やっぱり、こっそり付いて来てた。
前の僕だったら、きっと付いて来てたことに、ショックを受けた。
一人ではなんにも出来ないんだ、って。
でも・・・今は違う。
一人で買い物に行けない、って思ってるんじゃない。
ショウが僕のことを心配してくれてるだけだ、って分かってるから。
僕に見つからないように隠れてるのは・・・
それもショウの思いやり。
きっと、家の近くで先回りして家で出迎えてくれるつもりなんだろう。
家まで先回りしようと、裏道を走るショウを想像した。
必死に走って、汗だくになるんだろうな。
想像したら、おかしくなって。
くすくす笑いが出た。
買ったものをバッグに入れながら笑ってるなんて。
きっと変な人に見えただろうね。
バッグを肩から下げて、カゴを片付けた。
出口から出る前に飲みものを一口。
どうしようかな?って考えて。
いつもと違う道を使って帰ることにした。
ショウが尾行してるって知ってると、いつもと違う道を通る、って。
後ろでわたわたしてる雰囲気が伝わってくる。
なんでこっちの道を行くのか?
そのうち、ショウにも分かるから。
久しぶりに通る、その道は、街路樹の落ち葉でいっぱいになっていた。
風が吹くたびに、枯れ葉がハラハラと落ちてくる。
きっと、掃いても掃いても次から次へと落ちる葉で道にいっぱい。
そんな落ち葉を蹴飛ばすように歩く。
ほら。
心配しなくても、僕はもうこんなことだって出来るよ?
ショウ、見ててくれてるよね?
こっちの道を使うと、家にはちょっと遠回りになる。
それでも、僕がこの道で帰ろう、って思ったのは・・・・
クルッと後ろを振り向いて。
「ショウ!」
名前を呼んだ。
後ろめたそうな顔のショウがそこにはいて。
「・・・ごめん」
「ううん、心配して付いてきてくれたんでしょ?
ありがとう。
せっかくだからさ・・・少し休んでこうか?」
僕は視線でそこを指す。
ショウが笑顔になった。
「いいね」
こっちの道には、僕たちのお気に入りのカフェがある。
そこまでの数メートル。
僕たちは腕を組んで歩いた。
だって、これはデートだから。
☆★
つい、思いついて書いちゃった(笑)
このシリーズ、まだ書きたいことがあるんですよ〜
本編の黒幕のこととか、まだ分かってない方もいるみたいなので。
その辺を明らかにする続編というか。なんというか。
いつか書けるといいなぁ・・・(笑)
休眠状態なのに・・・どうした?(笑)