朝の仕事、家事、LINEのやりとり──
何事もないふりをして過ごしてるけど、
身体の奥には、まだあの夜の熱が残ってる。
さっき、彼から「今日は眠い」ってLINEが来た。
眠いって、あんなにしておいてよく言えるよね…って、
ちょっとだけ笑ってしまった。
でも、そのひと言が嬉しくて。
ちゃんと“あの夜”が、彼の中にも残ってるんだって思った。
いつも通りの会話をしてるのに、
頭の片隅にはずっと、彼の手の感触が残ってる。
好きとか、会いたいとか、
言葉じゃないのに、伝わってくるものがある。
ほんの一瞬でも気を抜くと、
あの夜に引き戻されそうになる。
私はもう、普通の女には戻れないのかもしれない。
あんなふうに、心まで奪われたあとでは──
