淳はトオルを久々に見た。
淳は歩きながら電話を掛けた。
『どこへ行くの?』
『もうすぐ家なんだけど。』
『車乗ってただろ?』
『駅で降ろしてもらった。』
『誰の車に乗ってたのか分かってるのか?』
『マリちゃんの友達・・・?っぽい人』
『マリの友達だぁ?』
『怒らないでよ。ごめんね。さっき始めて会って、マリちゃん送ってくついでに乗せてもらったの。誰なのあの人?』
『3代目SCREAMだよ。蓮見トオルだ。いちいち車停めやがって。』
『そうそう蓮見ですって言ってた。淳のこと知らない風だったし・・・。』
『ポーズだっつーの。別に強制はしないが、あまり近づかない方が無難な相手だからな。それだけは言っておく。由香にもマリにも伝えろよ、ちゃんと。』
『はい。あ、あとさ、この前の文庫本、私ちゃんと返したよね?』
『うん。なんでだ?』
『蓮見さんの車で同じ本を見たから・・・。』
『ちゃんと家にあるぞ、確か。お前の読んだし。どうもいつもありがとう。』
『とんでもない。』
『俺、いつも適当な紙ばっかでゴメンナ。お前のは凝ってるから、悪いなとは思ってるんだけど。』
『返事くんないよりましよ。』
『メールならなぁ・・・』
『嘘だね。メールは1回ぐらいしか返してくれないじゃん。一日一回とかじゃ、メールしてる内に入らないもん。だから丁寧に手紙書いてるんだもん。手紙の方が返事くれそうだし、1回でも満足できるし。』
『はいよ。ごめんよ。俺はメールの方が得意なんだけどな。まぁでも貰って嬉しいのは手紙かな。ということで、これからもよろしく。』
『はい。ちゃんと挟んで渡すね。今度はCDにしようかな。』
『別に挟まなくてもいいよ。』
『だってバレたら大変だもん。あのね、ヤバイことに由香ちゃんが淳のこと好きみたいなの。』
『まじで?やったぜ。』
『冗談じゃなくて! どうしようかなと思って・・・。』
淳の表情が変わった。
『どうにもならないだろ。分かった。俺が調子に乗っていたのかもしれない。俺はお前に100%の愛情を注ぐ。そうすればおのずと、俺はお前以外からは嫌われていくよ。ってか元々そういうタイプだから、俺。基本、ずっとそうやって来た。』
『知ってる・・・ってか噂では聞いたことある。でもそれじゃ、気まずくなるから止めて欲しい。』
『だな。じゃ、俺が2人を面倒みるかな。ということで頑張って。そのうち一つに絞るんで。』
『そんな言い方なくない?』
『調子に乗って、俺はお前の物だって決め付けんなよ。俺は面倒くさい恋愛なんて金輪際したくないだよ。』
『調子に乗ってるのはアンタでしょ。面倒くさいって・・・。面倒くさく無い恋愛なんてあるの?信じられない。だったら私が誰の車に乗ろうと勝手でしょ。それに、アンタから告白したんじゃん。』
『俺はママゴトみたいな付き合い方なんて今更したくないんだよ。それだけだよ。言い過ぎたよ。ただ、俺だって一番好きなやつとは堂々と付き合いたいんだよ。』
『・・・分かってる。アナタが告白するなんて考えられないことだし、感謝してるよ。でも今はダメ。大会前だし。ごめん、でも、面倒だなんて言わないで。』
『うん。今、トオルのことでイライラしてたから・・・すまん。』
『あのさ、もう、SCREAM辞めたんでしょ?』
『とっくにな。』
『その時、変な恋愛でもしたの?トラウマ?』
『いや。俺は普通に一途な恋愛をしただけだよ。』
『そう・・・。』