『あ、ごめんね。
もっと話聞いてあげたいんだけど次の校舎に移動しなきゃいけないんだ。』

「ごめんね、先生。
話聞いてくれてありがとう。」

『受験終わったらまた相談のってあげるからね。
その時ゆっくり聞くよ。』

「ありがとう…」

『あとケータイまだ借りてていい?
まだ行けてないんだ。
本当ごめんな』

「全然いいよ。
先生が忙しいのわかってるから。」

『年明けの講習出るでしょ?』

「うん。」

『じゃあその時までに。』

「うん。」

『あんまり考えすぎるなよ。
頑張れよ。』

「うん。ありがとう先生。」

『じゃあな。』


冬期講習が終わった。

頭の中は混乱していた。

先生は鞄の中から小さい紙袋を出した。

『はい。』

「何これ?」

『今日は何の日?』

「今日は…あ、24日…
クリスマスだ。」

『せーかい。それ、プレゼント。
約束してただろ?』

「あ、ありがとう…」

あの時のこと覚えててくれたんだね。

開けてみたら、
お守りが入っていた。

「先生、これ…」

『昨日買ってきたんだよ。』

「忙しいのに…
ありがとう…」

『受かってほしいからさ。
頑張れよ。』

正直、クリスマスなんてこと忘れてた。

小さいお守りだけど私にとっては1番うれしいプレゼントだよ。


でも素直に喜べない私…

先生はまだ話をしていたけど、何にも頭に入ってこなかった。

自分だけ時間が止まってしまったかのようだった。

頭の中にはさっきのフレーズが永遠とフラッシュバックしていた。


全然理解できなかった。


どうして?

なんで気づかなかったんだろ…

隠してたわけじゃないし、私も気にしてなかった。

結婚してるオーラなかったよ?

何かの間違えだよね。

現実を受け入れたくない。

自分に言いきかせた。