それまで何もなかった風景に幾つもの色が散らばった。

よく見てみると、青い鳥が飛び、緑が生い茂り、黄色の花が咲き、

私は白濁した水溜りを除けることなく黒いブーツを鳴らして歩いていた。


遠い空には虹も見えた。

しかし、間もなくすると、色付いた風景を消し去るような


眩しい光が天からふりそそいだのだ。

このまま目をあけていたらどうなっていたのか?

それは分からない。新しい世界が待っていたのかもしれないが

私は反射的に目をつむっていた。


我慢できなかったし、正直恐かったのだ。

まるでパソコンを終えたときのモニターのように目の前が真っ暗になり

我にかえった。

目の前には燈色の空とバンドマンがいた。

隣にいた杏は初めて聞いた曲にもかかわらず、

ボーカルの声をなぞるように口ずさんでいた。

たった数十秒の出来事だったようだが、杏は音楽に

私は自分に没頭していたようだ。

この夕焼け色を砂時計の容器に入れて持って帰りたいな、

そんなことを思っていた。

そして、少しすっきりした気持ちで私もバンドの演奏を聞くこととした。

あのことは後で杏に相談してみよう。

バンドが星座について歌っていた。