マサキが蕎麦打ちを始める。
リビングのテーブルの上に蕎麦打ちの鉢?を置いてそば粉を山盛り。
サトシはテーブルの側に立って、マサキの手元を覗きこむ。
「なに?サトシも次やってみる?
やってみると、楽しいんだよ〜」
指先でそば粉と水を少しずつ混ぜながら、マサキが誘う。
「難しくない?」
「ん〜ちょっとコツはいるけどね。
オレが名人から教わってきたコツを伝授いたしましょう!」
マサキがそのコツとやらを説明しながら、こね始める。
「ここで、菊練り!ほら!見て!
菊の花びらみたいな模様が出来るでしょ?」
「ほんとだ!僕にできるかな?」
「粘土みたいなもんだから!きっと大丈夫!」
サトシが立ちっぱなしで疲れないか?
ちょっとバランスを崩したら・・・なんてハラハラしながら見ていた。
ニノがキッチンで俺を呼んだ。
「ショウはこっち手伝ってください。天ぷら作りますよ」
「て・・・天ぷら?誰が??」
「そりゃ・・・ワタシたちでしょう」
「無理!そんな・・天ぷらなんて!」
「手順は教えますから。
まずは海老の下ごしらえします」
ニノがやって見せてくれながら、説明をしてくれる・・・が。
出来る気がしない。
足をむしるって!背わたを取るって!
頭は??そのまま!?そんなおっかないこと!
じゃあ、野菜を切って、と言われて包丁を握った。
が・・あっという間に首にされた。
それなら衣用の小麦粉をふるいにかけてと言われて。
ようやく出来ることが見つかった。
カウンター越しにリビングの様子を伺った。
蕎麦はすでに平らにのされていて。
大きな包丁で切られようとしていた。