城南信用金庫「原発に頼らない安心できる社会へ」(リンク) 2011年04月13日23:56
城南信用金庫は東京都品川区に本店を置き、現在都内に55店舗、神奈川県内に30店舗を構える信用金庫です。
その城南信用金庫が、自社サイトのトップページで、下記のようなアナウンスを行っています。

城南信用金庫「原発に頼らない安心できる社会へ」
http://jsbank.co.jp/topic/pdf/genpatu.pdf

短い文章ですが、一読し、仰天しました。「蛮勇」だと思いました。
原発産業は、政界・財界・官界・学界から文壇・芸能界に至るまで、日本そして世界のすみずみにまで根を張った、いわば多国籍産官学複合体の妖怪のような存在になり果てています。とりわけビジネス界で原発推進路線に異を唱えることは、想像を絶する困難が伴います。

城南信用金庫をウィキペディアで調べると、
●設立以来、2001年に京都中央信用金庫が合併して誕生するまで、信用金庫業界内で預金量、貸出金量とも1位を継続。2007年12月現在は預金量、貸出金量とも2位。
●「貸すも親切、貸さぬも親切」という原則に徹し、バブル期において、株式やゴルフ場地の購入などの投機的な資金を貸さなかった事から、バブル崩壊後の金融危機でも健全経営を維持。
●「カードは麻薬」という小原哲学(3代目理事長・小原鉄五郎:筆者註)に基づき、消費者向けのカードローンは、現状では一切扱っていない。クレジット・信販会社とのATM提携も一切行っていない。
●格付機関であるフィッチ・レーティングスによる格付けは、格付開始以来2010年現在まで8年連続して☆☆☆(最高位)。
●日本経済新聞の実施する「日経金融機関ランキング」の「顧客満足度調査」において、「健全性・信頼感」の分野で、第一回、第二回、第三回の3年連続で、全国金融機関の中で第一位。
…と、気骨ある経営姿勢をうかがわせる説明が並んでいます。

本来、経営者の資質とは、利益と損失とを冷静かつ客観的に分析し、合目的的に判断を下すところにあるはずです。しかし、原発ビジネスの病理の中では、損失への検討は極限まで排除されています。このため、建設資材調達コスト(多くの輸入レアメタルが使われており、原発が「国産」エネルギーであるというのはまったくのまやかしです)、発電コスト(発電ロスが多く、送電コストも高くつきます)、廃炉コスト(金額のみならず最終処分の方法論すら確立されていません)が比較考量されないままに、言わば「国策」として原発推進路線が堅持され、そのツケはすべて消費者と将来の世代に回されてきました。日本の消費者は、これまでも世界屈指の高額な電気代を支払わされています。

こうした通常のコストに加え、事故に伴う損失は、算定可能なレベルをはるかに超越しています。どれだけ長期にわたって、福島第一原発の周囲は立ち入り禁止区域になるのでしょうか。そこに暮らしていた人々の命、暮らし、文化、そして、「想い」は…? お金とは、交換可能なものをはかる指標です。事故の損失は、たとえ多額の賠償金が支払われたとしても、決して取り返しのつかないものだと言わざるを得ません。

この「損失」から目をそむけず、勇気ある決断を下した城南信用金庫に、エールを送ります。「私達が地域金 融機関として、今できることはささやかではありますが、省電力、 省エネルギー、そして代替エネルギーの開発利用に少しでも貢献す ることではないかと考えます」という一文には、原発資本という「麻薬」に頼らず、大手都市銀行とは違う道を模索しようとする真摯な姿勢がうかがえます。
この一歩が、次に繋がる可能性を信じたいと思います。

私自身も、近日中に口座を開設するつもりです。

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yuko takahashiさんのmixi転載です。
京都大学原子炉実験所 小出裕章氏に聞く(リンク) 2011年04月12日01:25
小出裕章氏は、私が原発問題を勉強した学生時代によく論文を拝読した科学者です。下記の動画における見解も示唆に富んでおり、私の想定しているシナリオに非常に近いものです。
水蒸気爆発の危険性、メルトダウンの可能性、再臨界を疑わせる兆候(クロル38の検出、ヨウ素131が8日の半減期にもかかわらず一向に減少しないこと、など)、プルトニウムの福島原発敷地内からの検出、等々の現象についても、冷静な分析が示されています。原発の稼働率を無理矢理上げてきた実態や、異常なほど高コストな実情も、具体的な数字を上げて判りやすく説明されています。
1時間半近い長さですので、お時間があるときにご覧いただければ幸いです。

http://www.ustream.tv/recorded/13897618
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yuko takahashiさんのmixi転載です。
小さな選択 2011年04月09日17:06
昨日、日本赤十字会・中央共同募金会に集められた義援金(7日時点で計約1,336億円)の配分について話し合う「配分割合決定委員会」が 厚生労働省で開かれ、第1次配分基準が決定しました。
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011040800659 ほか。

震災発生から、ほぼ1ヶ月が経過しています。金額の多寡はさておき、あまりに遅いと感じるのは、おそらく私だけではないでしょう。配分にともなう実務は、自らも被災している各地方自治体が担うことになります。一人ひとりの手許に渡るのは、さらに先になる見込みです。

震災直後、私自身も日本赤十字社に義援金を送り、東京都の救援物資募集窓口に物資を送りました。でも、被災地の人がいま必要としているのは、本当にこれなんだろうか?という戸惑いがあったことは否めません。食品も毛布も受け付けられず、一方コンタクトレンズの溶剤(もちろん必要であることは否定しませんが)が受付品目に入るなど、報道で伝えられる被災地の実情とは相当のギャップがありました。やがて、いわゆるボトルネック現象(仕分けが追いつかず物資輸送が停滞すること)やミスマッチ(被災地におけるニーズとのギャップ)が伝えられ、東京都では救援物資の受付が一時ストップしました。

巨大な一極集中システムが機能不全に陥るとき、最も苦しみを強いられるのは裾野にいる人々です。
言いかえれば、小規模分散型ネットワークによるすぐれた機動力・現実対応能力に気づかされるのは、こうした集権的システムがダウンしたときだと言えるでしょう。

ほんの一例ですが、下記の救援物資受付情報は、実にきめ細かく、リアルタイムで被災地のニーズを伝えてくれます。自らも被災しながら、協力して困難に立ち向かう人々の営為によって動いている、小さな、しかし確実に被災者に届く支援活動です。

■ふんばろう南三陸+石巻雄勝プロジェクト
http://sakananomiura.blog.fc2.com/

■横田智史のオフィシャルブログ
http://ameblo.jp/kando-egao0915/

■日本ユニバ物資受付
http://www.npo-uniken.org/shinsai_busshi.html

私も3日ほど前、靴5足、傘2本、レインコート12着、靴下30足、サインペン10本を送りました。家にあったものだけでは足りないので、100円ショップでも買い足しました。かご一杯の靴下やコートを見て、救援物資だと判ったのでしょうか、店員さんたちは、みなとても親切に対応してくれました。現地での仕分けの手間を省くため、アイテム別に箱を分けたりサイズ別に束ねたりして上にラベルを貼り、同梱品一覧表を添付しました。
宛先は仙台。コンビニではまだ配送引受停止地域ですが、たまたまヤマト運輸の集荷の方が立ち寄る時間と重なり、受け付けてくれました(通常は電話等による集荷手配または営業所持ち込みによる受付となります)。
翌日には先方から、短いながら定型文ではない、心のこもったメールが届きました。「また甘えてしまうかもしれませんが何卒よろしくお願いします」と。

この間、震災や原発のニュースを追ううち、「地方」に依存し甘えている首都圏のあり方が、改めて浮かび上がってきました。
野菜、魚介類、加工食品、乳製品からペットボトルのキャップに至るまで、品薄が伝えられる消費材はみな、地方で作られ首都圏を支えてきたものばかりです。
言い添えれば、東京電力の原発17基(福島第一1~6号機、福島第二1~4号機、柏崎刈羽1~7号機)は、すべて東京電力管区外につくられています。

何かが間違っている…と思っていても、巨大な集中システムから個人が完全に離脱するのは至難の業です。システムダウンが、そのまま生活の破綻や生命の危機に繋がるリスクを常に孕みながら、私たちの社会は綱渡りを続けています。

しかし、志のある人々がいま被災した各地で作り上げつつある有機的なネットワークシステムは、実際的・具体的であるだけでなく、オルタナティブな可能性を秘めていると感じます。
むろん、活動の中心となる人々にかかる負荷は大きく、無理に無理を重ねている彼ら/彼女らのコンディションはとても心配です。
ただ、このシステムの良さは「選手交代」ができること、そして可能な範囲で私たち一人ひとりが参加を決定できる点にあります。
私も、毎日支援物資を送り続けるだけの経済的余裕はありませんが、できるだけ長期にわたって、必要なものを送り届けたいと考えています。

1ヶ月前には見えなかったさまざまなものが、私たちの目の前に姿を現しています。後の世代に問われる選択を、いま/ここで私たちは経験している、そんな気がしています。
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yuko takahashiのmixi転載です。