「すごい…確かに言われてみればそうかもしれないね。」

『だろ?
俺だっていつこの仕事クビにさせられるかわからない。

まだ子供も小さいし、家族のために働かなきゃいけないしな。

父さん頑張らなきゃだよ。』









え…

こども?

かぞく?

おとうさん…

言ってることがわからなかった。

結婚…してたの?

だって、指輪してないよ?

よくわからない。

うそだよね?
『俺?俺だったら受けさせるな。
自分のお金を犠牲にする。
子供の方将来の方が大切だもん。

それに子供は親を絶対に越せないよ。
恩返ししてもしきれないでしょ。
だから自分の子供に今度は親がしてきてくれたこと以上に愛情注ぐんだよ。』


すごく納得。

先生は説得力がある。

でもそれは本当だと思った。

『そっか、大変だったんだな…
もっと早く言ってくれればよかったのに…』

「家のことは言いたくなかった。」

『まぁ、俺は家庭の問題には口出せないけどな。』

「でしょ?
結局は私の問題だもん。」

『でももうここまで来たんだよ。
受験しないの?
受験はさせてもらえるって言ったんだろ?』

「うん、それは言ってくれたけど、その先が心配なの。」

『うーん…
でもまだわからないだろ?
とりあえず今は走り続けにさい。
全力疾走してるのに、ゴール手前で止まってどうする。
受けなきゃもったいない。
受かって親孝行してあげなさい。

まず受けなきゃ意味ない。』

先生の言いたいことよくわかるよ。

受かるのは先生にとっても恩返しだもんね。

せっかく家計は厳しいものの受けさせてくれるんだから、ありがたいよね。

「先生が同じ立場だったらどうする?」