キスはほんの僅かな時間だけ。
でもソウルの交わりは深くて。
口唇が離れた時には心が満たされていた。
しばらく動けなかった。
ショウの首に回した腕はそのままに。
リビングの片隅で抱き合っていた。
はぁ、って先に息を大きく吐き出したのはショウだった。
「ごめん。サトシが独りで外出できるようになって・・・
時々なんか置いてきぼりにされてるきになっちゃうんだ。
なんか俺なしでも楽しめることがあったのかな、って。
すごい寂しくなっちゃって」
「んふふ・・・ちょっと待って」
離れ際にチュッと触れるだけのキスをして。
腕を解いた。
躰を離すと温かさが消えていくのが分かる。
置いてあったバッグの底からプレゼントを出す。
ショウに差し出すと、きょとんとした顔をする。
瞠った目がいつもより大きく輝いてて。
「これ・・・?」
「雑貨屋さんで見かけて。
ショウにピッタリだって思って」
「開けていい?」
頷くとソファーに座って丁寧に包み紙を剥がし始めた。
ショウは中から出てきたカップを手のひらで包むと。
目の高さに掲げ、外からの光に透かした。
「綺麗な色だね」
「これは・・・ショウの色だよ」
何の色だかは言わなかった。
その炎をまとったことをショウは後悔してるから。
でも・・・その炎に巻かれながらも僕は美しいと思ったんだ。
キラっと光が反射する。
ショウの手の中にすっぽりとハマったボウル。
ずっと前からショウのものだったように馴染んでいた。
ショウの表情が緩む。
「ありがとう・・・サトシの思う俺はこんな色なんだね」
「ん・・・綺麗で情熱的な色だよ」
僕を愛してくれる時にもショウにこの色を感じる。
怒りも愛も元は同じものなんだろうな、って感じる。