昨日はネヴィル・ブロディと佐藤可士和のトークを聴きに
飯田橋のブリティッシュ・カウンシルへ。
ネヴィル・ブロディさんは、
雑誌『The Face』や『Arena』のアートディレクションや、
デザイン書『Fuse』の創刊を手がけたアートディレクター/デザイナー。
「Indutria」等のフォントをデザインしたことでも知られてるヒト。
佐藤可士和さんは、
たぶん今もっとも有名な
アート/クリエイティブディレクターでしょう。
Smapや、HondaのStep WGN等のアートワークを手がけ、
最近ではユニクロNY、UK等のクリエイティブディレクションや
国立新美術館のVI、ふじようちえんのRNにも携わってます。
今回は、まずお互いが携わったプロジェクトのプレゼンに始まり、
2人の対談→会場からの質問に答える→という形式。
同時通訳付きなのが嬉しい。
ネヴィルさん自らプレゼンしたプロジェクトには
KenzoのFlowerシリーズや
Issey MiyakeのTribeca店など色々あったけど、
一番面白かったのはあの『THE TIMES』紙のリニューアル。
クライアントからは、
「たしかに変わったけどそう思わせないデザインにしてほしい」
というオーダーがあったとかで、
「それってシャシーが同じなのに運転した感覚がまったく違う車を作れ
って言われてるようなものだよね」と苦笑してました。
彼が具体的にやったのは、
ドラマを表現できるコントラストのついた
読みやすいフォントに変えたこと。
そして、見出しにもネット用語を取り入れたり、
You Tubeのように写真をグリッドで仕切って見せる手法を使ったりと、
アナログベースでありながら、
デジタルに(素早く柔軟に)知識を得られるよう工夫をしたそうです。
第一面のテンプレート1つとっても、
かなり多様なものを準備したとか。
あのオーセンティックな雰囲気を残しながらの
リニューアルは相当大変だったはず。
可士和さんのプレゼンは、自らの会社『サムライ』のHPから。
このHP、今まで手がけたプロジェクトの中の
主要な色を自動検出するソフトを使っているようです。
今回はユニクロとふじようちえんの2つに絞って話をしていました。
ユニクロの海外進出は、
日本同様のチェーン店戦略で1度失敗したこともあり、
2度目は日本のブランドとしてのアイデンティティをはっきりさせた
ブランド戦略を徹底したそうです。
その象徴が、カタカナのロゴ(=ジャパニーズポップカルチャー)。
柳井社長の「服は服装の部品だ」という信念が、
クリエイティブディレクションを考える上での大きなヒントになったとか。
それを感覚的に理解してもらうためにも
街頭コミュニケーションは、
いかにもパーツっぽい赤×白のロゴから始まり、
豊富なカラーバリエを連想させるロゴのカラー展開へ。
さらにカラーバリエはそのままにロゴがカシミアセーターに変わり、
最後に人間が着る・・・というコミュニケーションを、
半年ほどかけて丁寧に展開したら、
きちんと受け入れられたそうです。
それ以外にも、
NYを走るイエローキャブの車上広告の1/4が
ユニクロになるように半年分買い占めたり、
セントラルパークなどでゲリラ的なコンテナショップをやったりと、
かなり綿密なティザー広告を展開したとか。
その際、Smapのアートワークを街中でやった経験が役に立ったそうな。
立川にあるふじようちえんのプロジェクトも面白かった。
ほとんどの幼稚園が、
遊具を取り除くとどこかわからない四角い箱になってしまう中、
園舎自体を巨大な遊具に見立てたドーナツ型にしたもの。
屋根の上で遊べたり、
教室が可動式だったり、
教室の中に木が生えていたり・・・なんだか楽しそう。
建物のようなハード面だけでなく、
ソフト面でも、園服を辞めてオリジナルTシャツにしたり、
「ふじようちえんフォント」を作っておいて、
先生方が日常的に作成するお知らせ等も作れるようにしたりと、
トータルにディレクションされている。
教育や医療現場など、
デザインの力が十分に及んでいないところで
コミュニケーション全体をディレクションしたい、という
可士和さんの夢がそのままカタチになったプロジェクトでした。
