNAH HANNAHのメンバーによる新バンドで、シンセと男女ボーカルを活かしたエレクトロコア。
京都叙情系社畜コアJustice For Reasonのやんちさんにdigられ、話題のIsolutionsとも先日共演し期待の若手として注目されている両者によるスプリットEPです。
GYGはフリーで配信されている「Hopeless Heart」がものすごいクオリティだったので期待していましたが、本当に今後の福岡のシーンを牽引していく存在になるのではと予感させます。ストリングスを多用した北欧メタル(最近はRiseっぽいと言うのかな)のようなスケール感にデスコアばりのシャウト。クリーンは少しパンチが弱いかなと思いましたが、ポストハードコアというよりはV系のような声質でこれも他のバンドにはない武器だなと。
Forgivsはフロアを意識し男女ツインボーカルの強みを押し出した展開が良いですね。ハンナハンナのときから感じさせていた特殊なシンセの使い方も「The Price of His」で出てて安心しました。
レコ発初日のスタジオライブに行きましたが、クオリティの高い音源に負けず劣らずなライブで安心しました。2バンドぶっ続けで叩いていた高校生ドラマーレイナレイナちゃんタフだなー。もっとライブならではの表現というのも磨いていけばより良いバンドになる気がします。
その日限定で配布された「Hopeless Heart ft Forgivs」がレア化して高値で取引されるのを期待しているのでそれくらい大きなバンドになって欲しいですね。あとForgivsりゅーじんさんはParaele Stripesのライブももっとやって下さい。