今後、毎日仕事で接していたウイスキーから離れる。もうバーのエピソードを語れない。『マスター・オブ・ウイスキー漂流記』の悲しい結末。このブログまでやめてしまったら私はどうなってしまうのか。再びダークサイド転落は目に見える。私って脆いなぁ。

 24年前のバーテンダー新人時代を振り返る。思えば私は誰よりも覚えが悪くて不器用だった。今も本質は変わらないが。いつも先天性の脳の病のせいかと疑うが、関係ないらしい。2000年当時、私は王冠を開けることが出来ず、瓶ビールを何本も無駄にした。何度やっても瓶を倒して中身が零れる。だから、毎晩王冠を開ける特訓をした。途中で嫌になって、歯で開けようか真剣に悩んだことがある。歯で開けられる様になっていれば、宴会芸が身に付いたのに。惜しいことをした。

 溢れるバーの思い出。過去の栄光にすがって生きていくとは、みっともないことこの上ない。でも栄光というか、失敗談しか浮かばない。まさにみっともないことこの上ない珍エピソード集。きっと皆さん自分に自信が持てるはず。酒への冒涜だ、なんて野暮なことは言わないように。