1番ホールのティーショットをいきなりダフってのスタート。
思えば、この1打目がコンペの全てを象徴していたように思う。
1番ホールを、今まで一度も叩いた事のないダブルボギー。
ただ、今回に限ってはスコアどうこうよりも、
とにかく迷惑をかけないよう、
進行の妨げにならないよう、それを第一に考えていた。
と言っても自分にできた事は、グリーンフラッグの抜き差しくらい。
80の年輩者にフラッグの作業を任せるわけにはいかない。
月例のメンバーは皆さん常連のようで、
私がアテストした方は、このコースへもう20年通っているそうだ。
「昔は山(本コース)にも行っとったんやが、仲間は皆死んでしもうての。」
そういう事をあっさり言ってしまえるのは、すごいなと思った。
この方々にとって、死はもう身近な存在。
戦争を経験し、私の倍生きてきた人達の言葉は、
がははと笑いながらしゃべるのだが、私にはその一言一言が重い。
さて、2番ホール。135ヤードパー3。
ここの攻略は、SWでのフックショット。
グリーン左はバンカーのため、右から攻める。
グリーン右端に狙いを定め、ボールは右足寄り。
打ったショットは良い感触。
同伴者達からも、ナイスショットの声をいただく。
しかし、グリーンへダイレクトに落ちたボールはコロコロ止まらず、
グリーンをオーバーし奥のラフへ。
「ええ球打つなー兄ちゃん、クラブ何番や?」
SWですと答えると、マジかいなと驚いていたが、
「奥からの戻しはムズいで~」・・・おっしゃる通りです。
それにしても、同伴者の3名とも、
(失礼だが)見た目に反して非常に上手い。
「この前アキレス腱をやってもうてなあ~」と言うお方は、
歩くのも、カップからボールを取り出すのも大変そうなのだが、
ダイナミックなスイングで、アイアンは150ヤード以上飛ばす。
別の方は、弱々しいスイングで、使うクラブも女性用の5U。
これできっちり100ヤード飛ぶんやとの言葉通り、
正に精密機械。
なんぼ飛ばしたってしゃーないんやで、と言われているかのようだ。
やはり、この世界にも妖怪達がいたか(笑)。
野球の世界にもいた。
もう走れないのに、球種の読みでヒットを量産する妖怪や、
足は動かないが、クラブ裁きが超人的な妖怪。
釣りの世界にもいた。
同じ場所で釣っているのに、同じ仕掛けで釣っているのに、
なぜか一人だけ爆釣する妖怪や、
満腹状態では釣りたいという欲求を無くしてしまうからと、
朝から飲まず食わずでひたすら海に向かう妖怪。
そんな人達を私は、尊敬の意味を込めて妖怪と呼んでいる。
このショートコースでも妖怪達が、
私にはなかなか取れないパーを量産している。
(つづく)