『スター・トレック:ピカード』のパトリック・スチュワート | トンデモ・シネマの開祖

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『スター・トレック:ピカード』のパトリック・スチュワート



何事も壁がある。

スター・トレックのシリーズ2作目になる『ジェネレーションズ』の第一話の放送時には「これはスター・トレックではない」と旧シリーズのファンから苦情が殺到した。

しかし、スタッフはプロとして、信念を貫き、そのまま新世代向きのストーリーと良質なクォリティの演出をやり抜いた。
おかげで放送途中からは、反対してたレナード・ニモイなど多くの旧キャストが認めた。

この頃から、新シリーズのファンも増え、旧作を超える人気となり、7シーズンも放送される。(旧作は3シリーズ)

当初の苦情の中でも一番多かったのはピカード船長(パトリック・スチュワート)だった。

因みに前作の主役のカーク船長(ウィリアム・シャトナー)は当時の典型的なアメリカ人で髪の毛もフサフサ、苛ちでワイルド、かなりの女好きで、モテモテという設定だった。

それに対し、ピカード船長は、当時のアメリカでは怠慢を意味するスキンヘッドな上に、名前からもフランス系の子孫を推測されるため、エンタープライズ号を宇宙の幌馬車をイメージしていた旧ファンからは、多様性を嫌う声もあった。
また、ピカードは短気な面はあったが、基本紳士的だった。

当初はカツラを被せたパイロット・バージョンまであったというから、イメージの全く違う船長は最初から意図的なものだろう。

そして、おそらく最後のピカード船長の出番であろう、この『ピカード』シリーズでは80歳になったパトリック・スチュワートが熱演する。

ただ、流石に観ている方が「大丈夫だろうか?」と思うほどのご老体である。

しかし、この役者バカであるパトリック・スチュワートはなんとシーズン3までの契約を2022年に終える。
ドラマ史上珍しい、80歳以上の主役の人気SFドラマを完成させたのだ。

内容も今までのシリーズを集大成した最終回にふさわしい壮大なストーリーと良質な演出で、最後までも1mmも目が離せない。

ただ、シリーズのファン以外には「このキャラは誰やねん?」レベルの者も度々あり、年老いたファンの中には「そんなエピソードあったっけ?」と記憶を辿るのに苦労する『頭の体操』みたいなシーンもあるが、知らなくても、思い出せなくても、大体わかるので、ご安心を。